東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
Murayama教授の研究室は、素粒子物理学と宇宙論の接点に焦点を当てた研究を推進しています。標準模型を超える新しい物理を、実験的・観測的証拠に基づいて最小限の自由度で構築する「最小限の新標準模型」の構築を柱とし、ダークエネルギー、ダークマター、ニュートリノ質量、ビッグバンにおける物質対称性の破れ、インフレーションなど、現代宇宙論の核心的問題を統合的に扱います。特に、右隠れニュートリノの超対称的超パートナー(右隠れ sneutrino)をインフレーションのインフレートンとして採用するモデルにより、観測された密度揺らぎと太陽ニュートリノ問題の解釈を自然に説明します。
Takashi Yoshida教授の研究室では、淡水環境に生息するシアノバクテリアとその宿主特異的バクテリオファージの生態・遺伝学的特徴を解明することを主眼としています。特に、有害なブルームを引き起こすマイクロシスティス・アエルギナーサに感染する新規クロラノフィージMa-LMM01の形態・ゲノム構造・増殖特性を解明し、淡水生態系におけるウイルスの役割を解明しています。また、環境中でのバクテリオファージの動態とその微生物群集への影響についても、分子生物学的手法を用いて系統的・機能的アプローチを展開しています。
Momoko Nishikori教授の研究室は、特にリンパ球由来のがん、特にALK陽性ALCLやホジキン lymphomaの発症メカニズムを、シグナル伝達経路や転写制御の観点から解明しています。B7-H1やBCL3、NF-κB経路の異常活性化が腫瘍免疫逃避や細胞生存に与える影響を分子レベルで解明しており、がん治療の標的としての可能性を追求しています。また、H/RS細胞に特徴的なCCL17の発現制御や、PCNSLにおけるRegulatory B細胞様マーカーTim-1の発現など、腫瘍微小環境と免疫逃避の関連についても革新的な知見を提供しています。
Daido教授の研究室では、トポロジカル超伝導体や非対称スピンオービタル結合を介した非可逆性を特徴とする新しい超伝導状態の理論的解明を主眼としています。特に、非中心対称系におけるスピンスィングル超伝導体のゼーマン場応答や、結晶対称性とトポロジーの複雑な対応関係を解明する研究が進んでいます。また、電気四極モーメントやキラリティ極化といった新しい秩序パラメータの定式化も行い、物質の新奇な量子相の理解を深めています。
Yoshiki Chujo教授の研究室は、有機・無機ハイブリッド材料としてのポリヘキサシルセスクオキサン(POSS)やオルガノボロン錯体、カルシウル化合物を核とした新規機能性ポリマーの設計・合成を柱としています。特に、分子レベルでの構造制御とその発光・電気的性質の制御を目的とし、AIE(凝集誘起発光)やTICT(ねじれ型内殻電荷移動)発光といった新規な発光メカニズムの解明にも貢献しています。また、ボトムアップなアプローチによる高次構造の創出と、次世代の有機エレクトロニクスやセンサー材料への応用を目指した研究が進められています。
Verdad C. Agulto教授の研究室では、テラヘルツ波を用いた半導体材料の非破壊特性評価に注力しています。特にGaNやSiC、β-Ga₂O₃などの Wide Bandgap 半導体において、高精度なキャリア密度や誘電関数の測定を実現するTHz時間領域分光法(THz-TDS)やTHz時間領域偏光計測(THz-TDE)の応用を進めています。また、骨や腎結石の成分分析にもテラヘルツ分光を応用し、医療分野における材料同定の可能性を追求しています。
Tomofuji教授の研究室は、腸内マイクロバイオームとウイルスープローム(腸virome)の機能的役割に注目し、自己免疫疾患や代謝疾患の発症メカニズムをメタゲノム・メタトーム解析によって解明しています。特に日本人集団を対象とした大規模なメタゲノム解析を通じて、食文化と関連する特異的微生物群の同定や、個人の遺伝情報が便由来データからどれほど再構築可能かの定量的評価も行っています。また、単一細胞RNAシーケンシングを用いたX染色体不活性化の解析技術開発など、ゲノム・スケールのバイオインフォマティクス的手法の開発にも貢献しています。
宮崎裕司教授の研究室では、酸化コバルト系およびマンガンケイ化物系の複合結晶を対象に、高効率な熱電材料の開発をめざした研究を行っています。特に、層状構造を有する酸化物やケイ化物のスプライス構造やミスフィットパラメータの制御を通じて、電気伝導度とゼーベック係数の両立を実現する材料設計が中心です。また、不純物置換や相分離の制御によって、熱伝導率の低減と電気的特性の向上を同時に達成する手法の開発も進めています。
Motoyuki Murashima教授の研究室では、摩擦・摩耗・接着性の制御を核とした機能表面工学を専門としています。特に、カーボンファイバー強化プラスチック(CFRP)やセラミックス成形における成形性・生産性向上を目的に、ナノテクスチャーやDLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン)コーティング、電場制御による界面特性制御の研究を進めています。これらの技術は、機械部品の長寿命化と省エネルギー化に貢献する革新的な表面処理技術の開発をめざしています。
