東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
Kazuho Daicho教授の研究室では、セルロースナノファイバーの結晶構造と界面特性に着目し、ナノスケールのセルロース結晶の密度・結晶性・界面相互作用の制御を基盤に、高機能なセルロースベース材料の設計と創出を進めています。特に、セルロース繊維の界面における分子配列と結晶性の関係、および結晶界面の制御による機械的・熱的性質の向上に注力しています。また、固体NMRやヘリウムガスピクノメトリーを用いた高精度な物性評価手法の開発も並行して行っています。
李志強教授の研究室では、スピントロニクスを応用した次世代情報処理技術の開発を主眼としています。特に、磁性体の非平衡ダイナミクスや非ガウス的ノイズ環境下での情報処理メカニズムに着目し、短時間記憶能力を有するスピンガラスや超パラメagneticトンネル接合(SMTJ)を用いたリザボア・コンピューティングの実現を目指しています。また、非線形力学と確率的共鳴を組み合わせたロジカルなノイズ耐性処理技術や、カラードノイズに強い量子アナログ最適化装置(GIM)の設計にも貢献しています。
Nen Saito教授の研究室は、統計物理学・計算物理学的手法を応用し、極めてまれな現象や非平衡ダイナミクスを解明する研究を展開しています。特に、ランダム行列の固有値分布における極小確率事象の評価や、小数個の分子が関与する化学反応系のダイナミクス解析に、マーカフ連鎖やモンテカルロ法を駆使した新規シミュレーション手法を開発しています。また、生物学的形状の自動分析や細胞内シグナルと膜変形の連成メカニズムについても、深層学習と物理モデルの融合による新しいアプローチを提案しています。
本研究室では、歩行における神経制御のメカニズムを解明することを目的としており、特に筋膜の協調的制御(筋膜シンジーキー)と脳の活動の関連を電脳図(EEG)を用いて解析しています。歩行の速度やモードに応じた神経ネットワークの再編、水中歩行やスプリットベルト走行による適応的変化、パーキンソン病における運動制御の障害など、多様な歩行状況下での神経制御の普遍性と特異性を解明しています。脳-筋間の情報伝達(コヒーレンス)や、脳波から筋膜シンジーキーを復元する脳デコーディング技術の開発も進めています。
石井信久教授の研究室は、超短パルスレーザーを用いた強場物理学とアトセカンド科学の分野で世界的な研究を展開しています。特に1.6μm帯のフェムト秒・アトセカンドパルスの生成と、その位相安定化技術の開発に注力しており、水窓領域のソフトX線領域への高次高調波生成を実現しています。また、非線形光学効果を活用したパラメトリック増幅や、波形制御された超短パルスを用いた物質内での電子・振動子波パケットのリアルタイム観測も行っています。
Fumiaki Obata教授の研究室は、Drosophilaを用いたモデル系を通じて、メタボロミクスと腸内微生物の関連を解明する。特に、メチオニン代謝やS-アデノシルメチオニン(SAM)のバランスが寿命や炎症に与える影響を、Gnmt酵素の機能や腸内細菌の調節メカニズムと結びつけて研究している。また、発達期の酸化的ストレスや、壊死性炎症が宿主の代謝・免疫応答に及ぼす長期的影響についても、微生物叢と連携して解明している。
Yohei Yukutake教授の研究室では、火山地震や地震群の発生機構を、高精度な震源・原動力解析と地震波トモグラフィーを組み合わせて解明しています。特に、箱根火山を代表とする活断層・活火山帯における流体の働きと地震活動の関係を、地震観測と地殻変動の統合的解析から明らかにしています。また、非破壊的変位(アースクランプ)や流体圧の変化と地震の関係についても、時間的・空間的変動を詳細に追跡する研究が進められています。
Takami教授の研究室は、酸化物機能材料の構造・物性の解明を基盤とし、特にコバルト酸化物やリッチェルダス・ポップラー型材料を用いた熱電変換材料、フルオライドイオン電池用正極材料の開発を進めています。X線・中性子線ディフラクションを用いた高精度な構造解析を通じて、スピン状態や不純物・欠陥の影響を解明し、エネルギー変換・貯蔵デバイスの性能向上に貢献しています。特に、酸化物のスピン状態制御とイオン伝導機構の解明が、次世代エネルギー材料の設計に不可欠であると捉えています。
Kashiwara教授の研究室は、代数的D-modules、整数係数D-modules、および量子グループの表現理論を核とする、代数的・解析的・幾何的トポロジーの交差点に位置する研究を展開しています。特に、微分方程式の解のコホロジーの有限性や、特異点を持つ線形微分方程式系の性質、量子線形代数的構造と幾何的対象(例えばクーヴィー多様体)の関係を深く探求しています。また、晶 Exactな表現理論や、特異点理論と perverse sheavesの関係についても、基礎的かつ画期的な貢献を続けています。
北垣康介教授の研究室は、強い電子相関とトポロジカルな電子状態が共存する新規量子物質の設計と物性解明を柱としています。特に、非中心対称系におけるパリティ非保存超伝導や、磁場誘発超伝導、Rashbaスピン軌道結合と相関効果の競合を解明する理論的研究が進んでいます。また、数値的・数理的手法として、因果律を保つ解析接続法(Nevanlinna法)の開発とJulia言語を用いた高速実装も行い、第一原理計算との連携により実験と理論を結ぶ橋渡しを果たしています。
