東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
マド・ナウローズ・ファティミ教授の研究室は、都市部における気候変動の影響、特にダッカをはじめとする南アジアの都市における洪水リスクとその適応戦略に焦点を当てています。主に、住民の物理的脆弱性、家屋の耐久性、社会的資本の役割、都市化と環境汚染の交差する問題を、混合研究法や構造方程式モデルを用いて分析しています。特に、低所得層の住民がいかに洪水リスクに直面しながらも、現地の知恵と社会的ネットワークで対応しているかを解明しています。
Ueda教授の研究室では、再生医療を柱に、骨再生に寄与する間葉系stromal細胞(MSCs)の機能とその賦活化メカニズムを解明しています。特に、β-トロイダイトカルシウムホスファート(β-TCP)を含む新規バイオマテリアルを用いた幹細胞の骨形成能の評価を進め、臨床応用に向けたインプラント設計の最適化をめざしています。
Onizawa教授の研究室は、低面積・低消費電力なハードウェア実装を追求する分野に注力しています。特に、確率的計算(stochastic computing)を活用した画像処理や符号化回路の設計、ならびに磁気トンネル接合(MTJ)を用いたアナログ信号の確率的変換技術の開発が特徴です。また、神経ネットワークの推論・学習用ハードウェアや、高速かつ効率的なネットワークオンチップルータの設計にも取り組んでいます。
Rei Ueno教授の研究室は、暗号ハードウェアの信頼性と効率性を高めるための組み込み型暗号回路設計を主な研究分野としています。特に、側面分析(SCA)や電力分析攻撃(DPA)に対する耐性をもつ、高効率で小型化可能なGF(ガロア体)演算回路の設計に注力しています。また、物理的未克隆性関数(PUF)やAES暗号のハードウェア実装におけるエラー耐性や情報漏洩防止技術の開発も進めています。
高橋信博教授の研究室は、口腔内微生物の代謝機構とその代謝産物が歯科疾患、特にう蝕や歯肉炎の発症に与える影響を、代謝プロファイル解析や分子生物学的手法を用いて解明しています。特に、酸を産生する細菌(例:ストレプトコックス属)の糖代謝経路や、タンパク質分解能を持つ細菌(例:ボルギモナス・ジンジャリス、パルフィモナス・ジンジャリス)の代謝機構に注目し、口腔内生態系のバランスが病態に与える影響を分子レベルで解明しています。また、フッ素やキシリトールのう蝕予防作用の実体内メカニズムを代謝プロファイル解析によって解明するなど、臨床応用に繋がる基盤研究を推進しています。
小畑幹彦教授の研究室では、ヘスラー合金を用いた高機能磁性膜のエピタキシャル成長とその磁気的・スピン輸送特性の解明を柱としています。特に、半金属的特性を示すCo₂MnSiやCo₂MnAl系合金を用いた磁気トンネル接合(MTJ)の構造制御と、超高感度TMRセンサーの開発を進めています。フェロマグネティック共鳴(FMR)を用いた磁気ダンピング定数の精密測定を通じて、スピンオービタル結合と電子状態の関係を理論と実験で結びつける研究が特徴です。
Jia Wang教授の研究室は、教育分野と半導体材料分野の両方で活発な研究を展開しています。教育分野では、留学生や英語に不自由な生徒の学力格差に着目し、学習機会(OTL)の不平等が学力に与える影響を統計的・教育的アプローチで解明しています。一方、半導体分野では、窒化ガルキウム(GaN)を用いたp型ドーピングや、金属ナノスラブの半導体内への自己組織的挿入、および優れたオーミク接触の実現に向けた材料工学的アプローチを推進しています。特にGaN系のデバイス特性向上に寄与する新規界面制御技術の開発が柱です。
Kazuyuki Doi教授の研究室は、稲の花床形成や生育期間の遺伝的制御を解明するため、光周期反応に関与する遺伝子ネットワークやQTL解析を軸に、特に日本型稲(Oryza sativa ssp. japonica)とアフリカ米(Oryza glaberrima)を用いた遺伝資源の構築と、マーカー支援選抜を活用した集団育種戦略の開発を進めています。特に、花床形成に関与するEhd1やHd1といった遺伝子の機能解明や、NAM(ネステッドアソシエーションマッピング)集団を用いた多様性解析により、環境適応性や収量関連性の遺伝的基盤を解明しています。また、SNPマッピングやGBS技術を応用した高効率な遺伝子型決定手法の開発も並行して行っています。
Sakaguchi教授の研究室では、ボーズ・アインシュタイン凝縮や超伝導体を含む量子多体系における非線形波動現象に注目し、特に光波動と物質波の両方の分野で現れるソリトンやその安定化機構を、数値解析と変分近似法を用いて解明しています。特に、スピン軌道結合や周期的ポテンシャル、散乱長の空間調制といった要素が、通常の崩壊を引き起こす系においても安定なソリトン状態を実現するメカニズムを理論的に解明しています。また、2次元系における半渦度状態(Semivortex)や混合モード(Mixed Mode)の存在と安定性の条件を系統立てて研究しています。
