東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
池原和和教授の研究室は、人工細胞の構築を目的としたセルフリプリケーション系の開発に取り組んでいます。特に、自己複製可能な遺伝子発現系とDNA複製系を統合し、再構成された細胞内環境(PUREシステムやリポソーム)で持続的なDNA複製と翻訳因子の再生を実現する研究が特徴です。この研究は、生命の根源的機能である自己複製と進化の再現に向けた基盤を提供しています。
Naoya Shibata教授の研究室は、電子顕微鏡を用いたナノスケールの電場・電位構造の直接可視化を柱としています。特に、走査型透過電子顕微鏡(STEM)を応用し、原子分解能で電場分布を測定・イメージングする差動位相コントラスト法の開発・応用に力を入れています。酸化物や半導体における不純度や不配位子欠陥の電気的・構造的性質の解明も重要なテーマです。
Ting-Hui Xiao教授の研究室は、ナノスケールの光・物質相互作用を応用した次世代光デバイスの創出を狙い、特にグラフェンやゲルマニウムを用いた中赤外領域の集積光デバイス、表面プラズモン励起、および超高感度分光技術の開発を主な研究分野としています。単分子レベルでのラマン分光や光学的キラリティの強化、さらにはCMOSプロセスと統合可能な光子集積回路の設計にも注力しており、バイオセンシングや環境モニタリングへの応用が期待されています。
Hisashi Arase教授の研究室は、ナチュラルキラー(NK)細胞の機能と制御機構に焦点を当てており、特にNK細胞受容体の多様性とその機能的役割、ウイルスに対する免疫逃避機構の解明を主な研究テーマとしています。MCMV感染におけるNK細胞の反応、FasLを介した細胞傷害性、NKR-P1受容体によるインターフェロンγ産生の制御、ならびにCD4+8−胸腺細胞におけるNK1.1+サブセットの特徴解明など、NK細胞の発生・機能・シグナル伝達を多角的に解明しています。
Kanda教授の研究室は、消化器がん、特に膵がんおよび胃がんの病態解明と予後予測のためのバイオマーカーの同定を柱としています。特に、予後予測に有用な栄養状態指標(PNI)の臨床的意義や、膵液中のGαs遺伝子変異を用いた早期がんスクリーニングの可能性についての研究が進んでいます。また、腹膜播種や術後合併症のメカニズム解明や、がんの進行を予測する分子標識の同定にも注力しています。
Eiji Kobayashi教授の研究室は、再生医療とがん免疫療法を柱とした先端的医学研究を推進しています。特に、キラーT細胞や自然殺傷細胞(NK細胞)を標的にしたがん免疫応答の強化や、末節性軟骨修復に向けた幹細胞治療の開発が目立ちます。また、画像技術を活用した幹細胞の可視化や、プリクリニカルモデルとしてのブタを用いた医療機器開発・教育にも力を入れており、実験動物の福祉向上(3R原則)にも貢献しています。
Warit Asavanant教授の研究室は、光を用いた連続変数量子計算に焦点を当てており、特に時間分割多重を用いた大規模クラスタ状態の生成と制御を主な研究テーマとしています。量子情報処理の実用化に不可欠なスケーラビリティとフォールトトレランスを実現するための光学的基盤技術の構築を進めています。また、非ガウス状態の生成や量子テレポーテーションを応用した高精度な量子状態操作の開発も行っています。
東海・南紀地方のプレート境界で発生する浅いスロースリップイベントや非常に低周波地震の発生メカニズムを、長期間にわたる地上地震計データと3次元波動場シミュレーションを融合して解明しています。特に、地下の不均質構造や地形の影響が高周波数地震波の散乱に与える影響を数値シミュレーションで定量的に評価しています。また、長期間にわたる地震活動の時空間的変動を高精度なCMT逆問題と相関解析によって解明し、巨大地震の前兆現象の理解を進めています。
Yamamoto教授の研究室は、高齢者の健康行動とその心理的・社会的要因に注目し、睡眠障害や抑うつ症状が転倒リスクに与える影響を長期間にわたり解明しています。また、透析患者における皮膚症状の心理的要因や、進行情報の早期開始のための患者の意思疎通のあり方についても、文化的・文化的要因を踏まえた研究を展開しています。特に、宗教的信念や心理的ストレスが医療意思決定に与える影響を、日本における文化的背景を踏まえて分析しています。
Javier Troyano教授の研究室は、金属有機フレームワーク(MOFs)や金属イオンを含む有機配位子錯体を核に、機能性ポーラス材料の創出と応用を追求しています。特に、コロイダルMOFsの設計や、スイッチング性・形状記憶性を示すスマートな複合膜の開発が特徴で、湿度応答性の自己折りたたみ型材料や、発光特性を制御可能なCu(I)錯体の開発も進んでいます。これらの材料は、センシング、ドラッグデリバリー、エネルギー関連応用に応用が期待されています。
