東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
松井義彦教授の研究室では、水処理技術の基盤をなす凝集・ろ過・吸着プロセスのメカニズムを解明しています。特に、アルミニウム系凝集剤がウイルスや微粒子を効果的に除去する挙動や、活性炭を用いた有機汚染物質の除去挙動に注目し、環境中における微量有害物質の制御技術の開発を進めています。また、自然有機物(NOM)が凝集・吸着プロセスに与える影響の解明も重要な研究テーマです。
岡村知紀教授の研究室は、高血圧の発症メカニズムと血管内分泌系、特にレニン・アンジオテンシン系の役割に注目した生体防御機構の解明を主な研究テーマとしています。特に二腎1クリップモデルを用いた血圧上昇と腎素活性の動態変化の解析により、高血圧の持続的維持機構の理解を進めています。また、血管内皮機能やアンジオテンシン変換酵素の役割に関しても、心血管疾患の予防的アプローチの基盤を模索しています。
阿部一之教授の研究室では、生命現象のダイナミクスを解明するため、ゲノム・プロテオムデータを統合した計算モデルを構築しています。特に、シグナル伝達経路のネットワークを高スループットな生物学的データから同定するための整数線形計画法に基づく新規アルゴリズムを開発しています。また、連続的でない動的挙動を示すハイブリッドダイナミカルシステムの非線形ダイナミクスの解明にも取り組んでいます。
H. Kato教授の研究室は、成長因子受容体のシグナル伝達機構や代謝疾患の分子メカニズムに焦点を当てた細胞・分子生物学的研究を展開しています。特にインスリン様成長因子I受容体のキナーゼ活性が生理機能に与える影響や、がん治療における光線力学療法(PDT)の臨床的応用、さらに老化に伴う慢性炎症や腸内微生物叢の変化との関連についての基礎的・臨床的アプローチが特徴です。近年では、食事由来成分(ジャガイン)のインスリン抵抗性改善作用や、サルコイドーシスに類似した疾患モデルにおける代謝制御機構の解明にも取り組んでいます。
Ikuro Kasuga教授の研究室は、抗生物質耐性の環境的・微生物的メカニズムを解明することを柱としています。特に、カルバペネム耐性エントロバクテラlesやテトラサイクリン耐性遺伝子の環境中での拡散、および飲料水処理におけるバイオフィルムや窒素循環のメタゲノム的・生理的メカニズムを、分子生物学的手法と現場データを統合して研究しています。また、One Healthの視点から、水環境に存在する耐性遺伝子や耐性菌の動態を多角的に解明しています。
長岡直人教授の研究室は、電子相関とトポロジーが関与する量子物性を核に、反強磁性や非中心対称格子に由来する新しい量子状態の解明を進めています。特に、スピン-軌道相互作用に起因する異常ホール効果や、非時間反転対称系におけるトポロジカルな電気的性質の理論的・実験的解明が中心です。近年では、酸化物超伝導体の異常な常時性状や、2次元材料における磁気的・電気的特異性の関係にも注目しています。
岡田博之教授の研究室は、微生物のゲノム解読と機能予測を柱としたバイオインフォマティクス研究を推進しています。特にリケッチア属細菌のゲノム解析を通じて、宿主内での生存戦略や遺伝子の進化機構を解明しています。また、KEGGの知識ベースを活用した遺伝子機能アノテーションツール「KofamKOALA」の開発により、ゲノムデータの機能解釈を支援する基盤技術の構築にも貢献しています。
Yuki Takahashi教授の研究室は、細胞間コミュニケーションを担う小胞体(sEV)の生物学的機能と動態を解明することを目的としています。特に、血液中におけるsEVの産生と消失のキネティクスを定量的に解析する新規技術の開発に注力しており、がんや疾患におけるsEVの役割を解明する基盤を構築しています。また、膜タンパク質の機能やリン脂質修飾がsEVの体内動態に与える影響についても、標識技術とバイオインフォマティクスを融合した革新的なアプローチを展開しています。
Satoshi Obika教授の研究室は、合成核酸化学を基盤とし、ナノテクノロジーと医療応用を結びつける先端的研究を展開しています。特に、糖環を架橋することで分子の柔軟性を制御する「ブリッジドヌクレア酸(BNA)」や、アミド結合を導入した新規XNA(キノン核酸)の開発が目立ち、がんや高コレステロール血症の標的治療に応用可能な高安定・高親和性オリゴヌクレオチドを創出しています。また、標的mRNAの特異的ノックダウンを可能にする抗センスオリゴヌクレオチドの開発も進んでいます。
Suzuki教授の研究室は、細胞内温度の高精度な計測と制御を目的とした先端的なナノテクノロジーを展開しています。特に、蛍光寿命や発光特性を用いたナノスケールの温度計測技術(ナノサーモメトリー)の開発に注力しており、細胞小器官や神経細胞における局所的温度変化の動的解析を可能にしています。また、Piezoelectricナノ粒子を用いた神経細胞への非接触刺激技術や、温度応答性ナノマテリアルの細胞内動態の解明も進めています。
