東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
本研究室では、酵素の構造と機能の解明を核として、特に糖鎖を分解する酵素(糖転移酵素・グルクシダーゼ)や、天然物の生合成を担う非リボソームペプチドシンターゼ(NRPS)・ポリケチド合酶(PKS)の分子機構を、構造生物学的手法を用いて解明しています。特に、酵素の基質特異性やタンパク質間相互作用のメカニズムに注目し、新規酵素の発見や、医薬・バイオマテリアルに応用可能な新規天然物の合成機構を解明しています。
Satoshi Ansai教授の研究室では、顕著なモデル vertebrate であるミナミウナゴイ(Oryzias latipes)を用いて、ゲノム編集技術を応用した遺伝子機能解析を展開しています。CRISPR/Cas9、TALEN、ZFNといった人工核酸酵素を用いた高効率な標的ゲノム編集技術の開発・応用を通じて、遺伝子機能の解明や、性的選択や生殖隔離に関与する形質の遺伝的基盤の解明を進めています。特に、自然選択と進化的多様化のメカニズムを、実験的手法と組み合わせて解明する点が特徴です。
山田正宏教授の研究室では、リチウムニobレート(LiNbO₃)を用いた周期的領域構造の室温プロセスによる制御的作製に注力しており、光エレクトロニクス分野における新規デバイスの創出を目指しています。特に、光変換効率や高出力発光を実現するための高機能な非線形光学素子の開発が進んでいます。また、スピンカロスオーバーを示す鉄(II)錯体の設計とそのスピン状態制御の研究を通じて、スマートマテリアルの開発にも貢献しています。
Hisashi Aso教授の研究室は、神経系と末梢系に分かれるセロトニン系の機能に注目し、特に末梢セロトニンが糖・脂質代謝および肥満に関与するメカニズムを解明しています。高脂肪食におけるエネルギー消費の向上やインスリン抵抗性の改善効果が、食事摂取量に依存せずに示される点から、代謝疾患の新規治療標的に向けた基盤研究が進められています。また、免疫調節や感染防御に関連する細胞応答の分子機構についても、牛の乳腺細胞やM細胞をモデルとして解析しています。
Nishimura教授の研究室は、火山地震や地殻変動の高精度な観測と解析を通じて、地下のマグマダイナミクスや地殻応力状態の解明を主眼としています。特に、長周期地震動や人工爆発を用いた時系列的波速度変化の解析により、火山活動に伴う地下構造の動的変化を捉える研究が進んでいます。近年では、分散型光ファイバーを用いたDAS技術を活用した火山地震の高精度な発震点推定や、マグマの急圧力低下に伴う泡の成長と圧力回復挙動の数値モデル化も行っています。
本研究室では、リチウムイオン電池の火災リスクを低減するため、電解液に用いられる炭酸エステル類の熱的・燃焼的挙動を、実験的手法と理論計算を融合して解明しています。特に、エチレン炭酸エステル(EC)を含む電解液代替物質の分解・燃焼機構の解明や、火炎抑制効果を示すリン系添加剤(TMPなど)の熱分解挙動を、真空紫外光を用いた高感度分離・同定技術で解明しています。これにより、安全で高効率な電池システムの設計に資する化学動力学モデルの構築を目指しています。
茅原賢作教授の研究室では、3次元胸部CT画像を用いた気管支構造の自動抽出と解剖的ラベリングに注力しています。特に、仮想気管支鏡(VBS)や画像支援診断システムの実現に向けて、画像認識と知識ベースを統合した高度な画像解析技術を開発しています。研究の柱は、正確な気管支分岐構造の自動識別と、臨床応用に向けた信頼性の高い画像処理アルゴリズムの構築です。
Tomomi Kotani教授の研究室では、妊娠における胎盤形成とその障害、特に子癇前症の発症メカニズムに注目し、特に拡散型胎児性栄養細胞(EVT)の移動・浸潤機能の制御に関与する転写因子AP-2αおよびAP-2γの役割を分子レベルで解明しています。特に、AP-2の発現亢進がEVT機能の抑制に寄与し、子癇前症の発症に結びつく可能性を示唆しています。また、精神的健康状態が妊娠に与える影響についても、日本女性を対象とした疫学的アプローチを通じて、周産期アウトcomesへの影響を検討しています。
Hajime Kimizuka教授の研究室は、第一原理計算と分子動力学法を駆使して、金属・酸化物・珪酸塩などの機能性材料の力学的性質や原子拡散挙動を高精度に予測・解明することを柱としています。特に、量子効果が顕著に現れる低温領域における水素の拡散機構や、相転移領域における弾性定数の温度依存性、格子欠陥周辺の原子挙動の解明に注力しています。近年では、多成分合金における局所的原子配置の予測や、異常な力学的性質(例:負ポisson比)の起源解明にも貢献しています。
伊倉進平教授の研究室は、素粒子物理学における新しい物理(ニューエイジス)の解明を主眼としており、特にボトム粒子の半レプトン型崩壊におけるレプトンフラバー不変性の破れ、すなわちR(D*)の異常やb→sμμの異常といった実験的矛盾の背後にある新物理機構を、2HDM(2Higgs二重項模型)やレプトクォーク、右巻きニュートリノを含む拡張標準模型の枠組みで体系的に研究しています。特に、レプトンフラバー非保存の現象を説明するための新しいボソンやフェルミオンの探索、およびそのLHCにおける直接探索可能性についても精力的に検討しています。
