東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
Yusuke Haruki教授の研究室では、脳が内臓感覚(インターリエプション)をどのように処理・表現しているかを、fMRIを用いた神経画像法と行動実験を融合して解明しています。特に、心拍や胃の感覚に対する注意や認識の神経基盤、性差やスマートフォン使用が心身の連携に与える影響にも注目しています。近年では、リアルタイムfMRIニューロフィードバックを用いた自己制御の可能性についても研究を展開しています。
Kohei Yuyama教授の研究室では、アルツハイマー病の病因に関与するアミロイドβ(Aβ)の脳内動態に注目し、神経細胞から放出されるエクソソームがAβを捕捉・輸送し、ミクログリアに取り込まれてリソソームで分解される仕組みを解明しています。特に、神経由来エクソソームがAβを非毒性なフィブリルに変換する機能や、脳内でのAβクリアランスを促進するメカニズムの解明が主な研究テーマです。老化に伴うエクソソーム機能の低下がAβ蓄積に与える影響についても、動物モデルを用いて解析しています。
伊村浩平教授の研究室では、金ナノ構造の局所的光学特性に注目し、スキャニング近-field光学顕微鏡を用いた高分解能・高精度な測定を通じて、ナノスケールでの光場制御やプラズモンモードの空間的・時間的ダイナミクスを解明しています。特に、ナノロッドやナノプレート、アグリゲート構造における二光子励起光放出や局所的電場分布の可視化を実現しており、結晶構造と電子バンド構造がもたらす光学的性質の特徴を理論的・実験的に解明しています。また、超短パルスを用いた時間分解測定により、ナノ構造内での集団的電子運動の非均一性やスイッチング特性の解明にも取り組んでいます。
Makoto Nakakido教授の研究室は、がんの発症・進行に関与するシグナル伝達分子の翻訳後修飾(メチル化、リン酸化、アセチル化など)に注目し、PTEN や p21 といった腫瘍抑制因子の機能制御機構を解明しています。特に、キナーゼやメチルトランスフェラーゼを標的にしたがん治療戦略の開発を目指しており、細胞周期制御や細胞死の調節機構の分子メカニズムを解析しています。また、ナノサイズの抗体(ナノボディ)の設計や、タンパク質の安定化・機能制御のための化学的メカニズム解明(アルギニン塩酸塩の作用)についても幅広く研究を展開しています。
Umeda教授の研究室は、製品の機能的価値を核とした設計理論とその支援技術の開発を柱としています。特に、機能モデリング(FBSモデリング)を基盤に、概念設計段階からの機能的柔軟性やライフサイクル設計、持続可能な製造パラダイムの実現をめざしています。また、産業4.0時代にふさわしい「デジタルトライプル」や自己保守性を持つ機械の設計手法など、次世代CAD・製造システムの基盤技術の構築にも貢献しています。
Bui教授の研究室は、建設廃棄物のリサイクルと二酸化炭素の固定を柱とした持続可能なセメント・コンクリート材料の開発を進めています。主にリサイクルコアグリゲートを用いたコンクリートや、炭素吸着を活用した新規コンpositesの創出を研究しており、環境負荷低減と資源循環を実現する技術の確立を目指しています。特に、炭素化処理やポリマー化反応を応用した新規固化プロセスの開発が特徴です。
Norio Narita教授の研究室は、地球外系惑星の精密な動態・大気特性の解明を主眼としています。特に、トランジットを伴う系外惑星のスピン-軌道角の測定や、大気成分の高精度分光観測を実施しており、その多くは日本国内の大型望遠鏡(すばる望遠鏡、岡山天文台など)を活用しています。また、複数色同時撮像装置MuSCATシリーズの開発を通じて、惑星の大気の温度構造や化学組成の精密な推定にも貢献しています。
Kanami Tsuno教授の研究室は、職場いじめや職場環境が従業員のメンタルヘルスに与える影響に注目し、特に权力格差、安全気運、社会的不平等感がいじめの発生にどのように関与するかを心理的・組織的視点から解明しています。また、リーダーシップスタイルやグループ内・グループ間の対立が心理的苦痛や働きぶりに与える影響についても、実証的データを基に分析しています。主に公務員や工場労働者を対象とした大規模なアンケート調査を用いた、職場環境と健康の関連を解明する研究が特徴です。
Yoshimi教授の研究室は、CRISPR-Casを用いた精密なゲノム編集技術の開発と応用を柱としています。特に、ラットを用いた効率的なターゲットキーンイン(Knock-in)技術の確立や、単一塩基多型の特異的認識による遺伝子編集、さらには病原体検出に応用したCRISPR診断技術の開発を進めています。これらの研究は、疾患モデル動物の構築や感染症の迅速診断に貢献する画期的な技術革新をめざしています。
川田順也教授の研究室では、自己修復性を有するスーパーマルチスケール自己集合系を基盤とし、金属配位子相互作用と水素結合を統合した形状記憶性を示す超分子液晶ネットワークの創出を主眼としています。特に、金属イオンを配位子として用いた巨大球状自己集合体の形成や、そのナノ構造を制御した機能性ゲル・材料の開発が進んでいます。また、水中で機能する液晶材料や界面での分子配列制御を応用したセンサーや膜材料の開発にも取り組んでいます。
