東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
Kang教授の研究室では、ミトコンドリアの遺伝子制御と酸化的損傷の修復機構に注目し、特に8-オキソ-dGTPアーゼ(MTH1)やTFAMを介したmtDNAの維持機構を分子細胞生物学的・生化学的アプローチで解明しています。年齢関連疾患やがん、心不全などの病態におけるミトコンドリアDNAの蓄積的損傷の役割にも注力しており、細胞のエネルギー産生と遺伝子安定性のバランスが健康維持に果たす重要性を追求しています。
Tanioka教授の研究室は、津波発生のメカニズムに注目し、地震による海底の垂直・水平変位が津波に与える影響を数値シミュレーションを用いて解明しています。特に、地震波の規模に比して異常に大きな津波を発生させる「津波地震」の成因として、堆積物のすべりや斜面の水平変位の寄与を定量的に評価しています。また、津波波形の逆問題解析を通じて、断層のすべり分布やプレート境界の詳細な形状を解明する研究が中心です。
Hai Jun Cho教授の研究室では、酸化物半導体やコバルト酸化物を用いた機能性酸化物薄膜のエpitaxial成長と物性制御を柱としており、特に透明酸化物半導体における高移動度実現や、深紫外線透過電極としての応用に向けた材料設計が進められています。また、熱伝導率の低減を目的とした超格子構造を有する酸化物薄膜の開発や、欠陥工学を応用した物性制御の研究も展開しています。これらの研究は、次世代のエレクトロニクス・エナジー材料の開発に貢献するものです。
Hailong Wang教授の研究室では、土木・地盤工学分野において、主に未飽和土およびベントナイトの力学的・物理的挙動に注目した研究を進めています。特に、鉄尾矿や砂質土の液状化挙動、ベントナイトの膨張圧と水分子の層間挙動の関係、および土壌水分特性の高精度な測定技術の開発が主な研究テーマです。これらの研究は、輸送事故の防止や地盤工学的安定性の向上に貢献する応用的意義が高く、国際的・産業的ニーズにも応える内容です。
Hideyuki Maki教授の研究室では、グラフェンやカーボンナノチューブをはじめとする次世代ナノ材料を活用した光エレクトロニクスデバイスの開発を主軸としています。特に、シリコン基板上に統合可能な高速・高効率な光発生素子や、グラフェンを用いたオンチップ光スイッチの実現を目指しており、通信波長帯での応用が期待されます。また、ナノスケールの物性を制御するための電流駆動プロセスや、表面修飾による半導体ドーピング効果の解明も進めています。
Shinohara教授の研究室は、主に海洋地震学と地球内部構造の解明を目的としており、特に海底における地震観測技術の開発と応用に注力しています。DAS(分散型振動センシング)を用いた高密度な海底地震観測や、オーシャンボトムセイスモメーター(OBS)を用いた大規模な後震観測により、地震の発生メカニズムや断層の幾何学的特徴を精密に解明しています。特に東北地方沖地震や中越沖地震を対象とした観測は、地震活動の空間的・時間的分布を高精度に捉える画期的な成果を上げています。
Marty Kwok-Shing Wong教授の研究室は、顕著な環境適応能力を示す魚類の osmoregulation(浸透圧制御)機構に焦点を当て、特に海水への移行に伴うイオンバランスの維持やホルモン・酵素系の進化的・分子的基盤を解明しています。eDNAを用いた環境モニタリング技術の向上や、カリックレイン・キニン系やアンジオテンシン系の進化的展開についても、系統解析と分子生物学的手法を融合して研究を推進しています。特に、ナトリウムの非浸透的結合分子が塩濃度変動に耐える仕組みとして果たす役割の解明は、顕著な新規分野の開拓です。
高良博之教授の研究室では、植物の形態形成と進化のメカニズムに焦点を当て、特に水生植物における異型葉形成(ヘテロフィリー)の発生的・分子的基盤を解明しています。また、 echinoderm( echinodermata)の発生的骨格形成の進化をモデルとして、新規形態の獲得に伴う遺伝的・発生的シグナルの再利用(コ-optation)の仕組みを解明しています。これらの研究を通じて、形態の可塑性と進化のメカニズムの解明を目指しています。
Yoshito Tanaka教授の研究室は、プラズモンナノ粒子を用いた光場制御とナノスケールの光学的操作を核とする研究を展開しています。特に、ナノメートルスケールの光トラップや超解像光学力学を利用したナノマシンの創出をめざしており、光によるナノ粒子の配列制御や、プラズモン励起による指向性光散乱の制御が主な研究テーマです。これにより、次世代のオンチップ光回路やナノオプトメカニカルデバイスの実現に貢献することを目的としています。
佐々木一衛教授の研究室は、技術の進化や産業構造の変化を予測・分析するためのデータ駆動型研究を展開しています。特に、特許情報や学術論文、企業取引データを活用した機械学習・ネットワーク分析手法を用いて、技術の分岐や新分野の出現を予測する研究が特徴です。分野横断的で複雑化する技術の流れを、階層的構造や因果関係を考慮したモデルで解明することを目指しています。