Eikichi Ihara教授の研究室は、平滑筋の収縮調節機構、特にカルシウムセンシティブな収縮(Ca²⁺センシティビティ)の分子メカニズムに焦点を当てた研究を推進しています。主に、ミオシンリガンド鎖キナーゼ(MLCK)、ミオシンリガンド鎖リン酸アーゼ(MLCP)およびRhoキナーゼを含む各種キナーゼ群(ZIPK、PKC、MAPKなど)の機能的相互作用を解明しており、特に薬理的阻害剤や遺伝子操作を用いた平滑筋の収縮反応の制御機構を解析しています。また、消化管および血管平滑筋における生理的・病態的収縮調節の理解を深めるために、画像診断(EUS-FNA、MIAB)と併合した臨床的応用研究も展開しています。
本研究室は、気象・大気現象の高精度な観測と解析を目的とし、レーダー・ライダーを用いた雲・降水の微物理的・動力学的特性の同時推定に注力しています。特に、95GHzレーダーとライダーの連携による氷雲の微粒子特性や垂直風上昇運動の同時推定アルゴリズムの開発が特徴です。また、偏光比やリモートセンシング信号の多重散乱効果を精密に再現する物理モデルの構築にも貢献しています。
Hatano教授の研究室では、土壌のマクロポアが植物の根の伸長に果たす役割を、実験的・観察的アプローチで解明しています。主にトウモロコシを用いた土壌シリンダー実験を通じて、異なる土壌タイプ(ボーダーローランドソイル、ペシュゴレイ、オーダリーアンドソルなど)におけるマクロポアの分布と根の生育の関係を定量的に分析しています。特に、マクロポアの配置パターンとその根の誘導効果の土壌タイプ依存性に注目し、土壌の物理的特性と植物生育の関係を明らかにすることを目的としています。
Masaya Watanabe教授の研究室では、糖尿病が心房細動を引き起こすメカニズムに注目し、特に心房における電気的・構造的変化とミトコンドリア機能への影響を光学マッピングや分子生物学的手法を用いて解明しています。SGLT2阻害薬であるエマスギフロジンの心筋保護作用やカルシウムシグナル伝達への影響についても、糖尿病性心筋症や術後心房細動の予防的意義を追求しています。また、心膜脂肪組織の内分泌的役割や光遺伝学的アプローチによる再entrantリズムの制御についても革新的な研究を展開しています。
田中大治教授の研究室では、二相流における気泡の挙動とその境界層内での移動メカニズムに注目し、船舶の抗力低減に応用可能な気泡界面の発生・伝播挙動を実験的に解明しています。特に、定常的・周期的な空気供給条件下での局所空隙率の時間的・空間的変動(空隙波)の発生とその安定性、拡散・減衰挙動を高精度な高速撮影と計測技術を用いて分析しています。研究は、実海洋環境に近い大スケール実験を基盤とし、実用的ドラッグレデュクション技術の基盤を構築することを目的としています。
Jun Nakayama教授の研究室は、がんの転移メカニズム、特に骨・脳への転移に注目し、動物モデルを用いた精密切な解析を展開しています。特に、臨床的意義の高い乳がんサブタイプ(luminal型、HER2陽性型)における転移の分子機構を、in vivo選択法や画像計測技術を駆使して解明しています。また、高感度なバイオルミネッスンイメージング技術の開発も併行して行い、転移の動態をリアルタイムで可視化する基盤を構築しています。
Yoshie教授の研究室は、コンピュータビジョンと深層学習を応用した画像認識・物体検出技術の研究を主軸としています。特に、混雑したシーンにおける歩行者検出や、小規模・部分的遮蔽物体の高精度検出に特化したアルゴリズム開発が特徴です。また、データプライバシーを配慮した分散学習(フェデレーテッドラーニング)の応用や、効率的なハッシュ符号化による高速近似最近傍探索の最適化にも取り組んでいます。
Daigo Ochiai教授の研究室では、胎児期の疾患に対して新たな再生医療戦略を展開しており、特に胎児性幹細胞(hAFSCs)を用いた prenatal および neonatal 治療の可能性を追求しています。神経管閉鎖障害(マイエロメンインゴセール)や新生児セプシス、先天性疾患の胎内診断と治療への応用が主な研究テーマです。免疫調節作用や組織修復機能を活かした、胎児期からの幹細胞治療のメカニズム解明が進んでいます。
Takehiko Mori教授の研究室は、移植免疫学を基盤とし、特に移植片対宿主疾患(GVHD)と移植片対がん効果(GVL)のバランス解明を主眼としています。マウスモデルを用いた実験により、T細胞の移行が宿主造血機能に及ぼす影響を解析しており、臨床応用に結びつく免疫調節メカニズムの解明を目指しています。また、タクロリムスの血中濃度と急性GVHD発症の関連性についての臨床的検討も進めています。
Furuichi教授の研究室は、腸内微生物叢の制御が感染症や免疫疾患の治療に寄与する可能性を追求しています。特に、耐性菌や病原性好悪性細菌の腸内定着を抑制する共生性細菌群の同定とその応用を主眼としています。また、小児における抗菌薬耐性菌のリスク要因や、移植後・新生児期の感染症の疫学的特徴の解明にも貢献しています。
Kanno教授の研究室は、構造力学・最適化理論・非線形解析を融合した先進的な構造設計理論を展開しています。特に、非線形性や不確実性を伴う構造物の挙動解析や、最適配置・剛性設計を目的とした数学的プログラミング手法(特に二次錐計画法や混合整数プログラミング)の応用に注力しています。摩擦接触や非線形ダンパーの最適配置、耐震性・耐久性を高める構造の強靭性(レジュンダンシー)の定量化など、実用的で信頼性の高い設計手法の構築を目指しています。