東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
小島保仁教授の研究室では、レーザーを用いたナノ材料の創製とその応用に注力しています。特に、炭素量子ドットや酸化チタン、コバルト酸化物、亜鉛酸化物などの酸化物ナノ構造を、レーザー堆積法(PLD)やレーザープロセッシングを用いて制御的に合成しています。得られた材料は、光安定性に優れ、超親水性や表面プラズモン共鳴効果を示し、センシングやエネルギー応用に有望です。
竹川一学教授の研究室は、触媒材料の創出と開発を目的としたデータ駆動型研究を推進しています。機械学習を活用して反応機構の予測や吸着エネルギーの高精度な推定を実現し、特に銅合金やマンガン系触媒を対象とした酸化反応の最適化に注力しています。文献データのバイアスや組成の不足といった課題を克服するため、元素の物理的性質を特徴量とする新しいMLアプローチを展開しています。
Kenji Sudo教授の研究室は、ウイルス感染のメカニズム解明と抗ウイルス薬の開発を柱としています。特にヘルペスウイルス(HSV-1・HSV-2)を標的とした天然化合物の創薬的応用に注力しており、耐性株や臨床由来株に対しても高い効果を示す化合物の同定を進めています。また、気候変動に伴う生態系の変化や神経疾患に伴う汗腺機能異常のメカニズム解明など、感染症・環境・神経疾患の分野を横断する多角的アプローチも特徴です。
Eisuke Ota教授の研究室では、光誘導反応を核に、酸化的・還元的プロセスを巧みに制御する新しい反応機構の開発を進めています。特に、zirconoceneと光レドックス触媒を組み合わせた新規反応系を用いて、C–ClやC–O結合の選択的切断と、エネルギー的に不利な反応経路でさえも駆動する反応を実現しています。これらの反応は、反応性の低い原料を効率的に利用し、医薬品や機能性ポリマーの合成に応用可能な革新的な戦略です。
Yamamoto教授の研究室は、量子情報科学と量子制御理論を柱に、量子ネットワークや量子センシングにおけるエラー耐性、エンタングルメントの制御、量子デバイスの安定化を目的とした研究を展開しています。特に、光場と原子系を接続した量子ネットワークにおける状態伝送や、測定フィードバックを用いたエンタングルメントの維持・強化、さらには実験的制約を考慮したロバストな量子推定器の設計が主なテーマです。量子系の非可逆的環境作用を制御し、純粋な量子状態を回復・維持するためのフィードバック制御則の理論的構築にも貢献しています。
長坂祐司教授の研究室は、熱物性の高精度測定とその応用に焦点を当てた研究を推進しています。特に、宇宙探査や高温・高圧環境下での材料性能評価に不可欠な熱伝導率や熱拡散率の精密測定技術の開発が中心です。微小な熱源を用いた一時的ホットワイヤ法や光熱放射法を応用し、機能梯度材料や電解質水溶液の熱的性質を精密に評価しています。これらの技術は、宇宙機器の熱制御材料開発や新素材の特性評価に応用されています。
Samir Kumar教授の研究室は、ナノスケールの金属・酸化物フレームワークを用いた高感度な分析技術の開発を主眼としています。特に、銀ナローレイド(AgNR)やチタニアナノロッドを用いたSERS(表面増強ラマン散乱)およびSEFS(表面増強フラーレンス)基板の創出に注力しており、超疎水性表面や高密度の「ホットスポット」を形成することで、極微量のバイオ分子や細菌の検出を可能にしています。また、再利用可能な基板設計や、GLAD(斜角蒸着)技術を活用した構造的・機能的制御による高性能センサーの実現を目指しています。
Changhee Lee教授の研究室は、電池材料の根本的な挙動と界面挙動に注目し、特にカルシウムイオン電池や水系リイオン電池における電極・電解質界面の安定化機構を解明することを主眼としています。超濃縮電解質や溶媒混合系の設計によって、イオンの溶媒-shell構造を制御し、電極の構造的安定性とサイクル性能を向上させる研究を展開しています。X線回折やin situ分光法を用いた多角的解析により、界面に形成される固体電解質界面(SEI)や電極-電解質界面(CEI)の構造と機能を解明しています。
Mineo Kurokawa教授の研究室は、造血細胞の異常分化と白血病発症の分子機構に焦点を当てた研究を推進しています。特に、AML1/Evi-1やDNMT3A変異による腫瘍抑制経路の不活性化、TGF-βシグナルの抑制、ならびにエピジェネティクス的・シグナル伝達的制御の不全が白血球の異常増殖に与える影響を解明しています。細胞周期制御や幹細胞の自己複製能の異常に関連する分子機構の解明が、がん治療の新たな標的の発見に繋がると期待されています。
Taguchi教授の研究室は、光量子技術とフォトニクスを基盤に、超高感度な光測定や次世代光デバイスの開発を進めています。特に、量子もつれを用いた信号対ノイズ比の向上(量子強化型バランスド検出)や、超短パルス光における高精度スリッピング制御、中赤外領域での効率的光変調素子の設計が主な研究テーマです。また、フォトニクス統合回路における誤差耐性の高いユニタリ変換素子の構築にも注力しています。
