東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
Rui Zhong教授の研究室は、大規模で高コストな最適化問題(LSEOPs)やノイズ環境下での最適化に特化したメタヒューリスティックアルゴリズムの開発を主眼としています。特に、分散型最適化フレームワーク(Cooperative Coevolution)やアンサンブル型サロゲートモデルを活用し、探索(exploration)と開拓(exploitation)のバランスを向上させる新規アルゴリズムの設計に注力しています。Q学習やハイブリッド戦略を用いた意思決定機構の導入により、最適化プロセスの自己学習能力を高め、局所最適解の脱出や多様性の維持を実現しています。
黒田晋也教授の研究室は、細胞内シグナル伝達のダイナミクスに注目し、特にタンパク質のリン酸化修飾と代謝物の変動を時間分解能をもって解析することで、ホルモンや成長因子が細胞の恒常性をどのように制御しているかを解明しています。インスリンシグナルの動的代謝プロファイルや、Cdc42/Rac1が制御する細胞骨格・極性機構の分子メカニズムについて、プロテオーム・メタボローム統合解析と計算モデルを駆使して研究を進めています。特に、シグナルの時間的パターンが細胞応答に与える影響に焦点を当てており、神経可塑性や代謝制御の基盤を解明することを目指しています。
M. Koike教授の研究室では、大気化学と気象学の分野において、地上観測と数値モデルを融合した大気中における化学種の変化を解明しています。特に、火山噴煙に伴うオゾン層破壊に関連する窒素酸化物(HNO₃)の変化や、極域における低層雲の微粒子濃度と気溶膠の関係を、長期間にわたる観測データを基に分析しています。また、大気中の一酸化炭素(CO)の季節変動やその起源を、FTIR観測と化学輸送モデルを用いて評価しています。
Tomoki Kuwahara教授の研究室では、パーキンソン病やリューマン病をはじめとする神経変性疾患の発症メカニズムを、ショートレンジのモデル生物・ショートレンジのCaenorhabditis elegans(線虫)を用いて解明しています。特に、α-シヌクレインやLRRK2、RAB7L1といったパーキンソン病関連遺伝子の機能と、それらが細胞内オルガネラ(リソソーム・エンドソームなど)の膜動態に与える影響を、遺伝子スクリーニングやリン酸化修飾の解析によって解明しています。また、リソソームストレスがLRRK2のRabリン酸化を促進するメカニズムの解明にも注力しており、神経変性の原因となる細胞内バランスの崩壊に迫っています。
本研究室では、脳オルガノイドを用いた神経発達および疾患モデルの研究を推進するとともに、その機能的評価技術の開発に注力しています。特に、ヒト由来の3次元神経組織における意識の可能性や倫理的課題の解明を柱として、科学的知見と社会的責任の両立を目指した研究を展開しています。また、医療分野におけるAIの活用や、メディア報道のあり方についても包括的な考察を進めています。
山崎誠教授の研究室は、消化器がん、特に食道がんや大腸がんの治療抵抗性や転移メカニズムの分子機構を解明することを主眼としています。特に、抗がん薬感受性に関与する膜タンパク質(例:MRP2)や治療後の予後予測のバイオマーカーとしてのリンパ節反応の意義を、遺伝子発現プロファイルや臨床的解析を用いて研究しています。近年の研究では、化学療法の有効性や再発・転移の予後因子に関する知見を提供しており、がん治療の個別化に貢献しています。
Abhishek教授の研究室は、地球システムの水循環と環境汚染のメカニズムを、人工衛星データ(GRACE/GRACE-FO)と地上観測データを統合して解明する分野に従事しています。特に、インドやタイの河川流域における水収支の変動、干ばつ・洪水の評価、地下水の変化を精密に把握することを目的としています。また、環境中の持続的有機汚染物質(PAHs、PCBs)や重金属のリスク評価、ナノ材料を用いた環境浄化技術の開発にも取り組んでいます。
Yunping Li教授の研究室では、金属材料の加工挙動と微視的変形メカニズムの解明を柱として、特に希土類元素添加Mg合金や高張力鋼における塑性加工挙動と摩擦挙動の高精度な評価に注力しています。特に、表面から容易に滑り系を同定できる新規分析手法(ST-MLRA)の開発や、非定常摩擦係数の時間的変化を実験的に定式化する取り組みが顕著です。これにより、大延性を示すMg-Gd合金の非原子面滑りの寄与や、熱間鍛造プロセスにおける摩擦補正が可能となり、材料成形の精度と効率化が図られています。
Shiro Imagama教授の研究室は、脊椎・脊髄疾患の治療成績向上を目的として、特に頸椎椎板形成術後の合併症であるC5 palsyの発症メカニズムの解明に注力しています。画像診断(CT・MRI)を用いた解剖学的特徴の比較や、神経機能回復を促す糖亜鉛の生物学的役割の解明も進めています。加えて、高齢者の生活習慣や筋萎縮、慢性炎症との関連についても、QOL向上に資する予防的・治療的戦略の確立を目指しています。
Ratnak Sok教授の研究室では、内燃機関の燃焼特性と効率向上を目的とした数値シミュレーション・実験的アプローチを展開しています。主に、反応機構の簡略化・検証、バーチャルセンサ技術の開発、および燃焼モデルの高精度化に注力しており、特にレディオカル・スパーク・イグニッション(SI)エンジンにおける超希薄燃焼やリーンブースト技術の最適化をめざしています。また、排熱回生技術(テルミオエレクトリックジェネレータ)の統合による燃費・排出ガス改善の可能性についてもモデルベースで評価しています。