大谷栄司教授の研究室では、地球内部における水の挙動とその地球化学的・物理的影響を、鉱物物理学的・地球化学的アプローチから解明しています。特に、マントル遷移層における水の不均一分布やスラブの深部脱水挙動に注目し、地球内部の物質循環やマグマ生成のメカニズムを解明しています。また、地震波速度異常や火山活動との関連性についても、地球内部の水循環を統合的に解明することを目指しています。
Hayashi教授の研究室は、生体分子と材料界面の相互作用を解明するため、表面科学的手法と計算シミュレーションを融合した先進的な研究を展開しています。特に、自己組織化単分子膜(SAMs)やナノ材料表面におけるタンパク質吸着、接着性、生体適合性のメカニズムを、HREELSやAFMを用いた高分解能分析とDFT計算で解明しています。また、医療用補助ロボットHALの制御技術開発や、チタン表面とタンパク質の特異的結合機構の解明など、バイオインターフェース工学の分野でも革新的な成果を挙げています。
Yu Takagi教授の研究室は、脳の活動から視覚経験を再構築する画像再構成技術に注力しており、特に拡散モデル(Diffusion Model)を用いたfMRIデータからの高品質な画像生成を追求しています。また、不安や強迫性障害といった精神的・行動的特徴の神経基盤を、非侵襲的脳波計測(MEGやfMRI)を用いて解明する研究も進めています。さらに、親子間の脳ネットワークの類似性を大規模データで分析し、世代を超えた脳の機能的・構造的伝播を解明する取り組みも展開しています。
Fuyuhiko Tamanoi教授の研究室は、メソポーラスシリカナノ粒子(MSNs)を基盤としたがん治療用ドラッグデリバリーシステムの開発を主眼としています。特に、がん細胞に特異的に集積する機能性ナノ粒子の設計や、siRNAや抗がん薬の効果的かつ安全な細胞内送達を実現する技術開発が進んでいます。また、細胞内シグナル伝達経路の制御や、リソソームからのナノ粒子排出機構の解明を通じて、ドラッグデリバリーの精度と効果を高める基盤研究も展開しています。
Ninshu Ma教授の研究室では、金属成形・接合プロセスの高度化を目的として、摩擦 stir加工や抵抗 spot溶接を含む新規加工技術の開発と、そのメカニズム解明を進めています。特に、超高強度鋼やデュプレックスステンレス鋼を対象に、微細組織制御と成形性・強度の両立を実現するための熱機械的プロセス設計と、FEMを用いたシミュレーション技術の統合的応用が特徴です。実験と数値シミュレーションの融合により、自動車用軽量化と安全性向上に貢献する材料・プロセス技術の創出を目指しています。
Yukinori Takenaka教授の研究室は、がんの病態メカニズムと治療反応予測の分子標高を解明することを柱としています。特にがん細胞のサバイバル機構に寄与するGalectin-3のリン酸化制御や、腫瘍微小環境に影響を与える血液学的バイオマーカー(NLR、PLR、血小板数など)の予後的意義を、臨床的・分子的アプローチで解明しています。また、がん患者における筋萎縮(サルコペニア)と免疫チェックポイント阻害剤の効果の関連性についても、メタアナリシスを活用した包括的評価を進めています。
Fei Xiao教授の研究室は、電力システムのリアルタイムセキュリティ評価と電力品質の異常検出を柱としたデータ駆動型研究を展開しています。特に、確率的リスク指標を用いた安全評価や、マルチヒddenマルコフモデル、ウェーブレット変換、機械学習を応用した異常検出手法の開発が特徴です。また、高エントロピー合金の相転移温度予測など、材料の物性とデータ分析の融合研究も進めています。
Masato Yoshihara教授の研究室は、卵巣がんの腹膜播種メカニズムに注目し、特にメタボリックな微小環境と腫瘍周囲環境の変化を解明しています。mesothelial細胞の異所的変換(CAMs)や脂肪細胞由来の線維芽細胞へのデディフェルティエーションが、がんの播種を促進するメカニズムを分子レベルで解明しており、ビタミンDによる細胞状態の回復や、腫瘍微小環境の再プログラミングを標的にした治療戦略の開発を目指しています。
岡本昭光教授の研究室は、蛍光を用いた核酸センシング技術の開発を柱としています。特に、塩基特異的な蛍光ヌクレオシドを設計し、SNP(単一塩基多型)や挿入多型の高感度・高特異的検出を実現する新規オリゴヌクレオチドプローブの開発が主な研究テーマです。また、励起状態の相互作用を利用したECHOプローブや、電荷移動を制御する人工塩基を用いた論理ゲート型DNAセンサーの開発も進んでいます。
Kotaro Sugawara教授の研究室は、食道がんや胃がんをはじめとする消化器がんの治療戦略に焦点を当てており、特にオナコリックウイルス療法や免疫チェックポイント阻害剤を用いたがん免疫療法の効果を解明しています。また、炎症マーカーや栄養状態を指標とする予後予測モデルの構築や、再発・残存がんに対する救命的手術の意義についても臨床的・疫学的アプローチで研究を進めています。がん治療における個別化医療の実現に向け、バイオマーカーと治療戦略の統合的アプローチを追求しています。