東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
伊賀良健史教授の研究室は、NAD⁺代謝と細胞老化の関連を解明する分野に注力しており、特に腸管幹細胞の機能低下とNAD⁺/SIRT1/mTORC1シグナル経路の変化に着目した研究を推進しています。また、動脈硬化関連の酵素NCEH1の機能解明や、NMNによる若返り効果の臨床的検証など、老化関連疾患の予防・治療に向けた翻訳的アプローチも展開しています。その基盤には、代謝制御と細胞恒常性の維持に寄与する分子機構の解明が根ざしています。
Terutsuki教授の研究室は、バイオハイブリッドセンシング技術とマイクロ・ミクロデバイスの開発を柱としています。特に、昆虫の臭覚受容体を用いた高感度・高選択性なガスセンサーや、生体適合性の高い有機電極を組み込んだ神経刺激デバイスの開発が進んでいます。さらに、3Dプリンティングを活用したバイオミメティックな液体デバイスや、小型ドローンに統合可能なリアルタイム臭覚センシング技術の実用化にも取り組んでいます。
王裕生教授の研究室では、水中環境における高精度な3次元認識とナビゲーション技術の開発を主眼としています。特に、音響カメラ(アクウスティックカメラ)を用いた水中3次元マッピングや、歩行者向けのインertialナビゲーションにおける誤差補償技術の研究が進んでいます。水中の視認性に劣る環境下でも高解像度な画像を取得できる音響技術の応用と、そのデータを活用した環境再構築や自己位置推定の向上が研究の柱です。
Xue Qu教授の研究室は、中国をはじめとするアジア諸国における稲作の収穫損失に焦点を当て、機械化・請負サービスの導入が損失に与える影響を定量的に分析しています。特に、中小農家と専業農家の間での損失格差、機械化による作業態度の変化、および請負サービスにおけるモラルハザードのメカニズムを、大規模な実証データを基に解明しています。環境制約のもとでの食料安全保障の実現に向け、政策的インサイトを提供する応用的農業経済学的研究が特徴です。
東田学教授の研究室は、自動運転車両とインfraストラクチャーの連携を核とした次世代交通システム(ITS)の実現を目指しています。特に、V2X通信を活用した協調認識技術や、道路側端末(RSPU)を用いたインfraベースの協調センシングの実装に注力しています。また、OpenC2X や AutoC2X といったオープンソースソフトウェアの開発を通じて、実証環境の構築と技術の普及を推進しています。
石井貴美教授の研究室は、幹細幹細胞を用いた再生医療、特に肝細胞への分化誘導とその応用に焦点を当てています。ヒト胚性幹細胞や induced pluripotent stem cells (iPSCs) を用いた肝芽洞形成の最適化や、ラットのデセルキュレーション肝スキャフォールドを用いた人工肝の構築にも成功しています。また、肝癌の病態解明や、がん幹細胞のメタスタシス機構に関する研究も並行して進められています。
Noda教授の研究室は、エボラウイルスやインフルエンザウイルスをはじめとする動物ウイルスの構造生物学に焦点を当てており、特にウイルスのリボヌクレオ蛋白質複合体(RNP)や構造タンパク質の自己集合機構を電子線 microscopy や生化学的解析を用いて解明しています。ウイルスの包装・成熟・放出のメカニズムを構造的・機能的に解明することで、感染制御の新しい標的の同定を目指しています。
Patrick Ocheja教授の研究室は、ブロックチェーン技術を活用した教育分野のデジタル記録管理に注力しています。特に、成績証明書や単位履歴にとどまらない、学習の質や学習プロセスそのものを可視化・恒久保存する「学習ログのブロックチェーン化(BOLL)」を実現するプラットフォームの開発を進めています。学習履歴の分散型管理とスマートコントラクトによるアクセス制御により、教育機関間での学習成果の相互運用性を高めることを目的としています。
Kazunori Sugiyasu教授の研究室は、光エネルギー変換や有機エレクトロニクスに応用可能な機能性超分子材料の設計・創出を主眼としています。特に、ナノスケールの自己組織化構造(例えば、有-organoゲルや超分子ポリマー)を用いた光吸収・エネルギー移動系の構築や、電荷輸送を効率化する新しい分子設計(例:サイクル性サイドチェーンを有するポリチオフェン)に注力しています。また、生物模倣のアプローチを用い、多成分超分子系の秩序ある機能的統合を実現する新規合成戦略の開発も進めています。
Christopher C. Y. Yang教授の研究室は、eラーニング環境における学習行動の分析と、それを基にした知能的な学習支援技術の開発を主軸としています。特に、eブックリーディングシステムにおける学習痕跡の継続的管理や、プレビュー用教材の自動推薦、生成型AIを活用したプログラミング教育支援の仕組み構築に注力しています。学習行動データを活用した学習パフォーマンスの予測や、自己効力感・自己規制学習戦略との関連解明も行っています。
