東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
Koh-ichi Nagata教授の研究室は、細胞骨格の一部であるセプチン(Septin)の構造・機能解明を柱としており、特にセプチン複合体が細胞骨格や細胞接着機構に果たす役割を細胞生物学的・生化学的アプローチで解明しています。また、神経発達障害関連遺伝子RBFOX1の核型スプライシング因子としての機能や、GTP結合タンパク質(Rap1、Cdc42など)が細胞極性やサイクリン制御に与える影響についても、分子細胞生物学的手法を用いて研究を進めています。セプチンの異常と神経疾患やがんの関連性についても、臨床的意義を併せ持つ研究が展開されています。
横井達也教授の研究室では、金属酸化物や半導体、金属における界面エネルギーと原子配置の原子論的メカニズムを、第一原理計算と人工知能を融合した新しい計算手法によって解明しています。特に、格子欠陊や界面における原子の選択的偏析、振動状態の寄与による熱力学的安定性の変化を高精度で予測するための人工ニューラルネットワーク型原子間ポテンシャルの構築を主眼としています。このアプローチにより、実験では観察が難しい高温・高エネルギー状態における界面の構造的・熱力学的性質の解明が可能になっています。
Midori Tuda教授の研究室は、エコトキシコロジーと進化的生態学を柱とし、特に種子食性甲虫(ブチャキドウ)の系統発生、宿主移行、侵入メカニズム、および生物的防除応用に注力しています。特に、マメ科植物とその種子食性昆虫の共進化、特にアカネスケリドウ科の種が異なるマメ科植物に適応する過程を分子系統解析と野外調査を融合して解明しています。また、世界的な農業貿易に伴う遺伝的交雑の影響や、侵入種の生態的影響についても、種子甲虫をモデルとして研究を進めています。
Hideya Onishi教授の研究室は、ヒッジホッグ(Hh)シグナル伝達経路が膵がんや胆嚢がんをはじめとする悪性腫瘍の発がん・進行に果たす役割に注目し、特に低酸素状態下におけるHh経路の再活性化とがん細胞の侵襲性・生存率向上のメカニズムを解明しています。特に、Smo受容体の発現上昇が低酸素環境下でのがん細胞増殖を促進することを明らかにし、がん幹細胞の維持や治療抵抗性のメカニズム解明にも貢献しています。臨床応用を視野に入れ、Hh経路阻害剤の治療的意義についても検討しています。
東城教授の研究室では、微生物が生産する多様な二次代謝産物の生合成経路、特にカルシウム・ドヒドロキシ酸誘導体やポリ不飽和脂肪酸の酵素的合成機構を解明しています。特に、メナキノンの代替経路やチタニシド系抗生物質の生合成酵素、PUFA合成酵素の構造機能関係に注目し、遺伝子クラスターや酵素の立体構造的特徴を解明しています。また、合成生物学的手法を用いた酵素の機能解析や、自然産物のバイオテクノロジー的応用にも取り組んでいます。
Akihiro Homma教授の研究室では、頭頸部がんをはじめとする悪性腫瘍の治療において、画像誘導下での超選択的動脈内化学療法と放射線療法の併用療法に注力しています。特に、局所進行がんや切除不能な症例においても根治を実現する「RADPLAT」療法の有効性と安全性を、臨床的・画像的根拠に基づいて検証しています。また、週単位のカルボプラチン投与や、動脈内への局所的薬物送達技術の最適化による治療効果向上にも取り組んでいます。
福井教授の研究室は、皮膚疾患の発症メカニズムと再生医療の両面から、特にエピデルモリシス・ボリュータス(EB)やアトピー皮膚炎に類似した疾患の病態解明と細胞治療戦略の確立を目的としています。特に骨髄由来の多能性幹細胞(Muse細胞)を用いた皮膚の構造タンパク質修復や、自己免疫性皮膚炎の免疫調節機構の解明が進んでいます。また、皮膚のバリア機能と免疫細胞の相互作用に関連する分子機構の解明も重要な研究テーマです。
Arai教授の研究室では、ナノスケールの閉じた系における自己集合と多形性遷移に注目し、特にナノチューブ内での界面活性剤やリン脂質の自己組織化メカニズムを分子シミュレーションを用いて解明しています。水とナノチューブの相互作用を制御することで、従来の液体中では観察されない多様な自己集合構造を創出可能であり、ナノフラウドイクスや医療デバイスへの応用が期待されています。また、原始細胞の自己複製やリン脂質系の相挙動など、生命の起源に迫る研究にも取り組んでいます。
Murat Doğru教授の研究室では、ドライアイの根本的メカニズム解明に向け、マイボーム腺機能不全(MGD)の病態と酸化的な損傷が眼表面に与える影響を、分子・細胞レベルから解明しています。特に、酸化ストレスが角膜・結膜上皮に及ぼす影響や、そのバイオマーカーの同定、ならびに抗酸化物質を用いた治療戦略の検討が進んでいます。また、非侵襲的診断法(例:ストリップメニスコメトリー)の開発や、治療反応の客観的評価にも注力しています。
福田順教授の研究室は、再生医療分野に焦点を当て、特にヒト induced ippotent ステムセル(hiPSC)を用いた心筋細胞の効率的増殖・分化技術の開発を主な研究テーマとしています。心筋幹細胞の大量培養と機能的心筋細胞への効率的誘導のための新規培養システム(多層型培養プレート、ガス換気システム)の構築に成功しており、臨床応用に向けた基盤を強固に築いています。また、脂肪酸代謝がヒト多能性幹細胞の生存に果たす役割の解明や、心筋梗塞後の自己修復機構の解明(G-CSFやc-kit陽性細胞の役割)についても、分子・細胞レベルでのメカニズム解明を進めています。
