東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
山下章太郎教授の研究室は、溶接過程における温度場の高精度な計測と、溶接割れの発生機構の解明を柱としています。特に、2色温度計法を応用した非接触・2次元・高応答な温度測定技術の開発により、レーザー溶接などの高速溶接プロセスにおける温度分布のリアルタイム把握を実現しています。また、Varestraint試験を応用した熱延性曲線の評価や、溶質元素が凝固割れ感受性に与える影響のメタリュルギー的要因の解明も進めています。
Otani教授の研究室は、主に光技術を応用した医療画像診断と光通信インフラの両分野で革新的な研究を展開しています。眼科領域では、OCTを用いた網膜構造と視力の関連性の解明を通じて、糖尿病性網膜症の診断精度向上をめざしています。一方、光通信分野では、40 Gb/s以上の高速伝送を可能にする光学リジェネレータや波長多重フィルタの高効率・高安定化技術の開発を推進しています。
長澤俊義教授の研究室は、エネルギー変換技術と環境材料の開発を柱としています。特に、ガソリンエンジンの超希薄燃焼における熱的分離技術や固体酸化物燃料電池の高効率・高耐久性電極の開発に注力しており、ナノ粒子のフレーム合成や地盤・海岸の災害メカニズムの解明にも広がる研究を展開しています。持続可能なエネルギー社会の実現に向け、材料設計とプロセス最適化の両面から革新的なソリューションを模索しています。
高良清志教授の研究室は、脳血管障害における神経伝達物質の動態と脳血流量の関連を、マイクロダイアリシスとレーザー・ドップラー血流計測を用いて解明しています。特に、虚血状態下におけるグルタメートの放出機構や、発熱が脳保護に与える影響を動物モデルで解析しています。また、乳癌におけるエストロゲン受容体やアンドロゲン受容体の機能と関連するタンパク質(NUCB2、APPなど)の臨床的意義についても、免疫染色やin vitro実験を組み合わせて研究を進めています。
A.L. Greer教授の研究室は、金属ガラスの構造と物性の基礎を解明するとともに、その微細構造設計と物性制御に注力しています。特に、金属ガラスのリハビリテーション(再活性化)や、凝固過程における核生成制御(インキュレーション)のメカニズムの解明が中心であり、工業的応用に結びつく新しい材料の創出を目指しています。近年では、大径金属ガラスの塑性向上や、アルミニウム合金の凝固制御における核種粒子の役割の解明にも進展を見せています。
本研究室では、金属材料の微視的変形挙動と界面ダイナミクスに注目し、メタリックナノ材料や半導体デバイスに応用可能な界面・界面反応のメカニズムを解明しています。特に、マグネシウム合金における異常なタイニングや界面拡散バリアの自己形成機構の解明が中心であり、高機能性材料の設計に貢献しています。また、電子線照射による原子の不安定化や結晶のアモルファス化のメカニズムについても、理論的・実験的アプローチを併用して研究を進めています。
佐倉井教授の研究室では、がん治療を目的としたナノ医薬デリバリー系の開発に注力しています。特に、がん細胞に特異的に薬物を届けるための多機能型エムボディ型ナノデバイス(MEND)を基盤に、siRNAや化学療癌薬の効果的で標的性の高い体内送達を実現する技術の確立を目指しています。血管新生や腫瘍微小環境の特性を巧みに利用した、がん治療の新戦略の構築が主な研究方向性です。
Hidekazu Hiroaki教授の研究室は、主にNMR分光法を用いた構造生物学的研究を展開しており、特に膜関連タンパク質や無構造性を示すタンパク質の構造と機能の解明に注力しています。特に、ペルオキシソームのタンパク質輸送に関与するAAA-ATPアーゼや、微小小管を切断するkataninのN末端ドメインの構造解明を通じて、タンパク質間相互作用の分子機構を解明しています。また、神経変性疾患関連タンパク質の自己集合機構や、がん幹細胞の自己複元機構に関連するシグナル伝達分子の構造的基盤の解明にも取り組んでいます。
Hayashi教授の研究室は、がんの転移メカニズムと予後予測の分子標 Biomarker の解明を柱としています。特に、肝細胞癌(HCC)における遺伝子のエピジェネティクス的制御や、手術縁の分子マーキングによる再発予測の確立を目指しています。臨床応用に直結する分子診断技術の開発も進めており、がん治療の個別化と予後改善に貢献することを目的としています。
Keiko Kataoka教授の研究室は、腸内微生物と宿主の免疫系の相互作用が健康と疾患に与える影響を解明する腸内マイクロバイオームと免疫調節の研究を主軸としています。特に、炎症性腸疾患や自己免疫疾患、眼疾患における腸-免疫-臓器軸のメカニズムに注目し、微生物代謝産物やβグルカンが免疫応答に与える影響を分子レベルで解明しています。また、網膜剥離に伴う炎症小体の活性化や新生血管形成のメカニズムについても、臨床的意義を踏まえた基礎研究を展開しています。
