東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
Junko Takita教授の研究室は、神経芽腫の発がんメカニズムの解明を目的とし、特に染色体の欠失(LOH)や遺伝子変異の解析を通じて、腫瘍の進行や予後に関与するがん抑制遺伝子やオントゲンの同定を進めています。特に9番染色体のp領域や1番染色体のp領域の欠失、MYEOV や NEGR1 といった遺伝子の発現異常についての機能的解析が中心です。また、ALK遺伝子の異常やマイクロアレイを用いた遺伝子発現プロファイルの解析を通じて、神経芽腫の分子的異質性の解明にも貢献しています。
Matsuo教授の研究室は、神経内分泌系のホルモン構造と機能の解明を柱としており、特にLH・FSH放出ホルモンのアミノ酸配列解明をはじめとするペプチドホルモンの分子生物学的研究を推進しています。また、造血幹細胞の自己複製制御に関与するEVI1遺伝子やAMLにおける遺伝子異常(CEBPA、MLL)の臨床的意義についても、がん・血液疾患の分子メカニズム解明を目的として研究を展開しています。近年では、画像・血液検査データを活用した機械学習による自己免疫疾患の予後予測にも応用的アプローチをとっています。
Wang教授の研究室では、土砂災害の発生機構とメカニズムの解明を目的として、特に液状化を伴う斜面崩壊の挙動に注目した土の動的挙動に関する実験的研究を進めています。特に、長時間にわたるせん断変位下での不排水挙動や、細粒含有土の液状化挙動をリングサーベス試験を用いて詳細に分析しています。これにより、災害発生メカニズムの予測・防止に資する土の力学的特性の解明を目指しています。
Watanabe教授の研究室は、地震波動解析と高解像度画像化技術を基盤とし、時間差地震データを用いた微小な物理的変化の検出や、波形逆問題に基づく高精度な速度構造・減衰構造の推定を主な研究テーマとしています。特に、Fresnel体積を用いた旅行時トモグラフィーや、周波数ドメインにおける非線形波形逆問題の応用により、地下の微細な異常を高精度に可視化する技術開発を進めています。また、時間差データの差分処理と基準データ正規化を組み合わせた新規手法により、微小領域における速度変化の検出感度を向上させています。
本研究室では、レーザー光と原子・分子の相互作用を理論的に解明し、特に自己イオン化状態や連続状態を介した遷移制御、フェーズ制御されたレーザー場における励起状態のダイナミクスに注目しています。特に、レーザーの位相や強度を制御することで、遷移の選択的キャンセレーションや線幅の制御が可能となる現象を理論的に示しており、超短パルスレーザーを用いた高精度な位相測定技術の構築にも貢献しています。また、希ガスなどの多チャネル系やヘリウムの二重イオン化を応用したXUVパルスの自己相関測定法の開発も行っています。
Yikai Hsieh教授の研究室では、地球の外層放射ベルトにおける高エネルギー電子の生成と動的変化を、相対論的電子とホイステラーモードのサイン波(コーラス波)との波動粒子相互作用に着目して解明しています。特に、斜めに伝わるコーラス波と電子の非線形なLandau共鳴相互作用が、MeV級の相対論的電子をどのように効率的に加速するかを、テスト粒子シミュレーションとグリーン関数法を用いて定量的に分析しています。また、波の伝播方向や磁場に対する傾きが波動エネルギーの輸送や共鳴条件に与える影響を理論的にも検証しています。
Ichirô Nakagawa教授の研究室は、細菌の病原性機構に焦点を当てた微生物学的研究を推進しています。特に、溶血性レンサ球菌(GAS)やペルオドントパトゲンであるペルオドモナス・ジンジバリスのfimbriae(線毛)が宿主細胞への接着・侵入に果たす役割を分子レベルで解明しています。また、細菌の遺伝的多様性や系統的関係を解析するためのMLST法の開発など、感染症の疫学的・分子的基盤を築く研究も進めています。
藤本博之教授の研究室は、酸化物超伝導体の機械的特性と超伝導特性の向上を柱としており、特にMPMG法で作製されたYBCO材料における微粒子の強化メカニズムや、結晶面に起因する破壊靭性の異方性を解明しています。また、リチウムイオン二次電池の炭素負極におけるリチウムインターカレーション挙動を、操作的X線回折を用いて三次元構造の詳細にわたって解析し、反応機構の解明を進めています。さらに、糖尿病の非画像的β細胞質量評価を目的としたPETプローブの開発や、siRNAを用いた遺伝子スクリーニング技術の構築にも取り組んでいます。
伊保田花子教授の研究室は、網膜疾患の発症機構解明と神経保護戦略の開発を柱としています。特に、希少疾患や難治性網膜変性の病態を解明するため、患者由来iPSCを用いた網膜色素上皮細胞モデルの構築や、網膜神経細胞のエネルギー代謝と死滅機構の解明を行っています。また、幹細幹細胞を用いた網膜前駆細胞の誘導や、神経保護を目的とした代謝制御戦略(BCAA投与、VCP阻害剤の開発)の研究も進んでいます。
Nagayasu教授の研究室は、セロトニンニューロンの機能とその神経回路機構に注目し、うつ病の病態と治療の神経基盤を解明することを目的としています。特に、背縫線核(DRN)のセロトニンニューロンが報酬と嫌悪のバランスを制御するメカニズムや、陽性記憶に関連する神経集合への選択的活性化を解明しています。また、抗うつ薬の作用メカニズムとして、持続的投与によるセロトニン放出能の上昇や、チオリン酸受容体を介した神経可塑性の変化を明らかにしています。