Imamura教授の研究室は、惑星大気の物理的・化学的プロセスに焦点を当て、特に金星の大気循環、雲の形成と分布、そして超回転流のメカニズムを、人工衛星データと数値モデルを用いて解明しています。特に、アカツキミッションの電波屈折観測や、二酸化硫黄・水蒸気系雲の輸送・凝結プロセスの数値シミュレーションを通じて、大気循環と化学種の分布の関係を解明しています。また、惑星大気における波動駆動の運動量輸送や、太陽コロナにおけるプラズマ流れの推定にも貢献しています。
北見国明教授の研究室では、光の偏光制御を核としたナノ光物理学と光エレクトロニクスの研究を展開しています。特に、キラル構造や周期的ナノ構造を用いた偏光選択性の高い光応答、ならびに真空紫外領域における円偏光光の直接生成技術の開発が主な研究テーマです。光のスピンと軌道角運動量の制御を基盤とし、量子情報処理やバイオ分子動的解析への応用を視野に入れています。
Naota Hanasaki教授の研究室は、地球規模の水循環と人間活動の相互作用を解明することを目的としています。特に、気候変動や人口増加に伴う水不足の予測や、農業・都市・工業用水の需給バランスの長期的推移を、高解像度のグローバル水資源モデルを用いて定量的に評価しています。また、水の持続的利用と水資源管理のための科学的根拠を提供することを柱としています。
Hirofumi Shoda教授の研究室は、自己免疫疾患、特に rheumatoid arthritis(RA)や血管炎をはじめとする慢性炎症性疾患の発症メカニズムを、サイトカイン・T細胞・自己抗体の観点から解明しています。特にIL-32やBiPをはじめとする新しい自己抗原や炎症関連分子の役割、Th17細胞の代謝的変化と疾患活動の関連性に注目しており、疾患のバイオマーカーとしての可能性や、B細胞やT細胞を標的にした新しい治療戦略の開発を目指しています。
Kazuki Komatsu教授の研究室は、高圧下における水酸化物・水和物・氷の構造と相転移を、中性子回折と同期放射を用いて精密に解明する研究を展開しています。特に、水素結合の配列や秩序・無秩序状態の変化が物質の物理的性質に与える影響に注目し、新相の同定とその秩序構造の解明を進めています。高圧・低温環境下での高精度な構造解析技術の開発も柱であり、新規な水和物や氷多形の発見に貢献しています。
福山正史教授の研究室では、胃がんの発症メカニズムに注目し、特にエプスタイン・バーウイルス(EBV)関連胃がんの発生とそのバイオマーカーの同定を主な研究テーマとしています。また、神経線維腫症に合併する胃腸基質腫瘍(GIST)の特徴や、がん関連抗原としてのSALL4の意義についても、免疫染色と遺伝子異常解析を組み合わせた病理学的アプローチを展開しています。がんの早期診断や個別化医療に貢献する分子標識の解明が、研究の柱です。
Takashi Taniguchi教授の研究室では、膜の形状変化と相分離の相互作用を数値的に・理論的に解明する研究が進められています。特に、赤血球のくぼみ構造(エキノサイトーシス)に類似した形状の形成や、可塑性を持つ膜表面におけるドメイン構造の粗大化メカニズムに注目しています。また、ポリマー溶液の粘弾性と相分離の結合系や、脂質二重層膜における曲率と組成の相互作用についても、物理的・数学的アプローチで解析しています。
佐間佳成教授の研究室では、白金族金属を担持したカーボン触媒を用いた水素・重水素交換反応やアルコールの脱水素反応に注力しており、特に水やD₂Oを溶媒として用いる環境に優しい反応系の開発が特徴です。有機触媒や機械化学的手法を組み合わせた新規反応機構の解明や、医薬品・バイオ分子の効率的ラベル化にも応用しています。反応の安全性と再利用性を重視した持続可能な有機合成手法の確立を目指しています。
中西一樹教授の研究室では、溶媒法を用いた酸化物およびメタロキサンポリマーの制御的多孔質構造創出に注力しています。特に、マクロポーラスとメソポーラスを同時に制御するハイブリッド多孔質材料の創製を柱としており、HPLC分離媒体や触媒担体への応用も視野に入れています。反応メカニズムの解明として、相分離とソルゲル反応の同時進行が多孔構造形成に与える影響を、光散乱や熱重量測定を用いて詳細に解析しています。
Ming‐Shui Yao教授の研究室は、金属酸化物と金属有機フレームワーク(MOF)を統合した新規ナノ材料の開発に注力しており、揮発性有機化合物(VOCs)センシングや室温ガスセンサーの分野で画期的な成果を上げています。特に、高品質な薄膜作製技術を駆使し、電子的伝導性を有するMOF(EC-MOF)を用いた高感度・高選択性センサーの創出が特徴です。また、異種MOFのヘテロ構造薄膜の制御的積層や、π結合を有する新規EC-MOFの設計によって、センシング性能の向上と物性のチューニングを実現しています。