東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
Masaki Satoh教授の研究室は、大気循環の高分解能シミュレーションを柱とし、特に非圧積分型グローバル大気モデル(NICAM)の開発と応用に注力しています。1kmスケールの水平分解能を持つグローバル雲解決モデル(GCRM)を用いた、熱帯対流と雲の多スケールダイナミクスの解明が主な研究テーマです。また、放射冷却と対流加熱のバランスを仮想的に再現するRCE設定における気候感度や対流自己集合のメカニズムの解明も進んでいます。
Ryo Yoshida教授の研究室では、自己振動型ポリマーおよびスマートゲルの開発に注力しています。特に、Belousov-Zhabotinsky(BZ)反応を用いた化学的エネルギーから機械的・物理的運動を直接変換する自己駆動型ゲルの創出が特徴です。温度応答性ポリマーと触媒を組み合わせた新規ゲルは、周期的な膨潤・収縮を自発的に繰り返し、医療分野でのパulsatile薬物送達やバイオミメティック材料の実現に貢献しています。
Jia教授の研究室では、腸内微生物叢と宿主の代謝・免疫応答の相互作用に注目し、特に卵殻膜(ESM)の健康効果を解明しています。腸内環境の改善や炎症性疾患、がん関連悪液質(前悪液質)の予防・緩和に寄与するESMの機能を、細胞・動物モデルを用いて分子メカニズムから解明しています。また、果樹の生育と果実品質向上に関する土壌・肥料管理の最適化についても併せて研究しています。
Hirokazu Takahashi教授の研究室では、脳の神経活動を高精度で計測・解析するためのマイクロエレクトロードアレイ技術を基盤とし、特に聴覚皮質のトノトピック組織や神経可塑性のメカニズムを、動物モデルを用いて解明しています。特に、音刺激に対する神経応答の時間的・空間的ダイナミクスや、自発的活動が示す秩序あるパターン生成機構に注目し、脳の情報処理メカニズムを実験的に解明しています。また、神経ネットワークの自己組織的挙動を活用した物理的リザボアーコンピューティングの実現にも挑戦しています。
田中耕平教授の研究室では、非線形動力学と複雑ネットワークを基盤とし、時間的・空間的変動を示すダイナミクスを解明する研究を行っています。特に、リザボア計算や結合カオス系を用いた時系列データ処理、および多様なネットワーク構造におけるダイナミクスの耐障害性(動的頑健性)の解明が主な研究テーマです。また、神経系やがん治療の動的制御など、生物学的・医療的応用にも応用を広げています。
Kiyoshi Yasukawa教授の研究室では、インターリーキン-6受容体(IL-6R)の機能解析と再結合体の精製・応用を柱とした細胞接着・シグナル伝達の分子機構を解明しています。特に、可溶性IL-6受容体(sIL-6R)の定量法開発や、その生物学的活性の評価を基盤に、炎症・自己免疫疾患のメカニズム解明に貢献しています。また、逆転錄酵素の耐熱性評価を通じて、分子生物学的技術の高度化にも取り組んでいます。
Hata教授の研究室は、臓器移植における移植後障害、特に脂肪肝由来肝 graft の保存・機能維持、抗体媒介拒絶反応(AMR)のメカニズム解明と治療戦略の確立、ならびに移植後リンパ増殖疾患(PTLD)や代謝シンドロームに伴うがん発癌の予防・メカニズム解明を主な研究テーマとしています。特に、新規保存液「Polysol」の肝保護効果や、腸からの遠隔性Ischemic Preconditioningによる肝障害軽減、ならびに非臨床的モデルを用いた疾患メカニズムの解明が進んでいます。
岸崎健教授の研究室では、格子対称性と時間反転対称性を併せ持つフェルミオン系におけるトポロジカル物質の分類を、代数的トポロジー的手法を用いて体系的に展開しています。特に、非随伴空間群対称性(例:鏡映、2回回転、スクリュー等)がもたらすトポロジカルな相転移や境界状態の構造を、 twisted equivariant K理論を基盤に解明しています。この研究は、非相互作用系においても反ユニタリ対称性がなくてもZ₂トポロジカル相を実現可能であることを示し、実験的・数値的検出手法の開発にも貢献しています。
大阪イタル教授の研究室は、有機半導体ポリマーの分子設計と結晶性制御に焦点を当てており、特にポリチオフェン誘導体を基盤にした高効率な有機トランジスタやペロブスカイト型太陽電池の開発を進めています。ナフトビスチアダイアゾールやチアゾロチアゾールなどの新規π拡張ヘテロサイクルを導入することで、bandgapの制御と電荷移動性の向上を実現しています。また、アルキル鎖の配置制御による分子配列の制御により、膜内の電荷輸送特性を顕著に改善する画期的なアプローチを展開しています。
Z. Yang教授の研究室は、特に中性子過剰核における集団的集団状態やαクラスター構造の解明を主眼としている。Be12 や ^{17}B といったボロメアン核や、Sn同位体における表面付近のαクラスター形成を、反応断面積や運動量分布の高精度測定によって直接的に実験的に示している。また、モノポール行列要素やクラスター崩壊幅の測定を通じて、強いクラスタリングと対応する強い相関効果の理解を進めている。
