東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
Ryo Tazaki教授の研究室では、原始惑星系円盤におけるダスト粒子の形成・成長・偏光特性に注目し、特に非球形で多孔質なダストアグレートの光散乱・偏光挙動を高精度な数値計算(T-matrix法など)を用いて解明しています。主に近赤外波長域の偏光観測と理論モデルの対比から、原始惑星系円盤内でのダストの物理的性質(モノマーの大きさ、構造、密度)を制約する研究を推進しています。また、放射トルク理論に基づくアグレートの整列機構や、フラクタル構造を持つダストの断面積の解析も行い、惑星形成の初期段階を理解するための理論的基盤を構築しています。
小塚博人教授の研究室では、フィッションイースト(シュードモナス・ポムベ)をモデル生物として、栄養欠乏下における細胞の寿命延長機構とストレス耐性の分子メカニズムを解明しています。特にEcl1ファミリー遺伝子の機能や、栄養制限(特に硫黄制限)が寿命延長に与える影響、ならびにそのシグナル伝達経路の解明を主な研究テーマとしています。また、細胞周期制御や性分化に関連する遺伝子の機能や、環境ストレス応答における非コーディングペプチドの役割にも注目しています。
T. Kaneyoshi教授の研究室では、スピン系の磁性現象を理論的に解明することを主眼としており、特にイジングスピン模型を用いた有効場理論と相関効果の統合的手法を開発・応用しています。ナノスケールの磁性体、例えばナノワイヤーやナノチューブ、表面に不純物を導入した系の磁気的性質を精密に解析しており、相転移挙動や磁化プロファイルの特徴的な振るまいを明らかにしています。また、多体相関効果を組み込んだ高精度な有効場理論の構築にも貢献し、物性理論の基盤を強化しています。
Makoto Murata教授の研究室は、造血幹細細胞移植に伴う移植片対宿主病(GVHD)や移植片対白血病効果の分子メカニズムを解明することを主眼としています。特に、マイナー自己接着抗原の同定や、ステロイド耐性GVHDに対する幹細胞治療の有効性を検証する臨床研究が進んでいます。また、臍帯血移植における幹細胞数と移植成績の関連や、エピジェネティクスを標的にした白血病治療の可能性についても研究を展開しています。
井上潤一教授の研究室では、上皮細胞の極性形成と細胞接着機構、特にタイトジャンクション(TJ)の分子機構に注目し、細胞間バリア機能の維持とその制御メカニズムを解明しています。特に、三細胞接合部(tricellular tight junction)に特異的に局在する膜タンパク質「トライセルリン」の機能や、Parタンパク質複合体やRac1・Arf6シグナルによる接着接着の成立過程の制御を分子細胞生物学的手法で解明しています。また、上皮間胚様移動(EMT)における転写因子SnailとTJタンパク質の関係や、膜リモデリングがTJ形成に与える影響についても研究を展開しています。
Yasuoka教授の研究室では、分子動力学シミュレーションを基盤として、物質の相転移・凝縮・蒸発現象の微視的メカニズムを解明しています。特に、液体・蒸気界面における核生成や、ナノスケールの界面効果が及ぼす影響に注目しており、炭素ナノチューブを用いた分離プロセスの最適化や、ナノ粒子と細胞膜の相互作用の解明も行っています。これらの研究は、エネルギー効率の向上や新素材開発に貢献する基盤的研究です。
Matsuzaki教授の研究室は、脳の神経回路の精密な機能解明を目的として、2光子イメージングと遺伝子的にコードされたカルシウムインジケーターを用いた長期間にわたる神経活動の可視化を専門としています。特に、マーモセットという霊長類モデルを用いて、行動と神経活動の関連を高精度で解析する技術的・行動的フレームワークの構築に貢献しています。また、心筋虚血モデルを用いた循環器系の生体機能解析も併せて行い、神経・循環系の両分野で生体動態の高分解能解析を実現しています。
Kawazoe教授の研究室は、医療分野における人工知能と自然言語処理の応用を柱としています。特に、病理画像における病変検出や、臨床文書からの意思決定支援のための日本語特化型BERTモデルの開発が進んでいます。画像認識と自然言語処理の両軸で、臨床現場の意思決定支援と医療データの知的活用を実現する研究が展開されています。
Gwak教授の研究室では、ドライバーの眠り状態や快適性、集中力に影響を与える環境要因、特に室内の熱環境と車両内センシング技術の統合的分析を柱としています。主に、生理的指標・行動指標・自動車走行性能のハイブリッドセンシングを用いて、眠気の早期検出や運転の安全性向上を目的とした知能型運転支援システムの開発を進めています。また、快適性と覚醒度の両立を図る熱環境設計のための実験的・定量的アプローチも展開しています。
山口靖義教授の研究室は、3次元空間における非可換トポロジー表現や、可視暗号技術、分散処理の可視化、表面法線の幾何的表現といった、コンピューターグラフィックスと情報セキュリティの交差分野を研究しています。特に、ユーザーフレンドリーなCADシステムの構築や、高品質な連続トーン画像向け拡張可視暗号の実現を目指しており、実用的で直感的な情報処理技術の開発を進めています。
