東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
Ayumi Taguchi教授の研究室では、がん微小環境における線維芽細胞の役割や、オメガ3系脂肪酸の抗がん作用、特にSIRT1経路を介した炎症制御や細胞死の調節に注目した研究を進めています。特に子宮頸がんの発がんメカニズム解明を目的に、変換帯の上皮組織由来オルガノイドを用いた三次元培養モデルの構築や、高リスク型ヒトパピローマウイルス(HPV)感染状態における病態の遷移をマルコフモデルで解析する研究も展開しています。
本研究室では、細胞膜のリン脂質、特にリンアミドエタノールアミン(PE)の細胞内動態とその細胞分裂における役割を、特異的PE結合ペプチドRo09-0198を用いた解析を通じて解明しています。特に、細胞分裂の最終段階である胞質分裂期におけるPEの細胞表面への移動が、収縮環の解体を制御する鍵であることを明らかにしてきました。さらに、PEの不適切な固定化が細胞分裂の阻害を引き起こす仕組みや、RhoAの不活性化との関連についても解明を進めています。
Yuki教授の研究室は、主に粘膜免疫応答と植物を用いたバイオ医薬品の開発を柱としています。特に、腸管や呼吸器に作用する粘膜ワクチンの開発や、米を用いた口服ワクチン「MucoRice」の最適化に注力しています。また、乳由来の低分子量タンパク質の同定や、2次元電気泳動を用いたタンパク質解析技術の応用にも取り組んでいます。
Kazuma Murakami教授の研究室は、アルツハイマー病の発症メカニズムに深く関与するアミロイドβペプチド(Aβ)のオligomer化と酸化的ストレスの関連を解明することを主眼としています。特に、Aβ42の神経毒性を示す特異的構造(Glu22-Asp23の折りたたみ構造)の同定や、そのメカニズムの解明に貢献しています。また、ビタミンCの補給がAβオligomer形成を抑制する可能性についての動的モデル研究も進めています。
アーナ・マリア・ルイス教授の研究室は、自然災害が引き金となって発生する技術的危機(ナテック)に注目し、特に地震や洪水、ハリケーンなどの自然現象が工業施設の有害物質漏れを引き起こすメカニズムを解明しています。主な研究方向性は、ナテック事故のリスク評価、予防策の構築、および緊急時における対応策の最適化です。特に、欧州や北米の実例をもとに、災害発生後のインフラ損傷や経済的影響、人的・環境的被害の分析を進めています。
高分子化学と無機化学の融合を軸に、アクチニド元素の化学的挙動を精密に解明する研究を展開しています。特にウランやネプツニウムの錯体の構造・安定性・反応性をX線回折や吸光度スペクトル法を用いて解明し、核燃料サイクルの効率化と安全な管理に貢献する基盤を構築しています。また、イオン液体中におけるアクチニドの挙動や、酸化状態に依存する錯体の形成機構についても先駆的です。
Ramon Brasser教授の研究室は、太陽系の動的進化と惑星系の形成メカニズムに焦点を当てた天体力学的研究を行っています。特に、巨大惑星の軌道遷移(例:ジャンピング・ジュピター)や、オーツクルードの起源、小惑星帯・カイパーベルト・散乱円盤からのコメット供給メカニズムの解明が主な研究テーマです。長期間にわたる数値シミュレーションを用いて、惑星系の安定性や太陽系外縁天体の軌道起源を解明しています。
Murakami教授の研究室は、主に生活習慣病や健康格差のメカニズムを、栄養・環境要因と社会的要因の両面から解明しています。特に、食事や栄養素の影響が生活習慣病に与える影響、ならびに教育水準や収入といった社会的要因が健康行動や肥満に与える影響を、疫学的・生化学的アプローチで研究しています。また、発酵食品由来の酵素が血圧調節に与える影響など、食と健康の関連を多角的に探求しています。
Koshimura教授の研究室は、津波の被害予測と防災政策の高度化を目的として、数値シミュレーション、GIS分析、衛星画像・航空写真の画像解析を統合した津波リスク評価技術を開発しています。特に、津波の浸水域深さや流れの速さといった水理的要因と建物被害・人的被害の確率的関係を定式化した「津波破壊度関数」の構築が柱であり、災害後の迅速な被害把握と将来の防災対策の指針形成に貢献しています。
Saito教授の研究室は、カーボンナノチューブやグラフェンなどの低次元炭素材料の電子構造とフォノン特性を理論的に解明する研究を展開しています。特に、ナノチューブのヘリシティや直径に起因する金属的・半導体的性質の違い、およびその光学的・電気的性質の chirality 依存性に注目しています。また、ラマン分光法を用いた電子状態の精密な評価や、ナノチューブ接合におけるトンネル伝導特性の理論的予測も行っています。
