東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
Kuya教授の研究室は、流体工学分野に焦点を当て、特に地上効果下におけるレーシングカーの翼における流れ分離制御を主な研究テーマとしています。実験的・数値的アプローチを融合し、ボーダーレイヤー内および大規模な渦生成装置(Vortex Generators)の配置最適化によるダウンフォース向上を追求しています。また、多忠実度スレーブモデルや量子アニーリングを用いた流体シミュレーション手法の開発を通じて、高精度かつ高効率な流体解析技術の確立を目指しています。
Eriko Nango教授の研究室は、時間分解X線自由電子レーザーを用いた時間分解結晶構造解析を核として、膜輸送タンパク質や酵素、味覚受容体などのタンパク質の動的構造変化を原子分解能で解明することを目的としています。特に光刺激や温度ジャンプによる反応誘発を用い、タンパク質の機能的運動のメカニズムを時間的に解明する時間分解構造生物学の分野で世界的に先駆的です。その成果は、タンパク質の機能理解や医薬開発への応用にもつながります。
福井教授の研究室は、がん治療における抗体医薬の体内動態と放射線線量分布の解析を柱としており、全身的・微視的両面からモノクローナル抗体の腫瘍内分布を数理モデルで解明しています。特に、血管透過性、腫瘍間隙内拡散、抗原抗体反応、代謝の統合的モデリングにより、正確な被曝線量評価と治療効果の最適化を目指しています。また、臨床データベースを活用した治療選択の妥当性の検討や、画像診断の統合的応用についても幅広く研究を展開しています。
Quan Manh Phung教授の研究室は、第一遷移金属を含む分子系の多電子状態を高精度に記述するための多電子波動関数理論の開発と応用を柱としています。特に、CASPT2やDMRGを用いた多配置摂動論的手法の改良を通じて、スピン状態エネルギー差や電子状態の遷移を正確に予測する手法の確立を目指しています。また、DFTや局所的カップルクラスター法との比較を通じて、計算手法のバイアスや限界を解明し、より信頼性の高い量子化学計算の基盤を構築しています。
伊崎川由一教授の研究室は、特に血液悪性腫瘍、特に急性myeloid leukemia(AML)や腎細胞癌の遺伝的・分子的異常を解明することを主眼としています。KIT遺伝子変異やFLT3変異、TFEB遺伝子異常といった特定のがん関連遺伝子の機能的役割や予後への影響を、臨床的・分子的アプローチを統合して研究しています。また、治療抵抗性のメカニズムや最小残存病変(MRD)の評価にも注力し、個別化医療の実現に貢献することを目的としています。
Hata教授の研究室は、脳腫瘍の分子病理学的解析とがん治療への応用を柱としており、特に神経系腫瘍における遺伝子変異のスクリーニングや腫瘍微小環境の理解を深めることを目的としています。特に、hMSCの腫瘍への趨性やPDGF受容体の役割、IDH1/2やBRAFの遺伝子変異解析、およびMGMT・CDKN2Aのプロファイルが予後に与える影響を解明しています。臨床応用に直結する遺伝子診断技術の開発や、がん治療における標的療法の可能性を追求しています。
Koki Aizawa教授の研究室では、地球内部の電気的・熱的構造を解明するため、磁気・電気測定法(MT法)を応用した高解像度の地下構造解析を主軸としています。特に、火山活動のメカニズムや地下熱水系の姿を、電位差と抵抗率の空間的分布から解き明かすことに焦点を当てています。また、火山の噴火予測や地球内部の流体循環メカニズムの解明にも貢献する、三次元抵抗率構造の推定技術の開発が進んでいます。
玉田悠教授の研究室では、計測技術と材料開発の融合を柱に、高感度・高速応答型の圧力・温度センシング技術の開発を進めています。特に、圧力センシングペイント(PSP)や温度センシングペイント(TSP)の新規材料開発に加え、時間変動する流れ場の高精度な計測手法や、最適センサ配置技術の確立を目的としています。また、ナノ粒子やポリマーを用いた新規ペイント材料の開発や、インクジェットプリンタを活用した紙基板上への電気回路形成技術の応用も展開しています。
Takizawa教授の研究室は、神経炎症と片頭痛の発症メカニズムに焦点を当てており、特に皮質拡散性抑圧(CSD)が脳内炎症反応を引き起こす分子機構を、非侵襲的・最小侵襲的手法を用いて解明しています。optogeneticsやKCl刺激を用いたマウスモデルを通じて、IL-1β、CCL2、TNF-αなどの炎症関連遺伝子の発現上昇を明らかにし、HMGB1の核内移動が炎症の持続に寄与することも示唆しています。また、臨床的側面として、ワクチン接種後の片頭痛発現や、ギャルカネズマブの臨床的有効性、薬物乱用頭痛のリスクなど、基礎と臨床をつなぐ包括的研究を推進しています。
Sze Yun Set教授の研究室では、カーボンナノチューブを用いた新規な光デバイスの開発に注力しています。特に、超短パルスレーザーの実現に不可欠なスイッチング特性に優れたサチュラブル吸収体(SAINT)の開発が中心であり、産業用レーザー技術の次世代ソリューションをめざしています。また、2μm帯の全ファイバー型モードロックレーザーや高速波長スイープ光源の開発を通じて、光通信・医療イメージング分野への応用も進んでいます。
