東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
大岡澤教授の研究室では、微生物が生産する天然物質の生合成メカニズムに焦点を当て、特にアミノ酸骨格を有する二次代謝産物の特異的構造形成とその遺伝子機構を解明しています。特に、アゼリシミシンやMS-271、ホルマオマイシン類のような天然物の生合成経路において、D-アミノ酸の導入やシクロプロパン環の形成といった化学的・酵素的メカニズムを分子生物学的手法を用いて解明しています。また、未解明の「オリーフ」遺伝子クラスターよりも、新規天然物の同定とその生合成経路の予測を目的としたバイオインフォマティクスと実験的機能解析の統合的アプローチを推進しています。
Zhang教授の研究室は、酸化物半導体を用いた高効率な熱電材料の開発を主軸としており、特に2次元電子系の制御やスラブ構造のスーパーラティス設計によって、熱電効率(ZT値)の向上を実現することを目指しています。SrTiO₃を基体にした固溶体やドーピング効果を精密に制御することで、電子状態の制御と熱伝導率の低減を両立する材料設計を推進しています。また、廃棄物熱回収に向けた次世代エネルギー変換材料の創出を目的としています。
Toda教授の研究室は、ショウジョウバエをモデル生物として、系統発生・発生・行動の統合的解析を柱に、特に生殖器の形態的多様性と進化、および共生関係に特化したダニオフィリド科の系統関係を解明することを目的としています。長距離シークエンシング技術を活用した高品質ゲノムアセンブリの構築や、自然環境における共生・競争メカニズムの統合的評価にも取り組んでいます。
Satoshi Koike教授の研究室は、腸管内微生物の生態と機能解明を柱としており、特に反すう動物のラムネ微生物、特に繊維分解細菌の多様性とその機能的役割を分子生物学的手法を用いて解明しています。16S rDNAを標的にした競争的PCR法を用いた細菌の定量的解析や、環境中における抗生物質耐性遺伝子の拡散メカニズムの解明も進んでいます。特に、繊維質の効率的分解に寄与する細菌群の生態的役割と遺伝的基盤の解明が主な研究テーマです。
岸崎清隆教授の研究室は、心血管疾疾患の治療を支援する革新的な医療機器の開発と評価を柱としています。特に、生体に近い環境を再現するバイオリアクターを用いた小動脈の人工組織工学や、AIを活用した画像診断支援システムの規制的・臨床的妥当性の解明が進んでいます。また、下腿動脈閉塞症に対する治療デバイスの有効性や、心房細動における射頻 treff法の解剖学的要因の解明など、臨床的ニーズに即した革新的なデバイス開発とその評価手法の確立を目指しています。
Tahara教授の研究室は、腸内微生物と宿主の間の代謝的相互作用、特に短鎖脂肪酸(SCFAs)が周辺組織の時計遺伝子に与える影響を解明しています。特に、食事由来の食物繊維やSCFAsが肝臓・腎臓・顎下腺などの周辺時計に与えるリズム調整作用に注目し、体内時計のリセット機構を解明しています。また、ストレス・運動・摂食サイクルといった環境的スチムラが中枢時計と周辺時計に与える時間的依存性の影響を、生体発光イメージングを用いて解明しています。
Matsumura教授の研究室は、主に整形外科学分野に焦点を当てており、特に肩関節の運動学的メカニズムや関節炎・凝り固まり肩(Frozen Shoulder)の病態メカニズムの解明を目的としています。臨床的応用に結びつく解剖学的・分子生物学的知見を、ヒト解剖標本や動物モデルを用いて得ることを目指しており、特に関節の変形や筋肉の脂肪変性に関連する遺伝子制御の解明にも取り組んでいます。
富岡博教授の研究室では、スパッタリング法を用いたGaN半導体薄膜の低コスト・大面積成膜技術の開発を柱としています。特に、金属フォイルや多層グラフェン/アモルファス酸化シリコン基板を基板として用い、高品質なGaN薄膜のエpitaxial成長と極性制御を実現しています。これにより、大面積かつ柔軟なGaNベースの発光デバイスや高電子移動度トランジスタ(HEMT)の実現が目指されています。
伊原利行教授の研究室は、セルロラーゼをはじめとする炭素素分解酵素の構造・機能解明に注力しており、特にセルロースの結晶性基質に対する酵素の表面移動挙動や、酵素間の協働作用に着目した高分解能なリアルタイム観察技術の開発を進めています。特に、原子間力顕微鏡を用いた酵素の動的挙動の可視化や、酵素の表面密度を用いた反応機構の定量的解析が特徴です。また、微生物由来のセルラーゼやデヒドロゲナーゼの遺伝子発現・機能評価を通じて、バイオマス変換の効率化に貢献する基盤技術の確立を目指しています。
Rui Tang教授の研究室は、集積光回路を活用した高速・低消費電力な光情報処理技術の開発を主眼としています。特に、ユニタリ光処理素子や再構成可能光モード変換器を用いた大容量光通信・量子計算・深層学習向け光プロセッシングの実現を目指しています。シリコンフォトニクスを基盤に、フォトニクス集積回路の高精度化・スケーラビリティ・汎用性を追求する革新的な研究が展開されています。