Miki教授の研究室では、人工的に設計された自己集合性ペプチドを用いた新しいバイオマテリアルの創出を柱としています。特に、細胞内においても機能するナノスケールの構造を形成するペプチドを設計し、タンパク質の凝集や細胞内コンパートメント形成の模倣・制御を目指しています。その応用として、細胞内でのタンパク質凝集の可視化、人工的シグナルドメインの構築、および細胞内相互作用の解明に向けた新規プローブ技術の開発も進めています。
リカマ・ミツハシ教授の研究室は、暗号化されたDNS通信(DoH)におけるマルウェアの隠れ家や不正通信を効果的に検出するための機械学習ベースのネットワーク監視技術を開発しています。特に、DGA(ドメイン生成アルゴリズム)を用いたマルウェアの通信を、階層的機械学習手法を用いて識別する仕組みを提案しており、リアルタイムでの知識更新と高い検出精度を実現しています。近年のDoHの普及に伴うセキュリティ課題に的を射た、実用的で実践的な研究が特徴です。
Hiroki Tsuji教授の研究室では、西日本を襲う豪雨現象のメソスケール構造と大気環境の関係を、数値実験・観測データ統合分析を用いて解明しています。特に、水蒸気の上層大気への供給や、上層低気圧・河川のような上層風の収束が、長時間にわたる強雨を引き起こすメカニズムにどのように寄与するかを重点的に研究しています。また、台風や大気河川(AR)と組み合わさった低気圧の構造的・熱力学的特徴の違いが、降水強度に与える影響についても分析しています。
Ryohei Kobayashi教授の研究室は、量子物性理論と場の理論を基盤とし、トポロジカル秩序や対称性保護相の理解を深める研究を行っています。特に、ゲージ理論における一般化グローバル対称性とLSM定理の関係、F<sub>1</sub>ATP合成酵素の分子モーターとしての回転機構、そして1次元系における電気分極の量子的定義について、理論的・数値的・単分子実験的手法を融合して研究を展開しています。量子相転移やトポロジカル相の性質を、場の理論的枠組みと数理的構成に基づいて解明することを目指しています。
佐藤悠一郎教授の研究室では、太陽系の小惑星・衛星の表面物質を対象に、地上・有人・無人探査機からの観測データと、サンプルリターンで得られた試料を統合的に解析することで、天体の形成・進化史を解明することを目的としています。特に、Raman分光法やK-Ar同位体測定法を用いた在位分析技術の開発が進んでおり、ミッションに即した高感度・高耐久性の分析機器の開発も並行して行っています。また、小惑星・衛星表面の地形的・物性的特徴とその年代測定の関係についても、高分解能画像解析を駆使して研究を進めています。
Keisuke Kokubun教授の研究室は、神経画像医学とライフスタイル要因の関連を解明することを柱としています。特に、MRIを用いた脳の健康状態を定量的に評価する「GM-BHQ」や「FA-BHQ」を活用し、ストレス、食事、生活習慣が脳の灰白質体積に与える影響を検証しています。高齢化が進む社会において、認知症の予防に向けたバイオマーカーの特定や、生活習慣の脳への影響を客観的・科学的に明らかにすることを目指しています。
Tatsuo Kurihara教授の研究室は、極限環境に適応した微生物、特に南極海域に生息する好コールド性バクテリア『シュワンエリア・リビングストンエンシスAc10』をモデル生物として、低温下でも効率的に代謝を維持する分子機構を解明しています。特にエイコサペンタエン酸(EPA)の生合成機構や、低温条件下でのタンパク質発現系の構築に注力しており、バイオテクノロジー的応用にも貢献しています。また、脱ハロゲン化酵素の機構解明や、細胞内膜小胞体輸送の分子機構についても、酵母や細菌を用いた分子生物学的手法を駆使して研究を進めています。
Imanishi教授の研究室は、RNA修飾の一つであるN6-メチルアデニン(m6A)の機能解明を柱としており、m6Aの認識・修飾を制御する酵素やエピタクソニックメカニズムの解明を進めています。特に、m6Aに感受性を示すリボヌクレアーゼ(MazF)の特性や、RNA結合タンパク質を用いた部位特異的m6A修飾制御技術の開発が特徴です。また、細胞内輸送や腎臓の生理・病態に関連するタンパク質の機能解析にも取り組んでいます。
Sato教授の研究室は、主にバイオインフォマティクスと計算生物学を基盤とし、特に稲の遺伝子機能解明と病害抵抗性遺伝子の同定を柱としています。分子遺伝学的手法を用いて、デンプン含量や病害抵抗性に関与する遺伝子の分子機構を解明しており、気候変動に伴う病害の深刻化に備えた持続可能な稲の育種に貢献しています。また、最適化理論やリーマン多様体上の最適化アルゴリズムの研究も併行して行い、バイオインフォマティクス応用に向けた計算手法の開発も進めています。
Chikae Tatsumi教授の研究室は、森林生態系における菌根菌と土壌微生物の相互作用に注目し、特にエクトミコリザル(ECM)菌とアーバスキュラー菌根(AM)菌の違いが土壌炭素貯蔵や栄養循環に与える影響を解明しています。都市化や森林断片化が菌根共生に与える影響を、都市から農村への移行と森林縁辺から内部へのグレードィエントを用いて解析しており、土壌微生物コミュニティの構造的・機能的変化を明らかにしています。