Ryo Terao教授の研究室は、加齢に伴う眼疾患、特に加齢性黄斑変性症(AMD)の発症メカニズムを、細胞老化や脂質メタボリズム、S1Pシグナル伝達の観点から解明しています。特に、NAD⁺の枯渇やマクロファージの老化がAMDの病態に与える影響、ならびにS1Pが網膜色素上皮細胞や光酸化ストレス下での細胞死に与える役割を分子レベルで解明しています。これらの研究を通じて、加齢関連眼疾患の予防・治療法の開発を目指しています。
Yoshiaki Ono教授の研究室は、宇宙の最も遠い領域に位置する高赤方偏移銀河の観測と解析に焦点を当てており、特に赤方偏移z ≳ 6の時代における星形成銀河の性質を、ハッブル・ジェームズ・ウブレット望遠鏡(JWST)やKeck望遠鏡を用いた深宇宙スペクトロスコピーと画像解析によって解明しています。主な研究対象は、Lya線発光銀河(LAE)やzドロップアウト銀河のスペクトル的・光度的特性、星形成歴、サイズ・形態の進化です。近年では、JWSTの高感度・高分解能データを活用し、宇宙初期の銀河の構造的・星形成的性質を精密に解明する研究が進んでいます。
Kazuo Chin教授の研究室は、睡眠時低炭素血症や閉塞性無呼吸症候群(OSAS)に伴う代謝・凝固・炎症反応への影響を、主に非侵襲的治療法(NCPAP)の効果を解明することを目的としています。特に、肥満や代謝症候群を有する患者におけるOSASの有病率や、朝方に増加する心血管イベントとの関連、ならびに超音波ガイド下神経ブロックにおける針先可視化の技術的課題にも注力しています。臨床的意義の高いバイオマーカーの動態変化を的確に捉えるための画像診断・治療介入の最適化を目指しています。
平出紹央教授の研究室では、金属有機フレームワーク(MOFs)を用いた次世代のガス分離・貯蔵技術の開発を主眼としています。特に、構造が外部刺激に応じて柔軟に変化する「フレキシブルMOFs」の特異な「ゲート挙動」に着目し、CO₂の高効率分離と熱的自己管理能力を実現する仕組みの解明を進めています。実験と分子シミュレーションを融合したアプローチにより、工業的応用に向けた高性能吸着材の設計原理を確立しています。
Sato教授の研究室は、グラフニューラルネットワーク(GNN)の理論的限界を解明し、それを超える強力な学習モデルの構築を主眼としています。特に、ノードにランダムな特徴を追加するシンプルな手法が、GNNの表現力と近似アルゴリズムの性能を著しく向上させることを理論的に示しています。また、分散アルゴリズム理論と組み合わせることで、最小支配集合問題や最大マッチング問題に対する近似解法を学習可能にする理論的基盤を構築しています。研究は、理論的洞察と実用的応用の両面から、GNNの限界を乗り越える新たなアプローチを模索しています。
横瀬匠文教授の研究室では、脳機械インターフェース(BMI)を活用した神経インターフェース技術の開発を柱として、脳波(ECoGやMEG)を用いたリアルタイムの運動制御と、脳の可塑性の解明を進めています。特に、脳卒中後の患者に対して、脳の電気的活動を読み取り、人工肢を制御する技術の実用化を目指しており、神経補償や運動機能の回復に貢献する研究が展開されています。また、高周波成分の位相・振幅カップリングや、シナプスの可塑性のメカニズムについても神経回路レベルで解明を進めています。
Sakaguchi教授の研究室は、再生医療と腎疾患の分野を軸に、末梢血球や骨髄由来の間葉系stromal細胞(MSC)の特性と臨床応用可能性を解明しています。特に、関節唇由来MSCの優れた幹細胞特性や、骨髄採取以外の組織由来MSCの可能性を示しており、再生医療の新たな供給源の確立を目指しています。また、糖尿病性腎症における低マグネシウム血症の予後予測因子としての意義や、CKD患者における睡眠時低炭素血症(OSA)の有病率の高さについても、臨床的意義を明らかにしています。
アベ教授の研究室では、高度な熱絶縁材料の開発を目的とし、粉体処理技術を応用した繊維強化fumed silicaコンパクトの作製に注力しています。特に、媒体球を用いない撹拌ミリングを用いた乾式プロセスにより、ナノ構造の酸化ケイ素とガラス繊維を効果的に複合化し、高強度・低熱伝導率の断熱材を創出しています。また、SiCを添加したopaquersの統合による赤外線遮断性能の向上も行っています。
佐々木修作教授の研究室は、行動経済学的アプローチを用いて、人々の自発的で社会的・公共的な行動(ワクチン接種、寄付、献血など)を促す要因を解明しています。特に、他者行動を示す「社会的インフォーマル情報」や「ナッジ」の効果が、意思決定の自由と調和する形でどのように行動に影響を与えるかを、大規模なオンライン実験や全国的アンケート調査を通じて分析しています。また、寄付や支援行動における金銭的インcentive(報酬・マッチング)の違いが、寄付行動に与える影響についても実証的検証を行っています。
Ping Tang教授の研究室は、電子構造と物性の理論的解明に焦点を当てており、リチウムイオン電池の高効率な正極材料や、強誘電体・反強誘電体における新しい励振モード、スピントロニクスに応用可能な反強磁性体のスピン励起現象を対象としています。特に、電子秩序や格子振動と電子状態の相互作用がもたらす新規量子状態の理解を目指し、密度汎関数理論や量子輸送理論を駆使した先進的で実験的知見とも対応可能な理論的アプローチを展開しています。