Takeshi Yasui教授の研究室は、光酸化還元触媒と多機能的金属触媒を組み合わせた新しい反応機構を駆使し、高機能性炭素骨格を効率的に構築する有機合成手法の開発を主眼としています。特に、環状骨格の新規拡張や[2+2+2]環化反応を用いた三環式骨格の創出、ならびにエナンチオ選択的合成が特徴です。また、天然物由来の多糖類の物理的性質の解明を通じて、食品科学的応用の可能性にも注目しています。
Watanabe教授の研究室は、熱伝達デバイスの開発とバイオ分子の高感度分析技術の両輪を軸に研究を進めています。特に、kWクラスの熱輸送性能を実現するループ熱パイプの設計・製造と、その熱的特性の解明に注力しており、宇宙・航空分野への応用が期待されます。一方で、蛍光検出や電気化学的手法を応用した生体アミノ酸・ポリアミンの高感度分析技術の開発も進めており、神経疾患やウイルス感染のメカニズム解明に貢献しています。
Seiichi Morokuma教授の研究室は、母体・胎児・乳児の健康を対象とした母子健康研究を柱としており、特に妊娠期の生活習慣(睡眠・運動)が胎児発達や乳児の発達・行動に与える影響を、大規模コhort研究を活用して解明しています。また、深層学習を用いた睡眠ステージ分類の開発や、妊娠中の炎症バイオマーカーの変動と妊娠合併症の関連についても研究を展開しています。これらの研究を通じて、妊娠期の健康行動が出生後の発達に与える長期的影響を科学的に解明することを目指しています。
マチエベ教授の研究室は、有機半導体の分子設計と自己集合挙動に着目し、特にドナー・アクセプターモチーフを組み合わせた新規分子系の開発と、そのナノ構造と物性の関係を解明しています。特に、ドーパントとアクセプターモジュールを精密に配置した構造的・電子的制御により、高効率な電荷移動や熱的に活性化された遅延蛍光(TADF)を実現する新規有機発光材料の創出を進めています。また、ディスク型分子が形成する柱状相や、ポリオキソメタル酸を組み込んだハイブリッド材料の構造・機能関係の解明も重要な研究テーマです。
アレクサンダール・ステイコフ教授の研究室は、密度汎関数理論(DFT)を基盤とし、分子・界面反応機構の原子レベルの理解を目的としています。特に、酸素の選択的還元反応や水素ペルオキシドの触媒的合成、分子エレクトロニクスにおける電荷輸送特性、ならびに光・電気刺激応答性分子のスイッチング挙動の理論的解明を進めています。実験と理論の融合による、次世代エネルギー材料や分子デバイスの設計に貢献する研究が特徴です。
Shinya Tanaka教授の研究室は、神経発生と免疫調節の分子メカニズムに焦点を当てており、特に神経前駆細胞の決定を制御する転写因子ネットワークや、自己免疫疾患の発症に関与するT細胞・B細胞の機能制御機構を解明しています。神経線維形成関連転写因子(SOX1/2/3、Nestin)の調節機構や、Th17細胞やTfh細胞の発生・機能制御、ならびに自己抗体産生の抑制を担うB細胞アナジーの破綻機構を分子レベルで解明しています。これらの研究は、神経疾患や自己免疫疾患の病態解明および治療戦略の開発に貢献しています。
中野玉香教授の研究室は、らせん構造を有する合成ヘリカルポリマーの設計・合成を柱としており、特にπ-スタッキングを示すフラーレン誘導体やフラーレン骨格を有するポリマーの自己組織化挙動に注目しています。光によるらせんのダイレクション制御(CPL誘導)や、アニオン重合・ラジカル重合を用いた立体特異的合成技術の開発も進めており、光学活性材料や有機エレクトロニクスへの応用が目指されています。
Guang Li教授の研究室は、主に医療画像処理と深層学習を融合した画像生成・表現学習の研究を推進しています。特に、MRIからCT画像を合成する技術や、少量のアノテーションでも高精度な疾患診断を可能にする自己教師付き学習手法の開発が特徴です。小バッチサイズでも高い性能を発揮する新規な学習フレームワークや、データ蒸留技術の革新にも貢献しています。臨床応用に直結する実用的で効果的なAIソリューションの構築が研究の核です。
林呂慶教授の研究室は、遷移金属触媒を用いた高効率で選択的なC–H官能化反応や、不斉反応の開発を柱としています。特に、パルテインやルイドール系触媒を用いた酸化的なC–Hアルキル化、アルドール反応の逐次的・ドミノ的反応の実現が特徴です。また、光触媒や水素原子移動を組み合わせた新しい反応機構の開発も進めており、機能性有機分子の合成に貢献しています。
Ushiba教授の研究室では、脳-コンピュータインターフェース(BCI)を用いた脳卒中後の運動機能回復のメカニズムを解明しています。特に、視覚的・皮膚感覚的フィードバックの有効性や、運動関連脳波(SMR)の変動と脳領域活動の関連を、EEGとfMRIを併用して解析しています。慢性期の重度麻痺患者を対象とした臨床的・神経生理学的アプローチにより、神経可塑性の向上に寄与するフィードバック設計の最適化を目指しています。