井場正文教授の研究室では、ダイヤモンド半導体やカーボンナノ材料を活用した次世代エレクトロニクスデバイスの開発を主軸としています。特に、水素終末ダイヤモンドにおける2次元ホールガスの形成や、Al₂O₃ゲート酸化膜を用いたMOSFETの高機能化、ならびにSiCやCNTを用いた高耐久オーミック接合の実現を目指しています。また、ナノスケールのデイエレクトロフォレシスを応用したバイオセンシング技術の基盤研究も展開しています。
森山正文教授の研究室は、自己免疫疾患、特にIgG4関連疾患(IgG4-RD)およびシェーグレン症候群の発症メカニズムを、好酸球・好酸好酸球関連マクロファージ(M2マクロファージ)の役割と、Th2型免疫応答、特にTLR-7/IRAK4/NF-κB経路を介した線維化の促進に注目して解明しています。特に、副鼻涙腺・副門脈腺におけるマクロファージの浸潤とサイトコイントンの発現パターンの解析を通じて、疾患の病態と診断のバイオマーカーの同定を目指しています。
C. Hirose教授の研究室では、都市環境下における自然換気のメカニズムや、メタンバブルの上昇挙動を数値シミュレーションと実験的観察を融合して解明しています。特に、周囲の建物配置が換気効率に与える影響や、メタンハイドレートを形成したバブルの動的挙動の解析が主な研究テーマです。都市部の風環境の最適化や、地球温暖化に寄与するメタンの放出メカニズムの解明を目指しています。
Yuya Yoshida教授の研究室は、循環器疾患や自己免疫疾患の発症メカニズムに深く関与する生物リズム(サーカディアンクロック)と、神経免疫調節に関与するリピッドシグナル伝達分子(S1P受容体、FTY720の作用機序)の機能を解明することを主眼としています。特に、腎疾患に伴う心臓障害の炎症・線維化が、時計遺伝子に異常をきたすマウスにおいても軽減されるという意外な現象の解明を通じて、サーカディアンリズムと心血管・自己免疫疾患の関連を解明しています。また、睡眠時ブラキシズムの神経生理学的基盤や、症状チェックの限界についての臨床的検討も行っています。
佐藤芳宏教授の研究室は、主に遷移金属触媒を用いた新しい炭素–炭素結合形成反応の開発に取り組んでいます。特にパルテインやニッケルを用いた非対称的クロスカップリング反応や、[2+2+2]環化反応を活用した天然物の全合成に注力しています。立体選択性とエナンチオ選択性を高精度に制御する触媒系の設計が特徴です。
阿部敦子教授の研究室では、環境中に広がる化学物質、特にホルムアルデヒドやホスフェートエステル系フラムレジステント(PFRs)、フタレートエステル(Phthalates)などの内分泌攪乱物質にさらされる環境と健康の関連を、主に住環境と妊婦・乳児の健康を対象として研究しています。特に、室内ダスト中の化学物質濃度と喘息・アレルギー疾患の関連、および胎児期の内分泌攪乱物質曝露が新生児のホルモンレベルに与える影響を疫学的手法を用いて解明しています。近年では、複数の化学物質の複合的影響についても注目しており、環境要因と健康リスクの複雑な関係を解明することを目指しています。
Yusuke Matsuya教授の研究室では、放射線生物学と放射線物理学の融合を柱に、線量率効果や細胞周期の変化、DNA損傷の定量的評価に向けたマクロな生物学的反応とミクロな粒子線track構造の関係を解明しています。特に、モンテカルロシミュレーションと数学的モデルを組み合わせた「統合的微dosメトリック・キネティックモデル」を用いて、がん治療における放射線効果の予測精度を高めることを目的としています。BNCTや外部ビーム治療における治療効果の最適化に貢献する、放射線生物学的メカニズムの解明が中心的研究テーマです。
Toshiya Osanai教授の研究室は、脳血管障害や中枢神経疾患における再生医療を目的とし、骨髄stromal細胞(BMSC)を用いた細胞移植療法の非挿入的可視化技術の開発に注力しています。特に近赤外発光を示す量子ドットを用いた生体イメージング技術により、移植細胞の脳内挙動を非侵襲的かつ長期間にわたりモニタリングする手法の確立を目指しています。また、TGPハイドロゲルを用いた細胞接着支援や、静脈内・動脈内への細胞投与法の最適化も行い、臨床応用に向けた神経組織工学の新パラダイムを構築しています。
Hosoi教授の研究室では、高周波疲労や超高サイクル疲労にまで及ぶ複合材料の損傷挙動を解明するとともに、疲労亀裂の電気的修復技術の開発を進めています。特に、ステンレス鋼やCFRP(炭素繊維強化プラスチック)における亀裂の発生・拡大挙動を高精度な非破壊評価と電気脈動処理を用いて定量的に解析しています。長寿命構造の信頼性向上を目的とした、材料の疲労挙動と修復メカニズムの解明が主な研究テーマです。
Hisakazu Ohtani教授の研究室は、主に薬物代謝酵素であるサイコクロムP450(CYP)の遺伝的多様性が薬物相互作用に与える影響を解明する研究を行っています。特にCYP3A4の遺伝子多型が、メカニズムに基づく阻害(MBI)のキネティクスにどのように影響するかを定量的に解析しています。また、食事中のコレステロールや脂肪酸の摂取が脂質代謝に与える影響についても、ハムスターを用いた実験的アプローチで研究を展開しています。