Toshiya Namikawa教授の研究室は、宇宙背景放射(CMB)の歪みや重力レンズ効果を精密に解析することで、宇宙の構造形成や初期宇宙の物理を解明することを目的としています。特にCMB温度揺らぎからのレンズ再構成技術の改良や、非ガウス性、光の偏光の異方性、重力波標準サジンの応用など、現代宇宙論の核心的課題に取り組んでいます。高精度な宇宙背景放射観測データを活用した理論的・計算的フレームワークの構築が特徴です。
Hisashi Yashiro教授の研究室は、大気化学・気象学の分野において、高解像度大気モデルとデータ同化技術を用いた大気環境と気象予測の高度な数値シミュレーションを主な研究テーマとしています。特に、大気中の水素や一酸化炭素の分布、土壌吸収挙動、および局所的積乱対流のダイナミクスを、グローバルな高分解能モデル(NICAM)と大規模アンサンブルデータ同化(LETKF)を組み合わせて解明しています。研究は、極めて大規模な計算環境(Kコンピュータ、TSUBAME2.5など)を活用し、I/O最適化や並列計算の高度な最適化にも取り組んでいます。
Kazuaki Toyoura教授の研究室では、第一原理計算を基盤として、イオン拡散やプロトン伝導の原子論的メカニズムを解明しています。特にリチウムイオンやプロトンの移動機構、格子振動の寄与、相転移に伴う物性変化のメカニズムを量子統計に基づいた精度の高い計算手法で解析しています。近年は機械学習を活用したポテンシャルエネルギーサーフェスの選択的探索手法の開発にも取り組んでいます。
Takeuchi教授の研究室は、主に循環器・代謝疾患および小児疾患の疫学的・病態メカニズムの解明を柱としています。特に糖尿病や慢性腎疾患の管理における新規治療法の評価や、小児腸閉塞の疫学的特徴の解明が進んでいます。また、GPR120やFFA1レセプターといった新規標的の機能解明や、疾患リスクの予測モデル開発にも取り組んでいます。
Xiuzhong Shen教授の研究室では、乱流のスケーリング則や局所的等方性の妥当性を、風洞実験を用いて高分解能で解明しています。特に、平均せん断流れ下における速度フラクチュエーションの高次モーメントや構造関数のスケーリング指数の Reynolds 数依存性を精密に測定しています。低〜高Reynolds数領域での比較から、乱流の自己相似性や非平衡性の理解を深めることを目的としています。
Akihisa Mori教授の研究室は、生態学的・生理学的適応と食性の進化の関係を、特に爬虫類をモデルとして、捕食形態、摂食力学、嚥下時間と実際の食性の関連を統合的に解明することを目的としています。特に、一般食性と専性のヘビを比較し、季節的におこる両生類の豊富な餌資源への適応を、形態的・生理的特徴と結びつけて分析しています。この研究は、捕食者の食性特化のメカニズムを、理論と実証の両面から解明する点で、生態学的適応の理解を深める基盤を提供しています。
北木一之教授の研究室は、がん末期患者や認知症高齢者を対象とした非薬物療法の開発に注力しています。特に仮想現実(VR)を用いたリマインセンス療法や症状緩和のための新しいアプローチを検討しており、患者のQOL向上を目的としています。また、血液検査の変化点を分析する客観的予後予測スコア「WPCBALスコア」の開発・応用を通じて、短期予後予測の精度向上にも貢献しています。
Hideo Matsuzaki教授の研究室は、神経保護作用を示す成長因子の神経細胞におけるシグナル伝達機構を解明する研究を行っています。特に、血管内皮増殖因子(VEGF)やインスリン様成長因子-1(IGF-1)がPI3K/AktおよびMEK/ERK経路を介してニューロンの死を防ぐメカニズムに注目しており、神経変性疾患や神経障害の治療への応用を視野に入れています。また、自閉症スペクトラム症候群(ASD)における感情認識の障害の神経基盤についても、fMRIを用いた脳機能画像解析を通じて解明を進めています。
Kaimori教授の研究室は、腎疾患の進行メカニズムに焦点を当て、特に腎細管上皮細胞のシグナル伝達機構とその応答を解明することを目的としています。蛋白尿に伴うSTAT活性化やGMF-βの発現が腎実質障害に与える影響、ならびに画像診断技術を用いた線維化の評価にも取り組んでいます。特に糖尿病性腎症や多発性ポリソーム腎がん病変の病態解明に向けた分子メカニズムの解明が中心です。
石渡慎太郎教授の研究室は、磁性体における電気的・磁気的性質の相互制御、特に磁電効果とトポロジカルスピン構造の解明を主眼としています。特に、ヘキサフェライトやペロブスカイト酸化物を用いた多铁性酸化物のスピン秩序とその誘電分極の制御、ならびにスピンキュリオンやスカイム粒子のようなトポロジカルスピン構造の発見に貢献しています。高圧下や強い磁場下での物性測定を通じて、新しいスピントロニクス材料の設計原理を追求しています。