Sihui Ma教授の研究室は、運動と栄養が体の炎症・酸化ストレス反応に与える影響を解明する分野に注力しています。特に、運動による急性的損傷とそれに伴う全身炎症反応のメカニズム、ならびに食物由来の抗炎症・抗酸化物質(例如:サルフォルファラン、ナッツ由来ペプチド)の生理的効果を分子レベルで解明しています。また、食事パターン(地中海食、ケトジェニックダイエットなど)とメンタルヘルス、がん細胞への選択的効果についても、細胞・マクロファージモデルを用いて研究を進めています。
田貫麻呂教授の研究室では、主に核磁気共鳴(NMR)分光法を応用し、生体分子の構造・動態およびその酸解離挙動を解明する研究を行っています。特に、ヒスチジンを含むペプチドのpKa値と化学シフトの関係をNMR滴定法で解析し、分子内相互作用の影響を定量的に評価しています。また、緑コーヒー抽出物のような複雑混合物の成分同定・定量に対しても、高次元NMR技術を駆使した分析手法の開発を進めています。
Yoshihiro Masuda教授の研究室は、石油・ガス分野におけるプロセス最適化とナノスケールの物性理解を柱としています。特に、ポリマーフローディングやメタン・エタン混合ガスの水和物形成挙動、CO₂と水の共存下でのケイ酸塩鉱物の膨張挙動といった、産業的応用が期待されるマルチスケール・マルチフラクチュアルなプロセスを分子動力学的シミュレーションと実験を融合して解明しています。また、アスファネンの界面挙動やドリルフィーリングの搬出挙動についても、流体の非ニュートン性や界面特性に着目した基礎的研究を展開しています。
Jason Kristiano教授の研究室では、インフレーション理論と初期宇宙の量子揺らぎに注目し、原始ブラックホールの形成機構やその背景となるスケール分離のメカニズムを、量子場理論的アプローチで解明しています。特に、第二スローロールパラメータの急遷移を伴うモデルにおける1ループ補正や、超スロー・ロール期における曲率パワースペクトルとバイスペクトルの計算を通じて、小スケールの非線形性が大スケール宇宙背景放射に与える影響を理論的に解明しています。また、Maldacenaの定理に従う非ガウス性の生成や、非摂動的相互作用の寄与についても詳細に分析しています。
ピョートル・デ・シルバ教授の研究室は、電子構造理論と電子密度解析を基盤に、分子内の化学結合や非共有相互作用の可視化・定量を得意としています。特に、密度重なり領域を示すDORIや、軌道情報を必要としない電子密度に基づく局在性評価手法(SEDD)を開発し、超分子化学における電子的コンパクト性の理解を深めています。また、有機発光デバイスの高効率化に不可欠なTADF(熱的に活性化された遅延発光)のメカニズム解明にも貢献しており、電子状態の遷移とエネルギー差の制御を理論的に探求しています。
森岡慎一郎教授の研究室は、ウイルス感染に伴う長期的合併症のメカニズム解明を柱としており、特にコロナウイルス感染後の持続性症状や脱毛(アロペシア)の原因を臨床的・生物学的視点から解明しています。また、感染症の早期診断や治療効果の評価に関する客観的基準の確立にも貢献しており、特にコクサックウイルスBの血液感染症における病原性の判定基準の検証を行っています。さらに、ウイルスのウイルス脱落期間やHIV感染が感染拡大に与える影響の解析を通じて、感染制御戦略の高度化を目指しています。
本研究室では、加齢に伴う嗅覚機能の低下とその神経生物学的メカニズムを、マウスを用いた神経新生・細胞死の動態解析を通じて解明しています。また、COVID-19に伴う嗅覚障害の回復を促す嗅覚トレーニングの有効性や、その背後にある植物由来化合物の作用メカニズムについても、精油の成分と生物学的活性の関連を解明しています。さらに、漢方薬に用いられる甘草(ライコリス)の系統的同定と成分多様性の解明も進め、DNAマーカーを用いた分子的同定法の確立を目指しています。
福澤香織教授の研究室では、量子化学的手法を応用して生体分子間の相互作用を高精度で解析する研究を展開しています。特に、フラグメント分子軌道法(FMO)を用いたタンパク質・リガンド相互作用のエネルギー的解明や、がん治療薬の作用機構の理解を目指したエストロゲン受容体のリガンド親和性評価が中心です。また、宇宙空間における有機分子の生成経路の理論的解明や、研究データの共有を目的としたFMOデータベースの構築・公開も進めています。
阿部隆哉教授の研究室は、計算生物学とバイオインフォマティクスを基盤とし、特にタンパク質間相互作用の解明や創薬のための分子シミュレーション、高速な遺伝子配列解析手法の開発を主な研究テーマとしています。特に、タンパク質ドッキングや分子動力学シミュレーションを用いた膜透過性を有するサイクルペプチドの設計、およびメタゲノム解析における高速同義検索アルゴリズムの開発が顕著です。これらの研究は、がんや難治性疾患の標的療法に向けた新薬開発の基盤を提供しています。
Albert Escrivà教授の研究室は、初期宇宙における原始ブラックホール(PBH)の形成メカニズムに注目し、特に球対称な密度揺らぎがどのようにしてブラックホールへと崩壊するかを数値シミュレーションと解析的アプローチで解明しています。主に放射支配の宇宙背景下でのPBH形成閾値の普遍性や、非ガウス性、QCD転移付近での状態方程式の変化が質量関数に与える影響を研究しており、宇宙論的観測と理論の橋渡しを狙っています。