Sato教授の研究室は、自己免疫疾患、特に全身性 sclerosis(SSc)の発症メカニズムに焦点を当てており、B細胞のシグナル制御分子であるCD19の発現レベルが自己抗体産生や線維化に与える影響を解明しています。特に、CD19の過剰発現がB細胞の過活性化を引き起こし、自己免疫反応や線維化に寄与するメカニズムを分子・細胞生物学的手法を用いて解析しています。また、TGF-β関連因子やケモキネクトンの異常も併せて研究し、SScの病態解明に貢献しています。
Tetsuya Takemi教授の研究室は、大気中の対流雲の発達機構とその環境要因に注目し、特に熱帯における積乱雲の高さ決定要因や、乾燥環境下での線状降水線の発達・進化、さらには台風や砂塵嵐に伴う極端な降雨のメカニズムを、観測データと高解像度数値モデルを用いて解明しています。特に、大気の湿度構造や静安定度、地形の影響が対流系に与える影響を詳細に分析しており、災害を伴う激しい天候の予測・理解に貢献しています。
Yutaka Satou教授の研究室は、脊索動物の進化と発生の分子機構を解明することを目的としています。特に、代表的な原始的脊索動物であるシロナマコ(Ciona intestinalis)をモデル生物に、ゲノム情報と発生過程における遺伝子発現の解析を組み合わせた機能ゲノム研究を推進しています。特に心臓の起源細胞の決定メカニズムや、非典型的なインtron、オペロン構造といったゲノム構造の特徴にも注目しており、脊椎動物の進化の原点を解き明かす基盤を構築しています。
Yuki Kurashige教授の研究室は、多電子相関を高精度に取り込むための量子化学計算手法の開発を主眼としています。特に、密度行列ランダム化群(DMRG)を応用した多電子状態記述法や、CASPT2と組み合わせたDMRG-CASPT2法の理論的基盤と高速化実装に注力しています。遷移金属錯体やπ共鳴系分子における多電子的特徴を正確に扱える計算手法の構築が、研究の柱です。
Umeyama教授の研究室は、カーボンナノ材料と有機半導体を融合した新規光エネルギー変換材料の開発を主眼としています。特に、シングルウォールナイトロカーボンナノチューブ(SWNTs)を用いた光電極や有機太陽電池の効率向上に向け、電気泳接着、スプレー塗布、自己組織化膜技術を応用したナノスケールの構築手法を確立しています。また、ポルフィリンとナノカーボンの共val結合ハイブリッド材料の設計・特性評価を通じて、人工光合成や次世代太陽電池の基盤技術の構築を目指しています。
Sendong Ren教授の研究室では、金属と炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を効率的かつ高強度に接合する新規溶接技術「コaxialワンサイド抵抗スポット溶接(COS-RSW)」の開発とそのメカニズム解明を主軸としています。数値シミュレーション(FEM)と実験を融合したデジタルツイン技術を用い、溶接プロセス中の熱・電気・機械的応力の連成挙動を高精度に予測・最適化しています。特に、溶接パラメータと接合強度・溶融ゾーン形成の関係を解明し、自動車の軽量化に貢献するハイブリッド構造の実用化を目指しています。
野村一史教授の研究室では、溶接プロセスのリアルタイムモニタリングと品質向上を目的とした先進的な溶接工学研究を展開しています。主に溶接中の溶接池やアークプラズマの挙動を高精度に計測・予測する技術開発が進められており、深層学習を用いた溶接品質予測や、レーザー超音波を用いた非接触溶接状態評価、磁界制御によるアーク形状制御といった革新的な研究が特徴です。特に、溶接中の挙動を可視化・定量することで、溶接の自動化・信頼性向上に貢献する基盤技術の構築を目指しています。
Shengfang Shi教授の研究室では、酸化アルミ(Al₂O₃)を基体とする多機能複合材料の開発を主眼としており、特に破壊靭性の向上と常温での亀裂自己修復機能を併せ持つ新規セラミックス複合材料の創出をめざしています。金属チタン(Ti)やカーボンナノチューブ(CNT)を添加することで電気伝導性を付与するとともに、界面反応を制御するための添加酸化セリウム(CeO₂)の効果も解明しています。また、電気化学的アノダイゼーションを用いた常温での亀裂修復技術の確立にも成功しており、セラミックス材料の信頼性向上に貢献しています。
福久良幹夫教授の研究室では、超音波を用いた力学的・音響的特性の高精度測定を基盤とし、金属、セラミックス、半導体、生体材料に至る多様な材料の温度依存性を解明しています。特に、弾性定数や内部摩擦の変化から、相転移、析出相の溶解、結晶化、超伝導転移に伴う電子状態の変化を微視的に捉える研究が進んでいます。また、セルロースナノファイバーを用いた新規スーパーキャパシタの電荷貯蔵機構の解明も行い、次世代エネルギー材料の開発に貢献しています。
Suzuki教授の研究室は、歯科・口腔領域における疾患の発症メカニズムと治療戦略の解明を柱としています。特に、歯髄の急性炎症反応や歯周組織の恒常性維持、そしてオメガ3脂肪酸の精神的健康への影響といった、臨床的意義の高いテーマに焦点を当てています。分子・細胞生物学的手法を用いた基盤研究と、臨床的応用に繋がる翻訳的研究を融合したアプローチが特徴です。