Kei Kamide教授の研究室は、心血管疾患や代謝疾患の発症に関与する非コーディングRNA、特にANRILの機能解明を柱としています。特に染色体9p21領域に位置するANRILが腫瘍 suppressor遺伝子のエピジェネティックな制御を通じて細胞増殖や加齢性変化に与える影響を解明しており、疾患の発症メカニズムの解明を目指しています。また、RGS2遺伝子の多形性やレニン-アンジオテンシン系・シンパシック神経系の局在的活性が心筋肥大に与える影響についても、動物モデルを用いた機能解析を進めています。
Yoshikawa教授の研究室は、生体適合性ゲルやレーザー加工技術を応用した細胞・結晶の精密制御を柱としています。特に、pH応答性ゲルを用いた細胞の機械的微小環境制御や、フェムト秒レーザーを用いた蛋白質結晶や尿素結晶のナノスケールでの成長制御が顕著です。細胞接着性や形態の力学的応答を高精度で評価する新規な評価手法の開発も進んでいます。
Hamada教授の研究室は、第一原理計算を基盤として、分子・固体界面における弱い相互作用(ファンデルワールス力)の正確な記述に注力しています。特に、van der Waals密度汎関数(vdW-DF)の改良を通じて、吸着系や2次元材料の構造的・電子的性質を高精度に予測する手法を開発しています。また、触媒表面における貴金属の挙動や、電気化学的界面における水素吸着のメカニズム解明にも応用しており、材料設計と反応機構解明の両面から貢献しています。
景久教授の研究室は、がん微小環境の解明を目的として、手術により切除された腫瘍組織から直接抽出した腫瘍由来の細胞外小胞(Te-EV)を用いたタンパク質・マイクロRNAの解析を進めています。特に、腫瘍特異的因子(AZU1、LAIR1、miR-629、miR-122など)が腫瘍の進行や転移に果たす役割を分子機構レベルで解明しており、がんのバイオマーカーとしての応用も視野に入れています。また、血液中の細胞外小胞に由来する腸内細菌由来DNAの存在や、がんにおけるシグナル経路(TGFβ/Smad、Wnt/β-カチニン)の制御機構についても、新規の治療的標的の同定を目指した研究を展開しています。
島井伊佐夫教授の研究室は、腎疾患や代謝異常に関連するポリアミン代謝、ビタミンD機能、および血管・腎臓における石灰化のメカニズムを解明することを主眼としています。特に、肝障害や腎障害に伴うポリアミン代謝の変化、ビタミンDの腎細胞保護作用、およびフェトウインAによる腎石灰化抑制機構の解明が進んでいます。また、必須アミノ酸補給が血管石灰化に与える影響についても、動物モデルを用いた実験的アプローチを展開しています。
Hamada教授の研究室は、核移動体と細胞内輸送の分子機構、特にRanBP2/Nup358が細胞周期とタンパク質輸送に果たす役割を解明しています。また、がん治療におけるオナコリックウイルス療法やサフィングオール誘導による癌細胞死の分子機構についても、口腔がんや頭頸部がんをモデルとして研究を進めています。さらに、ヘリコバクター・ピロリの口腔内存在と肥満関連疾患との関連性についても臨床的・分子的アプローチをとっています。
Md Sayeedul Islam教授の研究室は、植物由来の有用化合物のデータベース構築から、ウイルスの遺伝的変異解析、SARS-CoV-2の治療標的を指向した天然化合物スクリーニングまで、バイオインフォマティクスと実験生物学を融合した多様な研究を展開しています。特に、植物由来の生理活性化合物のスクリーニングや、気候変動に伴う作物のストレス耐性向上(例:水素水処理による小麦の生育促進)にも注力しており、持続可能な農業と医薬開発の両面で貢献を図っています。また、細胞内オルガネラ(ミトコンドリアとチラコイド)の光依存的分布と機能的相互作用の解明も重要な研究テーマです。
Kotaro Satoh教授の研究室では、精密高分子合成を柱に、ラジカル重合の制御と立体特異性の向上に注力しています。特に、RAFT法を応用した鎖長とエナンチオマー選択性の二重制御や、天然由来モノマー(リモネン、α-ピネンなど)を用いた高Tg・光学活性を示す新規高分子の開発が進んでいます。また、水中でも進行するカチオン重合や、クリックケミストリーを活用した端末機能化技術の確立も重要な研究テーマです。
Natsue Yoshimura教授の研究室では、脳-コンピュータインターフェース(BCI)を応用した補助技術の開発を柱としており、特に非侵襲的脳波(EEG)と機能的磁気共鳴共振画像(fMRI)を統合した脳活動推定手法を用いて、言語想像や運動制御の脳内メカニズムを解明しています。特に、EEG cortical currentsの推定と分類を基盤に、通信障害のある人々のためのスピーチプロセスや、下肢運動の制御を可能にするBCIの実現を目指しています。また、神経ネットワークのダイナミクスや年齢関連の運動機能低下の神経基盤についても、fMRIとEEGの統合的解析を通じて研究を展開しています。
Chunwei Zhang教授の研究室は、多孔質媒体内における流体・溶質移動のスケール依存性を、高解像度X線マイクロCTと数値シミュレーションを融合して解明しています。特に、空隙スケールのメカニズム(例:スナップオフ、ハイネスジャンプ、毛管圧浸透)がマクロな輸送特性に与える影響を、CO2地下貯留や原油回収、土壌修復などの応用を視野に入れた研究を展開しています。非定常な水分状態下や二相流におけるキャピラリートラップ挙動の解明にも注力しており、実験的・数値的アプローチの両面から物理的メカニズムの解明を進めています。