東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
稲見潤教授の研究室は、自己免疫疾患、特に rheumatoid arthritis(RA)の発症メカニズムをT細胞の遺伝子発現およびスプライシングの観点から解明することを柱としています。長距離シーケンシングを用いたフルフレーム長アイソフォームのアノテーションや、単一細胞解析を活用した免疫細胞の多様性解析により、病態の早期予測や治療の新たな標的にする分子の同定を目指しています。特に、自己抗体陽性の高リスク者における免疫細胞の変化を解明し、予防戦略の構築に貢献することを目的としています。
Sakurai教授の研究室では、血小板疾患と急性骨髄性白血病を関連する遺伝性疾患であるFPD/AMLの発症機構を、RUNX1遺伝子の機能喪失変異とその病態メカニズムに焦点を当てて解明しています。特に、ドミナントネガティブ効果を示すRUNX1変異が造血幹細幹細胞の機能に与える影響を分子細胞生物学的手法を用いて解析しています。また、臍帯血由来の造血幹細胞を用いた再生医療的応用の可能性についても探求しています。
Soga教授の研究室は、キャピラリー電気泳動と質量分析法を組み合わせたハイブリッド分析技術を基盤とし、細胞内代謝物の包括的・定量的解析を追求しています。特に、電荷をもつ極性代謝物(アミノ酸、有機酸、リン酸エステルなど)の高感度・高スループット分析に特化しており、微生物(大腸菌、枯草菌など)の代謝応答や発生過程における代謝動態の解明を進めています。近年では、CE-TOFMSを用いた非標識代謝物の定性・定量法の開発や、代謝フラックスの再配分を解明するための包括的メタボローム解析手法の確立が目立ちます。
山田茂紀教授の研究室は、脳血管障害および神経変性疾患の発症メカニズムと診断基準の解明を柱としています。特に脳動静脈奇形(AVM)の再出血リスク要因の同定や、特発性正常内圧水頭症の新しい画像診断指標の提案により、臨床的応用に貢献しています。加えて、遺伝的要因や脳内微小出血のリスク因子に関するゲノムスキャンや疫学的解析も実施しており、脳神経疾患の予防・早期診断に向けた基盤を築いています。
Miura教授の研究室は、アポトーシスの分子機構と神経細胞の死・修復に関連するシグナル伝達経路を解明することを主眼としています。特に、caspase酵素群(ICE/CED-3ファミリー)が腫瘍壊死接着因子(TNF)による細胞死に果たす役割や、神経細胞の死に伴う補償的増殖の制御機構を、Drosophilaや培養神経細胞系を用いて解析しています。また、神経接着分子L1の機能とスプライシングバリアントの神経発達における役割についても、分子生物学的手法を駆使して研究を進めています。
Satoshi Watanabe教授の研究室では、光・物質相互作用の微視的メカニズムを解明するため、超短パルスレーザーを用いたイオン化制御や高次高調波生成の研究が進められています。また、電気刺激応答性ポリマーを用いたアクチュエータの開発や、ナノスケールの電気的・構造的特性を第一原理計算で解明する研究も展開しています。特に、表面構造と電子状態の関係を高精度なSTMシミュレーションで解明する分野でも高い評価を受けています。
伊賀達彦教授の研究室では、がん細胞の成長制御や細胞内シグナル伝達のメカニズムを解明するため、成長因子やキナーゼ阻害薬の作用機構を分子・細胞生物学的手法を用いて解析しています。特に、TGF-β2の精製やmTORC1経路を標的にしたがん治療戦略の開発に注力しており、がん細胞におけるアポトーシスや接着性制御のメカニズムの解明も行っています。また、最近では、量子系の熱化機構や非平衡量子状態の理論的記述にも関心を持ち、物性理論と実験の融合的アプローチを模索しています。
中谷晋司教授の研究室は、地球内部の動的挙動を解明するため、地震活動の時間的・空間的変動を多角的に分析する研究を展開しています。特に、安定同位体を用いた地下水循環の追跡や、地震のb値・多Fractal次元の変化から大規模な地震の前兆現象を解明する手法の開発が特徴です。また、破壊のネットワーク的挙動を3次元フラクタルモデルで再現し、破壊の連続的進行や透過条件を数値的に解明する研究も進めています。
佐竹賢治教授の研究室では、津波の発生源メカニズムや地震の滑り分布を、津波波形観測データを用いた逆問題手法によって解明しています。特に、津波の伝播を高精度に再現する数値シミュレーションと、海底変位の空間的・時間的分布の推定に注力しており、巨大地震のメカニズム解明と津波リスク評価に貢献しています。過去の大規模津波の記録を地質的・歴史的証拠から再構築する研究も展開しており、長期的な災害予測の基盤を築いています。
Alessandro A. Trani教授の研究室では、銀河中心の超大質量ブラックホール周辺における恒星質量ブラックホールの動力学的相互作用に注目し、三体問題の複雑な力学的挙動や、重力波源として観測される二重ブラックホール系の形成メカニズムを解明しています。特に、星団内や銀河中心の潮汐場における三体衝突、共通エンvelope段階、および重力波によるスピン・軌道の非整合性の発生を理論的・数値的に解明しています。近年のLIGO/Virgoによる重力波探索の進展を踏まえ、天体物理学的背景と観測との接点を強化した研究が特徴です。
