東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
Zhihang Zhong教授の研究室は、コンピュータビジョンと画像処理分野に焦点を当てており、特にリアルタイムで動作する動画像の歪み補正とぼかし除去に注力しています。特に、CMOSカメラに起因するローリングシャッター歪みと運動ぼかしを同時に解消する学習ベースの技術開発を推進しており、実世界の動的シーンを想定した高品質なデータセットの構築も行っています。また、視覚言語モデルを活用したユーザー意図を反映する画像クロッピングや、看護教育における行動認識の高精度化など、応用分野への展開も進んでいます。
Hashimoto教授の研究室は、高分子の相分離挙動と自己組織化メタスラブの構造形成を、時間分解光散乱法や薄膜における微細構造解析を用いて解明しています。特に、ブロックコポリマーのラメラ状・球状マイクロドメインの形成機構や、分子量依存性、およびホモポリマーとの混合系における秩序構造の制御を主な研究テーマとしています。長鎖分子ならではのエントァングルメント効果や、スピンダル分解の普遍的スケーリング則の解明にも貢献しています。
Aoki教授の研究室は、素因数理論と量子色力学(QCD)の数値的・計算的解析に焦点を当てており、特に格子QCDを用いたハドロンの性質やクォーク質量、バリオン・メソンのスペクトル、および崩壊幅の精密な計算を主な研究テーマとしています。近年では、物理的クォーク質量でのシミュレーション実現に向けたアルゴリズム革新(ドメイン分割HMC、再重み付け技術)も進めており、実験と一致する高精度な予測を可能にしています。また、フェルミオンのスケーリング性や相転移構造の解明にも貢献しています。
本研究室では、セルロースを基盤とする持続可能なバイオマテリアルの開発を柱として、ナノセルロースと高分子の界面相互作用や複合化メカニズムに注力しています。特に、セルロース誘導体の熱可塑化やガントリスコポリマー化を応用した機能性プラスチックの創出、および生分解性ポリマーの設計的制御を進めています。また、酵素分解性や熱履歴が物性に与える影響についても、分子構造と物性の相関を解明する研究が展開されています。
Taiho Kambe教授の研究室では、亜鉛の細胞内バランスを制御する輸送タンパク質(ZnTおよびZIPファミリー)の分子機構を解明しており、特に亜鉛の細胞内シグナリング、タンパク質への結合、酵素活性化への関与に注目しています。特にZnT5やZnT7がゴルジ体や小胞内でのアルカリホスファターゼの活性化に不可欠であることが明らかにされており、発生・代謝における亜鉛の役割の解明が進んでいます。
Oishi教授の研究室は、神経変性疾患における脳画像のバイオマーカーの特定を柱としており、特にアルツハイマー病やパーキンソン病における画像診断と予後予測に注力しています。機械学習や深層学習を活用した脳画像解析により、脳血流変化や白質の微細構造変化と疾患の進行や症状の関連を解明しています。また、睡眠障害や脳血管障害の神経画像的基盤の解明にも取り組んでいます。
Kazuhiro Iwaï教授の研究室は、細胞内のタンパク質修飾とその機能、特にユビキチン化修飾とその関与するシグナル伝達経路に注目した研究を展開しています。特に、VHLタンパク質がユビキチンリガーゼ複合体を形成し、がんや代謝疾患に関連するタンパク質の分解を調節するメカニズムの解明を進めています。また、鉄ホメオスタシスにおけるIRP2の酸化的な制御や、線溶性ユビキチン化がNF-κBシグナルに与える影響についても、細胞死・炎症の制御メカニズムを解明しています。
磯部耕教授の研究室は、悪性線種性胸膜盛肉腫(MPM)や非小細胞肺癌(NSCLC)を対象に、がん免疫療法の効果を高める新規治療戦略の開発を主眼としています。SOCSファミリーの遺伝子発現制御やT細胞の細胞性死画作用の評価を通じて、がん細胞の増殖阻害や免疫逃避のメカニズム解明を進めています。特に、がん治療における標的遺伝子の導入や、周辺血のT細胞機能を用いたバイオマーカーの探索が、個別化医療の実現に貢献しています。
マーティン・ヴァーチャ教授の研究室は、単一分子レベルでの光励起状態や励起子の挙動を高解像度顕微法を用いて解明する分野を専門としています。特に、有機半導体やペロキシライトナノ結晶における発光メカニズム、励起子移動、局所的発光サイトの特定を、単一分子分光法と超解像イメージングを融合して研究しています。また、分子の配向や励起子の非放射的過程の制御といった、次世代光エレクトロニクス材料の設計に不可欠な基礎的理解を進めています。
Tokuda教授の研究室では、ステンレス鋼の腐食挙動、特に溶接による過熱処理が引き起こすグレインバウンダリーのCr不均一化とその影響を、電気化学的・表面分析的手法を用いて解明しています。特に、応力下におけるピット腐食の発生機構や、MnSやCrSなどの不純物インクルージョンが腐食に与える影響を、XAFSや動電位測定を駆使して詳細に分析しています。応力が腐食生成物の挙動やピットの成長に与える影響を解明することで、IGSCC(イオングレインバウンダリー応力腐食割れ)の初期メカニズムの解明を目指しています。
