東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
阿部井正之教授の研究室は、びまん性びらん性疾患であるびまん性びらん性疾患(パームフィギス)の自己免疫反応の分子メカニズムを解明することを主眼としています。特に、デスモグリチンやデスモコリンを含む細胞接着分子を標的とする自己抗体の病原性機構を、再組換えタンパク質やトランスジェニックマウスモデルを用いて解析しています。また、副腫瘍性パームフィギスや線維化性疾患との関連性についても、自己抗原の同定と病態解明を進めています。
佐伯順平教授の研究室は、神経変性疾患、特に筋萎縮性側索硬化症(ALS)の病態メカニズムに焦点を当てており、D-アミノ酸代謝、特にD-セリンとD-アミノ酸オキシダーゼ(DAO)の神経系内における役割を解明しています。特に、D-セリンの過剰蓄積が運動ニューロンの死を促進するメカニズムや、腎機能障害に伴うD-アミノ酸代謝の変化についても、臨床的意義を踏まえた研究を進めています。神経炎症・免疫応答との関連や、脳内でのDAO活性の分布差(ヒトとマウスの比較)も視野に入れた、神経代謝と神経変性の交差点を研究しています。
Yazu教授の研究室は、主に角膜疾患、特に大疱性歯肉変性に伴う角膜内皮障害のメカニズム解明と、それを支えるバイオマーカーの同定を目的としています。特に、房水内に存在するサイトカインや接着接着分子の変動が、DSAEBK後の角膜内皮細胞密度に与える影響を詳細に解析しています。また、眼科診断の現場における技術的課題を解決するため、スマートフォンに取り付けられるポータブルスリットランプ「スマートアイカメラ(SEC)」の開発・評価にも取り組んでいます。
Wakino教授の研究室は、代謝・循環器疾患における核受容体PPARγとサリノンシスの機能に注目し、血管平滑筋細胞の増殖制御や血圧調節の分子機構を解明しています。特に、PPARγリガンドがNO産生を促進し、ADMA代謝経路を調節することで血管内皮機能を改善するメカニズムを解明しています。また、Rho-キナーゼ経路やSirt1の腎保護作用に関連する代謝制御機構についても、心血管・腎疾患の予防・治療戦略の基盤を築こうとしています。
神戸大学の金子幹彦教授の研究室は、カオス的ダイナミクスと空間的相互作用を併せ持つ複雑系、特に結合マップ格子を対象に、非線形力学と統計力学の交差点で新しい現象を解明しています。特に、周期的振動、スパティオトロピカルな構造、およびスパティオトロピカルなインターミッテンシーといった、時間と空間の両方で不規則性を示す現象のメカニズムを解明しています。また、グローバル結合系における平均場の統計的性質や、カオス的集団の自己組織化的挙動についても、情報理論的手法を用いて深く分析しています。
中庵教授の研究室は、量子多体系のダイナミクスと物性を解明するため、量子統計力学的手法と分子動力学シミュレーションを融合した先端的計算手法を開発・応用しています。主にヘリウムクラスターにおける原子の局在機構や、液体パラ水素の量子流動のメカニズムを、経路積分モンテカルロ法や半古典的シミュレーションを用いて解明しています。また、生物系の熱産生機構(褐色脂肪組織の血流制御)を光学イメージングと理論的解析で統合的に研究しており、量子多体系と生体分子の非平衡ダイナミクスの両分野で革新的な知見を提供しています。
岡崎進教授の研究室は、分子動力学的およびモンテカルロシミュレーションを用いた計算化学的研究を柱としています。主に水系溶液における分子間相互作用、特に非極性溶質の水和挙動やアルコール・水系の構造的・熱力学的性質の解明を目的としています。溶質のサイズや官能基の違いが水の構造に与える影響を、高精度な電子状態計算と古典的力場の組み合わせで解析しています。
中村隆行教授の研究室では、原子・分子レベルの動的反応やナノスケールの結晶化・自己集合挙動を、高時間分解能・高空間分解能な電子線顕微鏡法や動的光散乱を用いて可視化・解析する研究を行っています。特に、ナノチューブ内に閉じ込められたナトリウムナトリウムナトリウム(NaCl)ナノ結晶の核生成や、ドパトマイシンのカルシウムイオン誘導型自己集合挙動を原子分解能映像で解明しています。これらの研究は、物質の形成過程における不確実性や遷移状態の理解を深める画期的なアプローチです。
福島大学の吉本史直教授の研究室では、マイクロ波や光を用いた新しい反応場の創出を柱に、ナノ構造材料における電子移動の制御とその応用を追求しています。特に、ゼオライトや層状ケイ酸塩などの微細なナノ空間内で金属イオンや分子を局所的に加熱・励起することで、選択的で効率的な化学反応を実現する新規触媒系の開発を進めています。また、光エネルギー変換や電荷移動のメカニズムを解明し、持続可能なエネルギー変換技術の基盤を築くことを目指しています。
福島一希教授の研究室では、バイオマテリアルの持続可能性と医療応用を両立するため、再生可能資源由来の高分子、特にポリラクチド系およびポリカーボネート系高分子の合成・機能化・リサイクルに注力しています。特に、生分解性と生体適合性を備えたポリマーを用いた医療デバイスや組織工学への応用、および廃棄プラスチックの効率的かつ環境に配慮した化学的分解(グリコールスィス、アミノリシス)を実現する有機触媒技術の開発が主な研究テーマです。
