東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
Asami教授の研究室では、植物ホルモンの働きを解明するための化学的アプローチを柱としており、特にブRAシノステロイド(BR)の生合成阻害剤であるブレジノラゾールの開発とその作用機序解明を進めています。植物の矮性化を誘導する化学化合物のスクリーニングから始まり、BR代謝経路の制御機構を解明する研究が展開されています。また、化学バイオロジー的手法を用いた植物ホルモン機能の解析も重要な研究テーマです。
Uchida教授の研究室は、造血幹細胞を標的とした遺伝子治療の革新を目指しており、特に難治性血液疾患である貧血性疾患(例:好酸球性貧血、β-地中海ニューローシス)の根本的治療法の開発を主眼としています。ヒト幹細胞由来の赤血球や造血系前駆細胞の効率的生成、およびCRISPR-Cas9を用いた高精度な遺伝子編集技術の開発を通じて、安全性と効果性を両立した治療戦略の構築を進めています。特に、SIV由来のウイルスベクターを用いたハイブリッド型ベクターの開発や、ES細胞由来の「ESサック」を用いた成熟赤血球への誘導技術は、再生医療分野の新潮流を生んでいます。
Kyohei Kawaguchi教授の研究室では、重力波と電磁気的対応体の連携を核に、中性子星合体における高精度な数値相対論的シミュレーションと放射線輸送計算を組み合わせた研究を行っています。特に、重力波観測に伴う光度曲線やスペクトルの解明を目的とし、kilonovaやsynchrotron afterglowの発生機構を、磁気圧縮やr過程元素の生成と結びつけて解明しています。また、ブラックホール・中性子星合体や即時ブラックホール生成の状況における電磁的対応体の特徴を、最新の数値相対論的波形モデルと照らし合わせて予測しています。
Matsumoto教授の研究室は、アレルギー性気道疾患、特に難治性アレルギー性アスタマの病態メカニズムとバイオマーカーの解明を柱としています。特にIgE・好酸球関連のTh2型炎症や気道リモデリングのメカニズムに注目し、血清プロフェイリンやperiostinといったバイオマーカーの臨床的意義を多施設共同研究を通じて解明しています。また、オマリズマブをはじめとする生物学的製剤の治療反応を予測・評価するための個別化医療の基盤構築にも貢献しています。
Takahiro Moriyama教授の研究室では、反強磁性体のスピン制御とスピントロニクス応用を柱とした先端研究が進められています。特に、ニッケルオキサイド(NiO)のような反強磁性絶縁体を用いた高効率なスピン角運動量の伝送や、スピンホール効果を活用したスピン流の制御に注力しています。また、顔の表情認識や眼領域の高精度解析を応用した生体情報処理技術の開発も併行して行っています。
Ryou Kubota教授の研究室は、自己組織化と超分子化学を基盤とし、多成分からなるスマートなソフトマテリアル、特に自己分離型ナノファイバーを有するハイドロゲルの設計・制御を主な研究テーマとしています。特に、動的な反応ネットワークや光刺激応答性を有する自己組織化系を用いて、生物学的シグナル伝達に類似した時間的変調信号への応答を示す人工系の構築を目指しています。また、共焦点レーザー走査顕微鏡(CLSM)や電子顕微鏡を活用した構造解析により、ナノスケールの自己組織化挙動を可視化・解明する画像駆動型アプローチを展開しています。
Kazuo Akagi教授の研究室では、自己組織化するキラルな高分子と液晶の相互作用を核に、らせん構造を有するポリアセチレンをはじめとする機能性有機半導体材料の創製とその応用を研究しています。特に、円偏光発光や温度応答性スイッチング、光刺激による発光制御といった、光・電気・熱的応答性を示す新規キラル材料の開発が中心です。また、π-π相互作用と静電相互作用を活用した階層的自己組織化によるキラルな球状構造(キラルスフェリライト)の形成も世界的に注目されています。
Ohue教授の研究室は、タンパク質間相互作用(PPI)やタンパク質-核酸相互作用の予測を主軸としたインテグレーティブなバイオインフォマティクス研究を推進しています。特に、AlphaFold Multimerを活用した構造予測とコンSENSUS手法を融合した高精度なPPI予測フレームワークの構築に注力しており、実験的検証コストの低減に貢献します。また、タンパク質-RNA相互作用の予測においても、剛体ドッキングと構造データを組み合わせた予測手法を開発し、実データを用いた妥当性の検証を実施しています。
Shun Kanai教授の研究室では、スピントロニクス分野に焦点を当て、特にコアフェルバ/MgO系磁気トンネル接合(MTJ)を用いた電場誘起磁化スイッチングのメカニズム解明とその応用に取り組んでいます。磁化の高速・低エネルギー制御を実現するため、スピン転送トルクと電場効果を併用する新規スイッチングスキームの開発や、磁化プリセッションを用いた周期的スイッチングの実現が目立っています。また、FMRを用いた電場による磁気的性質の制御や、高抵抗MTJにおけるエネルギー効率の向上についても詳細な実験的・理論的分析が行われています。