Kishan Kumar Nyati教授の研究室は、自己免疫疾患や神経炎症性疾患の発症メカニズムを解明することを目的としています。特に、RNA-bindingタンパク質であるArid5aがインターロイキン-6(IL-6)のmRNA安定性を調節する分子機構や、MAPK経路やNF-κBシグナルとのクロスロードを解明しています。また、ジアーブリオ・バレー症候群(GBS)におけるマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)やプロインflammatoryサイトカインの役割についても、臨床的・分子的アプローチを用いて研究を進めています。
S. Yamamoto教授の研究室は、有機半導体を用いた太陽電池や有機エレクトロニクスデバイスの基本挙動を、分子設計と微視的メカニズムの解明を通じて追求しています。特に、ペイント型有機太陽電池の起電力メカニズムや、電荷キャリアのダイナミクス、さらには有機電気化学トランジスタのニューロモルフィック特性の制御を重点的に研究しています。実験的手法として時間分解吸光度測定や等価回路モデルを駆使し、材料の電子状態とデバイス性能の関係を解明しています。
阿部教授の研究室は、胚発生期におけるエピジェネティクスのダイナミクスに注目し、特にアシストド・レプロダクティブテクノロジー(ART)がゲノムインプリンティングに与える影響を解明しています。特に、受精卵の初期発生段階におけるDNAメチル化解析を通じて、エピジェネティックな不正なプログラミングが稀な発達障害やがんに与える影響を分子レベルで解明しています。また、人工子宮内膜オルガノイドや胚様体を用いた三次元feto-maternalアセンブロイド系の構築により、受精と着床のメカニズムをリアルタイムで解析する新しいモデルを確立しています。
Maruyama教授の研究室では、植物が硫黄栄養状態に応じて精密に制御する硫酸吸収機構とその調節メカニズムを、トランスクリプトーム解析や遺伝子発現制御の分子機構を用いて解明しています。特に、SULTR1;1やSULTR1;2といった高親和性硫酸トランスポーターの発現制御、および硫黄不足条件下での遺伝子発現のスイッチング機構に注目しており、植物の栄養応答と代謝制御の分子基盤を解明しています。また、グルコシノラートの合成制御やエチレン・サイトカルリン受容体とのクロストークなど、ホルモンシグナルと栄養代謝の統合的制御も重要な研究テーマです。
Teruki Yanagi教授の研究室は、皮膚疾患および皮膚がんの分子メカニズムを解明することを目的としており、特に遺伝性皮膚疾患「ハーレクイン病」や皮膚がんにおけるがん抑制遺伝子・オントゲンの機能を、マウスモデルや細胞系を用いて分子・細胞生物学的手法で解析しています。特にABCA12やTRIM29、PCTAIRE1といったタンパク質の機能とがんや皮膚障害における役割を、遺伝子ノックアウトやRNA干渉を用いて解明しています。近年は、がん治療への応用を視野に入れたsiRNAをナノ粒子で効率的に送達する治療的アプローチの開発にも進んでいます。
張寧強教授の研究室では、ナノスケールの金属触媒、特に単原子および二原子サイト触媒の設計・合成と、その反応機構の解明を柱としています。主にCO₂還元や排ガス浄化反応を対象とし、金属の原子効率を最大化するとともに、反応選択性と安定性を高める新しい触媒材料の開発を進めています。特に、表面不斉や格子再構成を制御した触媒設計により、反応機構の理解を深め、環境・エネルギー分野の持続可能性に貢献することを目的としています。
Gracia Liu-Farrer教授の研究室は、国際教育と移住の交差する分野に注目し、中国から日本へ渡る留学生の移動と労働市場における役割を、社会的・制度的文脈の中で分析しています。特に、学生移民が「高技能労働者」としての役割を果たす仕組みや、企業における中国市場専門職の職業的ニッチの形成を、フィールドワークと統計データをもとに解明しています。国際教育が「技能移民」の代替的ルートとして機能する仕組みや、移住政策におけるスキルの社会的構築についても探求しています。
Hatsumi Mori教授の研究室は、有機半導体および有機超伝導体の結晶構造と電子状態の解明を柱としており、特にθ型BEDT-TTF塩を用いた相転移や金属絶縁体転移のメカニズムをX線回折、バンド構造計算、電気的・磁気的測定を組み合わせて研究しています。また、電力系統の安定性を高めるための高速なコンティンジェンシースクリーニング手法や、状態推定におけるトポロジーの可観測性を求める新規グラフ理論的手法の開発も進めています。
Sébastian Volz教授の研究室では、ナノスケールにおける熱伝導のメカニズムを分子動力学的シミュレーションや実験的手法を用いて解明しています。特に、シリコンナノワイヤーやグラフェンフォノニクス結晶、カーボンナノチューブ複合材料における phonon 動態と界面散乱の影響に注目し、熱伝導率の制御と向上を目的としています。また、表面に形成される表面フォノン極化子(SPhPs)が熱伝導を強化するメカニズムの実証も行っています。
Joel H. Nitta教授の研究室は、被子植物に次ぐ多様性を示すフィンガーフレーバー(フィンガーフレーバー)の系統発生と進化を、分子系統解析とDNAバーコーディングを基盤に解明しています。特に、島嶼生態系(モアエ島・タヒチ島など)におけるフィンガーフレーバーのコミュニティ構造や、胞子体と配子体の二世代交替の生態的意義に注目し、分子データと野外調査を統合した研究を推進しています。また、GenBankの膨大なDNAデータを活用した自動化された系統樹作成パイプライン開発も進めており、動的で更新可能な「フィンガーフレーバーの生命の樹(FTOL)」の構築を目指しています。