Yasuko Tatewaki教授の研究室は、神経変性疾患と代謝疾患の関連に注目し、特にアルツハイマー病(AD)と2型糖尿病の神経代謝的連関、ならびに脳内での炎症制御メカニズムの解明を主な研究テーマとしています。特に、神経保護性リピジッドメディエーター(SPMs)や脳のエネルギー代謝、骨密度と脳の萎縮の関連性といった、神経変性の予防的・病態修飾的アプローチを追求しています。また、眼・脳間の病変の画像診断的特徴の解明にも貢献しています。
T. Harada教授の研究室では、酸化物半導体と金属酸化物の界面に着目し、高機能な酸化物 heterostructure の構築を進めています。特に、PdCoO₂を用いた高導電性スピンフィルター、β-Ga₂O₃を用いた高耐熱性ショットキダイオード、およびPr₀.₇Ca₀.₃MnO₃を用いた抵抗スイッチング素子の開発が進んでいます。これらの研究は、次世代の高効率・高耐久型エレクトロニクスデバイスの実現に貢献するものです。
久保田光宏教授の研究室では、高温熱蓄積と温度上昇を実現するための酸化カルシウム/炭酸カルシウム反応や、銅を基体とするスピンエル・デラフォスライト系の赤酸化還元反応を活用した中高温熱化学エネルギー貯蔵材料の開発を進めています。また、アンモニアを安全に貯蔵・供給可能な金属ハロイドと反応する化学的吸着法や、エリトロールと塩化マグネシウムヘキサヒドレートを組み合わせた新規PCMの開発も行っています。これらの研究は、再生可能エネルギーの効率的利用やスマートヒーティングに貢献する革新的なエネルギー貯蔵技術の実現を目的としています。
Kimi Akita教授の研究室では、音声的象徴性(アイデオフォン、ミメティクス)の言語的・認知的・社会的側面に注目し、言語の形と意味の関係がどのように多様な言語で機能しているかを解明しています。特に、感覚的イメージを豊かに表現する語彙が、文法的統合性と表現的強度の逆関係にあること、そしてその象徴性が言語の進化や習得にどのように関与するかを、日本語のコーパスデータやマルチモodalな会話データを用いて分析しています。
Morten Thaysen-Andersen教授の研究室は、質量分析を基盤としたグリコプロテオミクスの発展に貢献しており、特にN-グリコシル化の構造的多様性とその機能的意義を解明することを主眼としています。近年では、がんや炎症関連疾患における特異的グリコシル化様式(特にパウシマンノシル化)の同定や、質量分析法による定量的解析技術の確立を進めています。また、臨床的バイオマーカーの同定や、グリコタンデム質量分析法を用いたグリコプロテオームの包括的スクリーニングも展開しています。
Matsumoto教授の研究室は、合成生物学的手法を駆使して、バイオプラスチックであるポリヒドロキシアルカノエート(PHA)の効率的生産とモノマー制御を目的としています。特に、PHA合成酵素(PHA synthase)の directed evolution を通じた機能強化や、キメラ酵素の設計により、短鎖長・中鎖長PHAの合成能を向上させています。また、安価な糖を原料とする微生物によるPHA生産系の構築や、新規モノマーを組み込んだ高機能性バイオポリマーの開発にも取り組んでいます。
So Noguchi教授の研究室は、高温超伝導磁石の設計・開発を柱としており、特にREBCO酸化物超伝導体を用いた高機能磁石の高効率化と安全性を追求しています。no-insulation(NI)巻回技術を活用した自己保護特性を持つ超伝導コイルの設計や、Bi2223/Agテープを用いた高エネルギー密度SMES磁石の最適化に取り組んでいます。また、磁気共鳴画像法(MRI)や核磁気共鳴(NMR)向けの高精度磁場制御技術の開発も進めています。
広瀬紀和教授の研究室は、特にアスリートの身体的特性と運動パフォーマンスの関連に注力しており、成長期のサッカー選手における発達段階や身体サイズの違いが、将来のプロ選手としての可能性にどう影響するかを解明しています。また、筋活動のEMG測定を用いた筋肉の働きの違いや、短時間で効果的な運動再開法の検証など、実践的で臨床的応用価値の高い研究が特徴です。特に筋力・筋機能の評価と怪我予防への応用が目立っています。
福幡善信教授の研究室は、宇宙の若き星形成銀河における宇宙ダストの性質とその光度・温度分布を、アルマ電波望遠鏡を用いた遠赤外・ミリ波長連続スペクトル観測によって解明しています。特に、赤方偏移z ≒ 3〜6の銀河におけるUVスペクトル傾き(β)と赤外過剰(IRX)の関係から、銀河のダスト減光特性を定量化しており、初期宇宙の星形成メカニズムの理解に貢献しています。また、[CII]線やミリ波長連続スペクトルのスタッキング解析を通じて、銀河の構造的・化学的性質の赤方偏移依存性を解明する研究も進めています。
Kogure教授の研究室は、大気圏上層部における重力波や波動現象の観測・数値解析を通じて、地球の大気循環や熱層の力学的・熱力学的挙動を解明することを目的としています。特に、南極地域の成層圏突然温暖化や山波、潮汐波の異常増強といった現象に注目し、人工衛星データと地上観測、再解析データを統合して波動の発生・伝播・消散機構を解明しています。また、CO₂増加に伴う熱層の風応答や、極域大気のエネルギー収支に関する理論的・数値的アプローチも展開しています。
Miwa教授の研究室では、分子スピンデバイスや低消費電力スピントロニクスの実現を目指し、ナノスケールの磁性・電気的性質の制御を主なテーマとしています。特に、金属/半導体界面における電場誘起磁気モーメントや、カーボンナノ材料を用いた室温でも動作する磁気抵抗効果の発現を解明しています。また、キラル分子を用いたスピン選択的輸送現象や、酸化物スピンタニルジャンクションにおける電場制御磁気異方性効果のメカニズム解明にも取り組んでいます。