Murai教授の研究室は、レオロジカルなRhカタリシスを核として、C(sp³)-H結合の脱水素的シルレーション・ゲルマニル化反応をはじめとする新しいC–H官能化反応の開発を進めています。特に、C2対称性を有するキラルジホスホラントケートリグレントを用いたエナンチオ選択的反応や、スパロ-9-シルアビフルオレーンの合成による四置換ケイ素キラル中心の構築に成功しています。また、アズレン誘導体を用いたπ拡張型ポリサイクリック芳香族炭化水素の合成や、酸・塩基応答性を示す光学・電気的性質の制御も行い、有機エレクトロニクスへの応用を視野に研究を展開しています。
Zulvikar Syambani Ulhaq教授の研究室は、神経発達と神経炎症の分子メカニズムに焦点を当てた研究を推進しています。特に、ゾウリムフィッシュをモデルとして脳内エストロゲン産生酵素(AroB)の神経新生への影響を解明しており、セロトニン作動性ニューロンの発達と内分泌系の相互作用を解明しています。また、炎症関連遺伝子の多形性と神経疾患(パーキンソン病など)や眼疾患との関連についても、メタアナリシスや遺伝子型-フェノタイプ相関解析を通じて体系的な研究を実施しています。
Aoki教授の研究室は、南極海域の海洋・氷河・気候変動の連関を解明することを柱としています。特に、南極底部水の長期的変化、海氷の挙動、および南大洋における水塊の変化と大気循環の関係を、長期間にわたる観測データを基に分析しています。近年では、南極底部水の塩分減少傾向の転換や、海氷の崩壊と熱帯太平洋の気温変動との関連など、気候変動のメカニズム解明に貢献しています。
佐藤岳夫教授の研究室では、植物が炭素(C)と窒素(N)のバランスをどのように感知し、それに対応するかという「C/N応答」の分子機構に焦点を当てた研究を行っています。特に、ユビキチンプロテアソーム系(UPS)や14-3-3タンパク質を介したリン酸化修飾が、発芽後の成長停止や花成の制御に果たす役割を解析しています。また、ATL31やATL6といったユビキチンリガーゼが、栄養状態に応じたシグナル伝達を調節する仕組みを解明しています。
伊田正樹教授の研究室は、心筋再生を目的とした直接再プログラミング技術の開発に注力しています。特に、線維母細胞を心筋細胞へと効率的に転換するためのシグナル経路や微小環境要因(成長因子、マトリックスの剛性、神経栄養因子)の解明を進めています。また、心筋細胞由来の神経栄養因子(NGF)の制御機構や、心不全における神経新生の役割についても、基礎的・応用的両面から研究を展開しています。
Satoshi Takizawa教授の研究室は、都市水資源の持続可能性と地下水中の環境問題に焦点を当てた研究を推進しています。特に、ジャカルタ都市における水道管の未整備地域の特定と、過剰な地下水のくみ上げが引き起こす地盤沈下の緩和策を、多層的データ分析を用いて提案しています。また、生理的・病理的条件下での血管緊縮ペプチドの腸管内分布と機能解明にも取り組んでいます。
D. Tsuna教授の研究室では、超新星や超新星残骸を対象とした多波長観測を通じて、恒星の死のメカニズムや元素合成のプロセスを解明することを主眼としています。特に、タイプII超新星の初期光度曲線やスペクトル変化の詳細な解析により、爆発メカニズムや恒星の内部構造に関する新たな知見を提供しています。近年の観測データを活用した迅速な追跡観測も特色であり、超新星の発生から初期発展段階の理解を深めています。
Makoto Komiyama教授の研究室は、ランタニドイオンを用いた核酸の特異的加水分解反応のメカニズム解明に加え、人工制限酵素の開発やDNAオリガミを活用したナノ構築技術の確立を柱としています。特に、DNAやRNAのサイト選択的切断を実現する化学的アプローチと、分子認識に基づく精密ナノ構造の設計が融合された「ナノアーキテクトニクス」の展開が特徴です。これにより、がん治療への応用や、標的ドラッグデリバリー、バイオセンサー開発への基盤技術が構築されています。
Eiki Takimoto教授の研究室は、心筋の肥大・リモデリングおよび心機能障害の発症メカニズムに焦点を当て、特に一氧化窒素(NO)/cGMP/PKGシグナル経路とその調節因子(PDE5、RGS2、NOS3)の心臓における機能を解明しています。高血圧に起因する圧力負荷に対する心筋の適応反応や、βアドレナリン作動薬・サイクリックGMP代謝酵素との相互作用が心機能に与える影響を、遺伝子改変マウスや生体外系系の細胞実験を用いて解析しています。特に、cGMPシグナルの局所的制御が心不全の予防や治療にどう寄与するかを基盤から解明する研究が特徴です。
Hokto Kazama教授の研究室では、ハエをモデル生物として用い、嗅覚・味覚の統合メカニズムや、報酬価値の動的評価を支える神経回路の働きを、結合接続マップ(connectome)を基盤にした神経ネットワークモデルと生体内イメージングを融合して解明しています。特に、ドーパミン神経細胞が感覚刺激の本能的価値を継続的に評価・更新する仕組みや、嗅覚刺激が味覚神経に直接作用する新たな感覚統合機構の解明を進めています。
Tsuru教授の研究室では、金属材料の微視的挙動に着目し、原子スケールのシミュレーションを基盤に、材料の機械的性質、特にひずみ・変形挙動のメカニズムを解明することを目的としています。特に、ナノインデンテーションやスクリュー型不純度の影響を考慮した不純物効果、高エントロピー合金の塑性挙動、および合金の強化機構に関する第一原理計算と分子動力学シミュレーションを融合した多スケール解析が特徴です。また、アルミニウムやマグネシウム合金の低温度脆性や加工硬化機構の解明を通じて、次世代の軽量構造材料の開発に貢献することを目指しています。