Yusuke Okazaki教授の研究室は、淡水環境における微生物の多様性と生態的役割に焦点を当てた研究を推進しています。特に酸素を含む深層湖水(ホリミニオン)に生息するバクテリオプランクトンやウイルスのコミュニティ構造、遺伝的多様性、およびその時空間的変動を、次世代シーケンシングやメタゲノム解析を用いて解明しています。また、未培養微生物の生態的意義や、環境要因がゲノム多様性に与える影響についても、高分解能なメタゲノム解析を駆使して研究を展開しています。
Hiroshi Kawamoto教授の研究室は、T細胞の発生メカニズムと造血幹細胞の線維決定における分子機構を解明することを主眼としています。特に、Notchシグナルとサイトカイン(IL-7など)のバランスがT細胞への決定に与える影響を細胞レベルで解明しており、自己複製を示す前駆細胞の形成や、myeloid・NK細胞への多能能性を維持するメカニズムの解明が進んでいます。また、iNKT細胞のサブセット分化や、RNAレベルでの遺伝子発現制御(SgrS/RNase E系)の研究も併行して行っています。
高石重夫教授の研究室は、がん幹細胞(CSC)の同定とその機能解明を柱として、特に胃がんにおけるがん幹細胞の特性と発がんメカニズムを分子・細胞生物学的手法を用いて解明しています。CD44をマーカーとするがん幹細胞の機能的特徴(球状培養能、腫瘍形成能、化学感受性)の解明や、胃酸分泌ホルモン・ガスチンの異常とヘリコバクター感染ががん化を促進するメカニズムの解析も行っています。さらに、がん幹細胞の自己複元能に寄与する転写因子(例:SNAIL2)の機能解明を通じて、がん治療の新たな標的を模索しています。
Hidetatsu Outani教授の研究室は、骨・軟部腫瘍の発症機構と治療戦略の解明を柱としており、特に尤性肉腫やクリアセルサルコマなどの希少な骨腫瘍における遺伝子・エピジェネティクス的メカニズムの解明に注力しています。臨床的課題としての長期予後や再発リスク、画像診断による骨折の早期発見にも貢献しており、基礎と臨床の橋渡しを図るトランスレーショナルリサーチが特徴です。
趙帥傑教授の研究室では、電気自動車の高信頼性化を目的として、パワーモジュールの封止材料と金属基板の界面挙動に注目した研究を推進しています。特にエポキシ樹脂と銅基板の界面相互作用が、高温高湿環境下での信頼性に与える影響を解明しており、銅の拡散や酸化反応が封止不良を引き起こすメカニズムの解明が主な研究テーマです。また、マルチモーダルなセンシング技術を応用したドライバーの疲労検出手法の開発も併せて行っています。
Yamada教授の研究室は、半導体とフェロマグネティック材料を組み合わせたスピントロニクスデバイスの開発を主軸としています。特に、ゲルマニウムを用いた高効率なスピン注入・スピン輸送の実現や、低抵抗スチャットキー・トンネル接合を用いた室温でも高い磁気抵抗比を示す垂直型スピンバルブデバイスの開発が進んでいます。また、ナノスケールでのドーピング制御や、高密度メモリ技術への応用も視野に入れた、半導体プロセスとスピントロニクスの融合研究を推進しています。
岡国宏教授の研究室では、低線量CTを用いた3次元骨モデルの構築技術を開発しており、診断精度を維持しながら被ばく線量を大幅に低減する画期的な技術を実現しています。特に、前腕の先天性橈骨・尺骨接合症に対して、血流保持性の筋膜脂肪グラフトを用いた新しい手術法の術後評価を、マーカーレスな骨登録技術を用いて三次元的かつ高精度に解析しています。この研究は、臨床的評価の難しかった術後機能の定量的把握に貢献し、個別化医療の実現に向けた基盤を築いています。
王 Jianhao教授の研究室は、次世代無線通信と半導体パッケージングの分野で、特にミリ波帯と大規模MIMOを活用した6G無線システムにおけるチャネル推定技術の高速・高精度化を主眼としています。また、宇宙環境下での電子部品の信頼性確保を目的に、極低温・高熱衝撃下におけるスolders jointの界面変化と疲労挙動の解明も行っています。さらに、医療分野では再生医療を応用した生分解性マイクロニードルを用いた皮膚感染症の治療技術開発も進めています。
Sachiko Matsushita教授の研究室では、ナノ構造を制御した酸化チタンを用いた光触媒膜の開発に注力しています。特に、二酸化ケイ素ナノ粒子をテンプレートとして用いた周期的ナノポーラス構造の形成や、その表面での銀の光析出を用いた光触媒活性の評価を行っています。また、顕微鏡観察を組み合わせたリアルタイムモニタリング技術の確立にも取り組んでおり、光応答性材料の機構解明を目的としています。
宮島慎介教授の研究室では、結晶シリコン太陽電池の高効率化を目的として、低温度プロセスで形成可能な高品質な酸化アルミニウムおよび炭化ケイ素系非晶質・ナノ結晶膜の開発を進めています。特に、水素ドーピングを施したナノ結晶炭化ケイ素(nc-3C-SiC:H)を用いた高透過性n型発光層や、光吸収を効率化するための新規光制御構造(RIP-PDMS)の統合も実施しており、フレキシブルで高効率な太陽電池の実現を目指しています。