吉田稔教授の研究室は、エピジェネティクス分野に焦点を当て、特にヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)の機能解明とその阻害機構の解明を主な研究テーマとしています。Trichostatin A や Trapoxin といった微生物由来のHDAC阻害剤を用いた、染色体構造と遺伝子発現の制御機構の解明が進んでいます。また、これらの阻害剤の作用メカニズムを解明するための新規化合物の合成や、その作用の可逆性・不活性化機構の解明にも取り組んでいます。
Yoshio Yamauchi教授の研究室は、細胞内のコレステロールホメオスタシスとリポプロテイン代謝の分子メカニズムに焦点を当てており、特にABCA1トランスポーターとアポリポプロテインA-Iが関与するHDL形成の制御機構を解明しています。また、がん細胞における脂質代謝の再編とその悪性形質への影響、ならびに筋細胞由来の細胞外小胞(EV)の生物学的意義についても、分子細胞生物学的手法を用いて研究を進めています。
Okuno教授の研究室は、光・物性・界面科学を融合した先端的分野を展開しています。主にレーザーを用いた高感度な分子振動分光法(CARS、VSFG、ハイパーRamanなど)を用い、生体分子の界面挙動や立体化学的構造をナノスケールで解明しています。また、磁性イオン液体を用いた非磁性物質の分離技術や、マルチフォーカスRaman顕微鏡を用いた生きた細胞の高速マルチモードイメージングの開発も進めています。
教授の研究室では、遺伝子情報の解析を通じて、ゲノムの構造的多様性やエピジェネティクス的要因が生物の発生や疾患に与える影響を解明しています。特に、ヒトの中心体領域における反復配列の構造的多様性や、DNA配列の変異が染色体構造や遺伝子発現に与える影響を長距離シークエンシング技術を用いて解析しています。また、薬理学的効果と遺伝的要因の関連についても、動物モデルを用いた機能的解析を併用し、個体差に基づく薬物反応のメカニズムを解明しています。
Kento Asai教授の研究室では、素粒子物理学の標準模型を超える新しい理論的枠組みを追求しており、特にレプトン数のU(1)対称性を拡張した「Lμ−Lτ」や「Le−Lμ」などのゲージ理論を軸に、ニュートリノ質量の起源や暗黒物質、およびミュオンのg−2の異常といった未解決問題の解明を目指しています。特に、軽いニュートリノを伴う新しいゲージボソン(Z'ボソン)の生成と検出メカニズムの解明が中心であり、ILCやMUonEといった国際共同実験での探査可能性についても理論的基盤を提供しています。
Yutaka Kazoe教授の研究室は、ナノスケールの流体挙動と界面現象を解明することを目的としており、主にナノ流体工学とナノ化学の分野で、10〜1000 nmの拡張ナノスケールにおけるイオン分布や流速分布の高精度計測に注力しています。超解像レーザー励起蛍光法やエバネッセント波を用いた粒子追跡速度計測技術の開発を通じて、ナノチャネル内での不均一なpH分布や拡散・電気泳動のメカニズムを解明しています。また、ガラス基板を用いた低温度接合技術やfLレベルのナノバルブの開発により、実用的で高機能なマイクロ・ナノ流体デバイスの実現にも貢献しています。
福倉幸平教授の研究室は、素粒子物理学と宇宙論の交差点に位置し、特にニュートリノ・ダークマター・重力波を軸にした新物理の探求を進めています。特に、ヒッグス粒子の性質を説明する複合ヒッグス模型や、ツイン・ヒッグス模型における電弱相転移、ならびに重力波背景として観測されるNANOGrav信号の起源解明に注力しています。また、アキソンやボソン星といった量子的凝縮状態としてのダークマターの宇宙的実現可能性や、重力的相互作用に限ったダークセクターの相転移メカニズムについても理論的基盤を構築しています。
高橋康夫教授の研究室は、電子散乱や分子内の電子・核運動の動的挙動を、非 Born-Oppenheimer 力学や変分法に基づく新しい理論的手法によって解明することを目的としています。特に、非断熱相互作用や強い光場下での電子波動関数の時間発展、および多チャネル散乱における高精度な位相シフト計算に注力しており、量子制御や分子反応ダイナミクスの理解を深めることを狙っています。
Koike教授の研究室では、地殻内部のガス移動や応力状態と放射性ガス(特にルビジウム-222)の挙動の関係を、地盤の微小変形や地震活動と結びつけて解明しています。主に西日本における活断層周辺の土壌ガス中222Rn濃度の変動を、地震エネルギーの累積と関連づけて解析しており、地殻応力の変化がガス移動に与える影響をDarcyの法則に基づいて解明しています。また、地熱資源の評価においても、地中温度分布と地表面温度の統合的解析を用いた3次元温度モデル構築にも取り組んでいます。
田中悠教授の研究室では、植物の気孔密度や葉の形態が光合成能や水利用効率に与える影響を、トランジスジェニックマウスや大豆を用いた遺伝学的・生理学的アプローチで解明しています。特に、気孔密度の遺伝的制御とその光合成への影響、および環境変化への応答速度(光応答性)の遺伝的多様性に注目しています。また、画像認識技術を応用した高スループットな気孔評価手法の開発も進めています。