大敷貴孝教授の研究室は、有機金属化学を基盤とし、特にパルミットやプラチナを含む多金属カルボニル錯体を用いた新規高分子の設計・合成を主眼としています。特に、アリルハライドとフェノール・アルコールの不斉置換反応による光学活性なアリルエーテルの合成や、イソシアネイドの連鎖的重合によるヘリカル構造を有する高分子の創出が顕著です。また、金属錯体を用いた立体選択的で「生重合」可能な反応系の開発も進んでいます。
Tetsuya Matsubayashi教授の研究室は、社会的・政治的要因が政策形成や市民の政治的態度に与える影響を、主に比較政治と政治心理学の視点から解明しています。特に、人種的多様性や民主主義の規模、経済危機への政策的対応が、市民の政策支持やメンタルヘルスにどのように作用するかを、大規模な統計データを用いて分析しています。また、教育制度のスケジュールや相対的年齢差といった社会的要因が、個人の行動や健康に与える影響についても探求しています。
伊勢原淳紀教授の研究室では、全固体リチウムイオン電池や二次電池の高性能化を目的として、界面電気化学とナノ材料の設計に注力しています。特に、固体電解質界面におけるリチウムイオン移動のメカニズム解明や、酸化物・硫化物系電極材料の構造・反応挙動の解明が中心です。操作的X線回折や四電極系測定を用いたリアルタイム観察技術の開発も進めており、電池の劣化機構の解明と性能向上に貢献しています。
西澤直美教授の研究室では、半導体と磁性金属を組み合わせたスピントロニクス・光デバイスの開発を柱としています。特に、外部磁場を用いずに室温で高純度な右旋・左旋円偏光光を発生させるスピンLEDの実現に成功しており、医療分野への応用も視野に入れています。また、生体組織のスキャッタリング光の円偏光度に由来する病変の検出技術の開発も進められており、非染色・非侵襲的ながん診断技術の実現を目指しています。
Kobayashi研究室では、柔軟で軽量なテンセグリティ構造を応用したソフトロボットの開発を主眼としています。特に、未知の環境において自己適応的に移動・変形できるアクティブなソフトマニピュレーターの設計と制御に注力しており、人工筋の新構造やモジュラー化技術を駆使して、伸縮・ねじり・曲げ変形を高効率に実現する新規アクチュエータの開発を進めています。また、生物学的筋肉のメカニズムを模倣した高効率な線形アクチュエータの開発も進め、宇宙探査や災害現場での応用を見据えた次世代ソフトロボットの実現を目指しています。
Yuriko Osakabe教授の研究室では、植物が乾害や塩害などの環境ストレスに適応する分子機構に注目し、特にアブシシン酸(ABA)シグナル伝達や膜輸送系の制御メカニズムを解明しています。特に、受容体キナーゼやK⁺トランスポーターを介した細胞内イオンバランスの維持、およびストレス応答におけるホルモン調節の役割を分子・遺伝子レベルで解明しています。また、CRISPR/Cas9を用いた精巧なゲノム編集技術の開発も進め、ストレス耐性を高めた植物の創出を目指しています。
Kawabe教授の研究室は、T細胞の免疫調節機構に焦点を当てており、特にナチュラルキラー様の機能を示す記憶型T細胞(MP細胞)の発生・機能制御と、そのシグナル伝達機構を解明しています。特にT-bet高発現サブセットがインターロイキン-12に依存して産生される効果細胞としての役割を明らかにし、自己免疫や感染防御における役割を解明しています。また、腸管におけるT細胞の臓器特異的ホメオスタシスや、IgE受容体の細胞内制御機構についても革新的な知見を提供しています。
Hao Wang教授の研究室は、ナノスケールの磁性酸化物や機能性ナノ材料を対象に、低温で形成されるスピンガラス相やコアシェル構造の磁気的性質を解明しています。特に、Fe₃O₄ナノコンパクトにおける交換バイアス効果や冷却磁場依存性の臨界現象を詳細に分析しており、磁性の制御と応用に貢献しています。また、光機能性材料やグラフェン系ナノコンpositesの開発を通じて、バイオセンシングや医療診断への応用も目指しています。
佐藤義隆教授の研究室では、ウイルスと宿主細胞の相互作用に注目し、特にエプスタイン・バーグ・ウイルス(EBV)が宿主のp53シグナルを巧みに制御することでウイルスの増殖を促進するメカニズムを解明しています。特に、BZLF1タンパク質がp53を標的にするユビキチン-プロテアソーム系を介した分解を促進する新たなユビキチンリガーゼ複合体の形成を明らかにしました。また、ウイルスリソースの活性化に伴うDNA損傷応答とp53のリン酸化が、ウイルスの生存戦略にどのように利用されるのかも解明しています。
伊東隆史教授の研究室は、T細胞リンパ腫や成人T細胞白血病(ATL)をはじめとするT細胞腫瘍の病態解明と新規治療戦略の開発を柱としています。特にCCクエン酸受容体4(CCR4)の機能とその腫瘍免疫逃避への役割に注目し、CCR4を標的にした抗体療法(モガムリズマブ)の臨床的有効性や、腫瘍微小環境における免疫調節機構を解明しています。また、腫瘍細胞の自己免疫逃避機構や、白血球の移動・浸潤メカニズムに関する基礎的・臨床的研究を統合的に行っています。