岡川康行教授の研究室では、筋細胞の発生と維持における転写制御機構に注目し、特に筋細胞の特徴を決定づける転写因子と染色体リモデリング酵素の機能的連携を解明しています。特に、MyoD や Brg1 といった主要な因子が筋芽細胞の決定段階で果たす役割や、myogenin が自己プロモーターに結合することで筋細胞の成熟を制御するメカニズムを分子レベルで解明しています。この研究は、筋再生や筋萎縮疾患の理解に貢献する基盤を提供します。
Vishwajit S. Chowdhury教授の研究室は、家禽(きんきょく)の生理的応答とストレス耐性のメカニズムを、神経内分泌系とアミノ酸代謝の観点から解明しています。特に、メラトニンがGnIHニューロンに及ぼす影響や、L-シトルリンやL-ロイシンの体温調節機能、熱ストレス下におけるアミノ酸代謝の変化に注目しています。また、神経ペプチドやホルモンの調節機構を通じて、家禽の生産性と健康の向上に寄与する新規戦略の開発を目指しています。
阿部進作教授の研究室は、マイクロリアクターを用いた高速反応の制御を柱としており、反応の選択性や収率を向上させるためのミクロスケールでの混合挙動の解明に注力しています。特に、流体セグメントの挿入メカニズムや混合履歴の影響をCFDシミュレーションを用いて定量的に分析し、反応温度上昇や混合時間の影響を評価するための指標を構築しています。また、有機合成やバイオマスの効率的利用にも応用を広げており、酸素を用いたセルロースの高収率・高純度回収技術の開発も進めています。
阿部義文教授の研究室では、動的共有結合を用いたスマートポリマーの開発に注力しています。特に、光や熱によって可逆的に反応するトリアセチルカルボン酸エステルやチウラムジスルフィドを用いた自己修復性ポリマーの設計・制御が中心です。これにより、破損した素材が外部刺激のもとで再結合する「自己修復」や、形状記憶、可塑性といった機能を実現しています。また、生体関連の動的反応を利用したエピジェネティクス制御技術の開発にも進んでいます。
福島大学医学部の木下史彦教授の研究室は、非小細胞肺がんの予後予測にAIを応用した画期的な研究を推進しています。特に手術施行済みのNSCLC患者を対象に、臨床病理的因子や血液検査データを統合したXGBoostを用いた予測モデルの構築に注力しています。また、ALBIグレードや術後アルブミン低下といった栄養状態の指標が予後要因として重要であることも明らかにしており、がん治療における包括的アプローチの確立を目指しています。
Phongsaphak Sittimart教授の研究室では、炭素素材として優れた耐環境性と半導体特性を併せ持つダイヤモンドを基板に用いた異質接合デバイスの開発を主眼としています。特に、β-Ga₂O₃やFeSi₂などの酸化物半導体・ケイ化物半導体をダイヤモンド上に低温でエpitaxial成長させ、高耐久性・高効率な光検出器やショットキーバリアダイオードの実現を目指しています。また、界面特性の最適化や欠陊抑制技術の開発を通じて、高温・放射線環境下でも安定した動作を実現する次世代パワー半導体素子の創出を推進しています。
Uchida教授の研究室は、メタンハイドレートを含むガスハイドレートの相平衡挙動とそのナノスケールの.confined環境下における挙動を、主に多孔質ガラスや自然由来の堆積物を用いた実験的手法で解明しています。特に、ポーラス構造内におけるハイドレートの生成・解離挙動や、Gibbs-Thomson効果に起因する平衡温度のシフトを精密に測定・解析しており、地球惑星科学的・エネルギー応用的意義の高い知見を提供しています。また、Raman分光法やガスクロマトグラフィーを用いたハイドレートの構造的・動的特性の解明も進めています。
西村真一教授の研究室は、糖鎖の化学的・生物学的解析を柱とし、特にグリココンジュゲートの合成とその機能解明を主眼としています。高感度で選択的な糖鎖修飾法や、生体由来グリコプロテインのグリコマーク解析技術の開発が進んでおり、がんや前立腺がんなどの疾患におけるバイオマーカーの同定にも応用されています。MALDI-TOF/TOF質量分析を活用したグリコミクス手法の確立が、疾患関連糖鎖の定量的解析を可能にしています。
Tomomi Nemoto教授の研究室は、生体組織の透明化技術と二光子励起顕微鏡を応用し、生体のままの脳や皮膚の深部において神経回路や細胞の動的挙動を高分解能で可視化する研究を推進しています。特に、固定標本や生体標本における光透過性の向上を目的とした新規な透明化手法の開発が特徴で、神経機能の解明や皮膚の再生機構の解明に貢献しています。
宮田章悟教授の研究室では、再生医療を基盤に、筋肉・軟骨・皮膚などの生体組織の機能的再生を目的とした三次元細胞シミュレーション技術と生体適合性インプラントの開発を進めています。特に、細胞を封入したコアシェル構造のハイドロゲルマイクロファイバーを用いた筋細胞の方向制御や、機械的ストレスが悪性黒色腫の侵襲に与える影響を評価する三次元モデルの構築が特徴です。また、細胞外マトリックスを損傷せずに効率的に脱細胞化する新規圧力処理法の開発にも取り組んでいます。