Rwitajit Majumdar教授の研究室は、学習分析(Learning Analytics)と教育技術の統合を軸に、学びのデジタル化と自律的学習の促進を研究しています。特に、eラーニングプラットフォーム「BookRoll」を活用した読解行動の分析や、自律的学習能力(SDL)の育成プロセスの可視化に注力しています。また、インド伝統舞踊「バールァタニャーム」のデジタル化を通じて、文化的な学びのデジタルトランスフォーメーションを実現する応用研究も展開しています。
Kazuho Okada教授の研究室では、低炭素マルテンサイト鋼における水素破壊のメカニズムを、微細組織と結晶学的要因の観点から解明しています。特に、炭素セグレゲーションによる前処理状態の界面強化が水素脆化に与える影響や、水素存在下での微小な破壊メカニズム(例:準クリープ破壊、クリープ亀裂の始発機構)を、電子顕微鏡、X線回折、EBSDなどの先端分析技術を用いて詳細に解析しています。研究の柱は、高強度鋼の信頼性向上に資する微視的破壊挙動の解明です。
田中田潤教授の研究室では、光とデジタル処理を融合した次世代の光学イメージング技術と光デジタルコンピューティングの基盤技術を開発しています。特に、複眼型イメージング(TOMBO)を用いた薄型・高機能な画像取得システムや、散乱媒体を透過する3次元非侵襲的イメージング、光を用いた並列論理処理(OPALS)の実現に注力しています。深層学習を活用したCGH生成や、光によるパターン論理処理の新技術も展開しており、医療・顕微鏡・AR/VR分野への応用が期待されています。
Hojo教授の研究室では、自動車用超高張力鋼の耐腐食性と靭性を向上させるため、TRIP(加工誘発相変態)効果を活用した鋼材の開発に注力しています。特に、アルミニウムやクロムなどの合金元素の添加が水素吸蔵挙動や遅延破壊強度に与える影響を、水素吸収・放出挙動の精密測定と力学的評価を組み合わせて解明しています。また、水素による破壊挙動と相変態挙動の相関関係を明らかにすることで、高強度鋼の信頼性向上に貢献する評価技術の確立を進めています。
Naoki Suzuki教授の研究室は、神経変性疾患、特に筋萎縮や筋ジストロフィーに伴う筋委縮の分子メカニズムを解明することを目的としています。特に、転写因子Foxoの活性制御やDGC(ジストロフィングリコタンパク質複合体)の機能、ならびに筋細胞における酸化ストレスや一酸化窒素の役割に注目し、筋萎縮の早期発症メカニズムを分子レベルで解明しています。また、筋委縮に伴う酵素活性の変化や神経筋接合部の障害、神経変性疾患におけるタンパク質蓄積のメカニズムについても、臨床的意義を踏まえた基礎研究を推進しています。
Di Zhang教授の研究室では、金属-窒素-カーボン(M-N-C)単原子触媒の酸素還元反応(ORR)におけるメカニズム解明を主眼としており、pH依存性の反応活性や電子移動経路の選択性、反応の律速段階の特定に迫っています。特に、100種類以上の構造と2000セット以上のエネルギー的データを統合した大規模なスクリーニングにより、触媒の反応性のpH依存的変化を解明しています。この知見は、白金族元素に代わる高効率で安価な触媒の設計に貢献します。
Francesco Buscemi教授の研究室は、量子情報理論の根幹にある概念——特に量子もつれ、測定の不確実性、量子チャネルの容量——を、情報理論的・数理的枠組みで深く探求しています。特に、局所操作と古典的通信に代わる「共有ランダムネス」を用いた量子状態変換や、1回限りのチャネルにおける量子容量の限界を解明しており、非局所性の検出や量子干渉の制御に貢献しています。また、測定におけるノイズと攪乱の情報理論的定式化や、完全正則性の必要十分条件の解明を通じて、量子力学の根本的性質を再考する研究も展開しています。
Yusuke Murakami教授の研究室では、網膜色素変性症(RP)における光受容細胞の死のメカニズムに注目し、特に二次的・非自己同一性な傍関連性による rods に続く cone 細胞死の分子機構を解明しています。特に、RIPキナーゼを介したプログラムドネクローシスが視細胞死に果たす役割に焦点を当て、apoptosis とは異なる細胞死経路の同定と、その標的阻害による視細胞保護戦略の開発を目指しています。また、酸化的損傷や網膜血流障害といった非遺伝的要因がRPの進行に与える影響についても、神経炎症・酸化的ストレス・血管障害の観点から総合的に研究を進めています。
Xuchun Qiu教授の研究室は、環境中における医薬品・化学物質・ナノ材料の生態リスクを解明することを主眼としています。特に、魚類を用いた行動異常、神経伝達物質や酸化的なストレスマーカーとの関連を解析することで、環境汚染物質の潜在的影響を評価しています。近年では、光触媒材料の開発や、複数の汚染物質が併存する状況における相互作用の解明にも注力しています。
ローマン・アヌフリエフ教授の研究室では、ナノスケールにおける熱伝導の新規メカニズムを解明し、特に球面的(ボールスティック)なフォノン輸送を制御する技術の開発を主眼としています。特に、シリコン膜に周期的穴やナノピラーランダム構造を形成することで、熱フラックスの方向性を制御する「レイフォノニクス」と呼ばれる新概念を提唱。低温から室温まで幅広い温度領域で効果的な熱管理が可能になる応用技術の創出を目指しています。