Takehiko Ohkawa教授の研究室は、エゴセントリックビジョンや3Dハンドポーズ推定を柱としたコンピュータービジョン分野を専門としています。特に、第一人称視点からの手の3Dポーズ推定や、手と物体のインタラクションを高精度に捉えるためのデータセット構築とアノテーション技術の開発が特徴です。近年では、半教師あり学習やドメイン適応を活用した効率的で高品質なアノテーションパイプラインの構築にも貢献しています。
Masaya Sato教授の研究室は、画像診断と臨床データを統合した人工知能(AI)技術を活用し、肝細胞癌の早期診断と予後予測を目的とした革新的な診断支援システムの開発を進めています。特に、超音波画像に加え、患者の背景情報や血液バイオマーカーを統合したマルチモーダル表現学習の応用に注力しており、臨床現場で実用可能な高精度なAI診断モデルの構築を目指しています。また、肝線維化や脂肪肝に関連する代謝経路(S1Pシグナル、PNPLA3遺伝子変異など)の解明を通じて、疾患の発症メカニズムの解明も併行して行っています。
Masanori Kunieda教授の研究室では、電火花加工(EDM)における微小なギャップ内での放電現象や微粒子の挙動を、高感度な高速カメラと透明なSiC電極を用いて直接観察することで、加工メカニズムの解明を進めています。特に、放電の局所的分布やギャップ内における気泡の挙動、および静電力が微粒子に及ぼす影響を数値シミュレーションと実験で統合的に解析しています。この研究は、高精度・高効率な加工技術の開発に貢献するものです。
Cevayir Coban教授の研究室は、マラリア寄生虫に由来するヘモジン(hemozoin)が先天免疫系に与える影響を解明しており、特にToll様受容体9(TLR9)を介した免疫応答の調節機構に注目しています。DNAワクチンの低反応性という課題に対して、CpGモチーフの最適化やヘモジンをアジュバントとして用いる新規戦略の開発も進めています。その結果、DCの成熟促進やIgG2a抗体応答の強化が確認されており、感染症の予防的ワクチン開発に貢献する基盤を構築しています。
中野正樹教授の研究室では、酸化亜亜鉛(ZnO)をはじめとする酸化物半導体と導電性ポリマー(PEDOT:PSS)を用いた高機能界面構造の創出を柱としています。特に、可視光を遮断する紫外光検出器や、電場で光学特性を制御する電気色変化デバイス、2次元材料における磁性の創出といった、次世代エレクトロニクス・光エレクトロニクスの基盤技術を開発しています。分子線 epitaxy(MBE)を用いた高品質な薄膜成長と、スピンコーティングによる低温・大面積プロセスの統合が特徴です。
神光田正博教授の研究室では、溶液中における分子間相互作用や溶媒効果の微視的メカニズムを解明することを目的としています。特に、水の翻訳的自由度や溶媒の構造変化がタンパク質の折りたたみや疎水性効果に与える影響を統計力学的手法を用いて解析しています。RISM理論や積分方程式理論を応用し、ナノスケールの界面・溶媒効果を高精度に予測する計算手法の開発も進めています。
Kanao教授の研究室では、液体クロマトグラフィーを基盤として、分子間力に基づく分離メカニズムの解明を進めています。特に、重水素置換に伴う同位体効果やハロゲン-π相互作用、π-π相互作用といった弱い分子間力が分離に与える影響を、新規分離媒体(カーボン材料、フラーレン、ボクシルナイト修飾モノリスなど)を用いて精密に評価しています。また、がんや神経疾患のバイオマーカーとして注目されるエクストリシャル・ヴェスィクル(EVs)の糖鎖構造に基づく分類技術の開発にも取り組んでいます。
大村敏道教授の研究室は、主に金属触媒を用いた新しい有機合成反応の開発に取り組んでいます。特に、イridiumやパラジウムを用いたエナンチオ選択的反応、たとえばアリールアミン化やシルボレーション反応の開発が顕著です。これらの反応は、エナンチオ選択的かつ高収率で、天然物や医薬品の合成に応用可能な高機能性中間体を効率的に合成できます。また、ボロン含有体やケイ素含有体を効率的に導入する反応の開発も進んでいます。
中村隆行教授の研究室は、難聴の発症機構と再生医療を柱とした耳鼻科・聴覚神経生物学の研究を推進しています。特に、内耳における免疫細胞の役割や、IGF-1を用いた音響障害からの聴力保護の可能性を、生分解性ハイドロゲルを用いた局所投与戦略で解明しています。ナノ粒子やハイドロゲルを用いた薬物送達系の開発を通じて、難治性の突然性難聴や騒音性難聴の治療法の確立を目指しています。
Shuichi Shimma教授の研究室は、質量分析法を応用したバイオイメージング技術の開発を主軸としています。特にMALDI質量分析画像化(MALDI-IMS)を用いた生体組織内における分子分布の可視化や、構造異性体の同定を可能にする高感度MSn分析技術の確立が特徴です。また、組織表面での化学的修飾やオンチッピング消化技術を組み合わせた新規分析手法の開発も進んでいます。