Ai Kuzumi教授の研究室は、線維化や自己免疫反応に関与するサイトコイニンや自己抗体の機能解明を柱として、全身性エリテマトーデスや強皮症(SSc)を代表とする自己免疫疾患の病態メカニズムを分子レベルで解明しています。特にIL-31やIL-34といったサイトコイニンの役割、ならびに自己抗体の高感度スクリーニング技術の開発に注力しており、臨床応用に結びつく新規バイオマーカーや治療標的の同定を目指しています。
Sato教授の研究室は、確率的最適化とベイズ推論を統合するための統計的機械学習手法の理論的・実装的基盤を確立しています。特に、SGLD(確率的勾配ランジュバンダイナミクス)の収束性解析や、階層的ディリクレ過程に基づくトピックモデルの効率的推論手法の開発が特徴です。また、大規模データストリームにおけるオンラインLDAや、ペairwiseな類似性・相違性を活用する半教師ありクラスタリングの理論的枠組みの構築にも貢献しています。研究は、計算効率と推論の精度の両立を追求する、実用的で理論的裏付けのある機械学習アルゴリズムの開発を柱としています。
黒田大輔教授の研究室では、がん患者の栄養状態を評価する新規指標「CONUT」の臨床的応用や、がん治療における次世代抗体薬の開発を支援するコンピュータ支援抗体モデリング技術の開発を進めています。特に、抗原認識の中心を占めるCDR-H3領域の構造予測に注力し、その多様性を解明するための分類法の刷新や、抗体の構造と機能の関係を解明する研究が特徴です。また、生体適合性に優れた高窒素ステンレス鋼の腐食抵抗性評価など、医療材料の開発にも取り組んでいます。
Hirokazu Tanaka教授の研究室は、脳が運動をどのように学習・制御しているかを解明することを目的としています。特に、視覚と運動のずれに対する適応や、内部の前向きモデル(forward model)が運動制御に果たす役割に注目しており、神経生理学的・行動的・計算モデルの統合的アプローチを用いています。研究は、運動学習の一般化、時間最適化の原則、および小脳が未来の入力を予測するメカニズムの解明を柱としています。
Abe教授の研究室は、金属錯体やイオン結晶を対象としたパラ磁性共鳴(EPR)およびNMRを用いた電子スピン状態の解明を主軸としています。特に、銅(II)錯体におけるスピン相互作用や交換相互作用の詳細な解析を通じて、結晶場環境と電子状態の関係を明らかにしてきました。近年は、宇宙からの高エネルギー放射線を観測するCherenkov望遠鏡の性能評価にも関与し、天体物理学的応用への展開を進めています。
本研究室では、気象衛星データを活用した大気汚染物質の空間的・時間的動態の解明を主眼としています。特に、北半球の寒冷林地域における森林火災が大気中のオゾン前駆物質に与える影響を、衛星観測と地上測定の統合的解析によって研究しています。春から夏にかけての光化学スモッグの発生機構や、乾燥年における火災発生メカニズムの解明にも注力しています。
大藤達彦教授の研究室では、非白金族金属を用いた高効率で安価な水素生成触媒の開発を柱としており、特にニッケル・モリブデン合金をグラフェンでカバーしたナノ構造材料の設計とその電気化学的・表面科学的メカニズム解明を進めています。SFG分光法と第一原理分子動力学シミュレーションを組み合わせた表面水の構造解析も得意としており、界面での水の配列やプロトン移動挙動を原子スケールで解明しています。この研究は、持続可能な水素社会の実現に向けた次世代触媒材料の創出を目的としています。
本研究室では、人間とロボットの社会的相互作用が人々の心に与える影響に注目し、特にホテルや教育現場におけるロボットの心あたたかいまちがいサービスの実現をめざしています。ヒューマノイドロボットやふれあい型通信デバイス「Hugvie」を用いたフィールド実験を通じて、子どもたちの集中力向上や顧客満足度の向上を実証しています。また、ロボットが対話のパートナーとしての役割を果たすことで、高齢者との交流や教育現場の課題解決にも貢献できる可能性を探究しています。
Daisuke Ino教授の研究室では、神経伝達物質の動的変化をリアルタイムで可視化する新規遺伝子フォトメトリー技術の開発から、神経細胞とグルーカル細胞のシグナル伝達、さらには有機半導体の励起状態ダイナミクスまで、神経生物学と物性科学の境界を越えた多様な研究を展開しています。特にオキシトシンの脳内動態を可視化するMTRIA<sub>OT</sub>センサーの開発や、シュワン細胞のミトコンドリアが神経からのシグナルで制御されるピュリン作動メカニズムの解明が顕著です。また、表面科学的手法を用いた有機半導体の電子状態と励起状態の精密な解明も進めています。
ハラ正敏教授の研究室は、細胞周期の制御と翻訳調節に焦点を当てた細胞生物学的研究を推進しています。特に、ミトーシスの開始を制御するM期促進因子(MPF)の構成要因として、Cyclin B-Cdk1に加えグレートウォールキナーゼの必要性を明らかにし、細胞周期の精密な制御機構の解明に貢献しています。また、Drosophilaの卵母細胞から胚への移行期における翻訳制御を担うPNGキナーゼ複合体の活性制御機構や、キネトコアの構築におけるCENP-Cの調節機構についても解明を進めています。