Umakoshi教授の研究室は、ナノサイズの脂質ベクター(NLCs)やリポソームを用いた薬物送達システムの開発を柱としています。特に、酸化ストレスに対応する自己触媒的抗酸化リポソームや、膜を通過するタンパク質の移動機構の解明にも取り組んでいます。また、イオン液体を用いた二液相系や、ヒートショックプロテインの効率的生産法の開発など、バイオメディカル応用に向けた新規分離・機能材料の創出を進めています。
K. Nakajima教授の研究室では、原子間力顕微鏡を用いたナノスケールの機械的性質評価に注力しており、特にソフトマテリアルや高分子膜の粘弾性を高精度で測定する技術開発を進めています。HertzやJKRモデルを応用した力-変位曲線解析により、ナノスケールでの弾性率や接着エネルギーのマッピングを実現しており、がんマーカーの同定など医療応用への展開も視野に入れた多角的アプローチをとっています。
Noriaki Watanabe教授の研究室は、破壊力学と流体動力学を融合した岩石の微細構造と流体移動のメカニズムを解明することを目的としています。特に、圧力や温度、せん断変位が破壊面の粗さや透水性に与える影響を実験と数値モデルで解明しており、地熱発電や地下資源開発における破壊制御技術の基盤を構築しています。近年では、超高温環境下での水圧破壊によるマイクロフレームワーク形成や、キレート剤を用いた化学的フレームワーク強化技術の開発にも注力しています。
Yoshiki Katayama教授の研究室では、生体分子の反応をリアルタイムで可視化・制御するための新規バイオセンサーや、シグナル伝達分子を標的にしたスマート高分子材料の開発を進めています。特に、プロテインキナーゼAやキャパスセイド-3をターゲットとした遺伝子発現制御系や、ノ一酸化酸素(NO)を特異的に検出する蛍光プローブの開発が特徴です。これらの技術は、がんや神経疾患のメカニズム解明や、個別化医療に応用可能な次世代バイオセンシング技術の基盤を提供します。
ミカミ教授の研究室は、炎症性腸疾患(IBD)の発症メカニズムに注目し、神経免疫調節や自然免疫細胞(特にILC3やT細胞)のシグナル伝達機構の解明を進めています。特に、迷走神経による自己制御的抗炎症反応(チロシン抗炎症路)や、Th17/Th1細胞のバランス制御が腸管炎症に与える影響を、マウスモデルとゲノム解析を用いて分子レベルで解明しています。また、5-ASAの副作用や最適投与戦略についての臨床的知見も併せて研究しており、基礎と臨床の橋渡しを図る研究が特徴です。
Hashizume教授の研究室は、気候変動や自然災害が公衆衛生に与える影響を、特に発展途上国の都市部における下痢症候群や呼吸器疾患の疫学的・時系列的分析を通じて解明しています。特に降雨量や気温、河川水位の変化と感染症の発生リスクの関連を、統計的モデリングを用いて精密に評価しています。また、社会的・経済的要因や衛生状態といった脆弱性要因の影響を組み込み、災害後の健康影響の特定を目的としています。
Muto教授の研究室は、公衆衛生と社会的行動の関係に注目し、特に感染症対策における個人の行動変容や、遺伝的差別のに関する社会的認識の変遷を、大規模なアンケート調査を基に分析しています。特に、政府の自主的協力要請に応じた市民の行動変化のタイミングや要因を、日本におけるCOVID-19対応を事例に解明しています。また、遺伝情報に基づく差別の問題に対しては、一般世帯を対象とした長期的アンケート調査を通じて、意識の変化と法的対策の必要性を探っています。
佐古和真教授の研究室は、植物の光合成機構と水分利用効率のダイナミクスに注目し、特に光の変動や乾害ストレス下における気孔密度やRubisco酵素の機能的制御が、炭素同化と生育に与える影響を分子・生理学的アプローチで解明しています。主にシロイヌナズナや稲・大豆を用いた実験を通じて、気孔制御、CO₂固定能、栄養素分配のダイナミクスを系統立てて研究しています。その成果は、環境変動に強い作物の育成に向けた基盤技術の開発に貢献しています。
滋保教授の研究室は、遷移金属触媒を用いたシリコン・ボロン関連の新規付加反応に焦点を当てており、特にアルキンや不飽和炭化水素に対するサイロシル化・ボロシル化反応の開発を進めてきました。特に、cis選択性やregio選択性に優れた反応系の構築を通じて、立体化学的に定義されたアルケンシランやアルキン誘導体の合成法を確立しています。また、これらの中間体を基盤にしたSuzuki-Miyauraカップリングを応用した多機能性化合物の効率的合成にも貢献しています。
Asawa教授の研究室は、都市環境におけるヒートアイランド現象の緩和と建物のエネルギー消費削減を目的として、都市樹木の蒸散挙動や都市ヒートアイランドのメカニズムを、計測技術とシミュレーションを融合して解明しています。特に、都市部の限られた土壌環境下での木の水バランスや、自然換気・被覆材・植生による微気候制御のメカニズムに注力しており、都市の快適性と持続可能性の向上を目指しています。