Ryotaro Matsuda教授の研究室では、金属を配位子として用いた多孔性結晶材料、特に金属有機フレームワーク(MOFs)や金属有機ポリマー(PCPs)を基盤に、ガス分離・触媒反応・プロトン伝導といった応用をめざした機能性材料の設計と創出を進めています。特に、金属サイトとフレームワークの柔軟性を制御することで、COやベンゼンといった分子を高選択的に吸着・分離する新規材料の開発に成功しています。また、酸性官能基を導入したPCPsを用いたセルロースの効率的加水分解触媒や、低湿条件下でも高いプロトン伝導性を示す材料の開発も進んでいます。
長野保世教授の研究室では、宇宙機器や電気自動車向けの高効率熱管理技術を基盤とし、ループ熱パイプ(LHP)の新規応用や新材料の開発を進めています。特に、冷却用途にとどまらず、電池加熱や可逆的熱制御パネルといった新たな応用展開を実現するための熱伝達メカニズムの解明とデバイス開発が中心です。PTFE多孔質材料を用いた高耐久性LHPの開発や、グラファイトシートなどの新素材の熱物性評価も並行して実施しています。
Y. Ishibashi教授の研究室では、植物の種子発芽と休眠の制御機構に注目し、反応性酸素種(ROS)のシグナル伝達機能とその調節機構を解明しています。特に、ヒ素酸(ABA)やジャスモン酸(GA)との相互作用を通じて、ROSが種子の発芽を促進するメカニズムや、NADPHオキシダーゼがROSを産生する役割を解明しています。また、高温ストレス下での種子の貯蔵物質の変化についても、脂質とタンパク質の代謝に関与する遺伝子発現の変化を解析しています。
Okada教授の研究室は、遷移金属化合物やナノ材料を用いた次世代エネルギー変換・貯蔵デバイスの開発を主眼としています。特に、ナトリウムイオン電池やリチウムイオン電池の高効率な電極材料としてのスズ硫化物やリン酸バナジウム系素材の特性解明に力を入れており、固体電池における界面安定性や電気伝導性の向上にも貢献しています。また、ZrTe₅のような新規トポロジカル材料の電子状態や相転移挙動の解明を通じて、物性物理学的基盤の確立にも取り組んでいます。
Hayato Yamana教授の研究室は、医療データベースを活用した医療実態の解明を柱としています。特に、診断・処置記録の妥当性や、行政データを用いた疾患の同定・リスクスコアリングの可能性を検証しており、重症症候群の疫学的把握や代替医療(漢方)の実態解明にも貢献しています。これらの研究を通じて、大規模な医療ビッグデータの信頼性と応用可能性を高めることを目的としています。
Samir Khan教授の研究室は、複雑なエンジニアリングシステムにおける故障診断の難しさに注力しており、特に「故障なし(No-Fault Found: NFF)」とされる事象の原因解明とその是正に焦点を当てています。高機能化が進む航空機や電気電子システムにおいて、原因が特定されないまま部品が交換されるNFF問題の根本的要因を、人間要因、設計的限界、診断技術の改善から多角的に分析しています。近年では、非一様サンプリングや逆確率加重推定といった統計的手法を応用した故障診断の精度向上手法の開発も進んでいます。
Takuya Nomoto教授の研究室は、強い電子相関や多電子系におけるスピン・オービタル自由度の協調的役割に注目し、ヘビーフェルミオン系や多軌道超伝導体、磁性トポロジカル物質の微視的メカニズムを第一原理計算と群論的分類を融合して解明しています。特に、非磁性系における非単純な超伝導ギャップ構造や、磁性と超伝導の共存が示す新規対称性の揺らぎを理論的に解明しています。また、磁性トポロジカル物質におけるWeyl点の制御や、多体効果がもたらす異常な電磁特性の理解を目指しています。
本研究室では、稲作における窒素(N)栄養状態の非破壊的評価と精密施肥の実現を目的として、クロロフィル計測器(SPAD)や窒素希釈曲線を用いたN状態の推定法を体系的に検討しています。特に、ジャポニカ型とインディカ型の稲に対して、生育期に応じたN状態の安定的把握や、茎乾物量を用いた臨界窒素希釈曲線の構築が主な研究テーマです。気候変動に伴う不確実な気象要因への適応策としても、灌漑・雨水栽培下でのN管理戦略の最適化を追求しています。
北嶋直樹教授の研究室は、社会的格差が健康に与える影響を、国レベルの収入格差から個人の生活習慣まで、多層的な視点から解明しています。特に、収入格差と健康格差の因果関係、およびその背後にある相対的貧困や生活習慣の役割に注目しています。長期間にわたるデータを用いたメタアナリシスや、高齢者を対象とした疫学的調査を通じて、格差の閾値効果や時間的遅れといったメカニズムの解明を進めています。
Ueda教授の研究室は、神経変性疾患とがん治療における多剤耐性の分子機構を解明する研究を主軸としています。アルツハイマー病の病態に関与するアミロイド形成の新規펩チド同定や、Pグリコプロテインを介した薬剤排出機構の解明が顕著です。特に、MDR1遺伝子の発現調節機構や膜タンパク質の機能解析を通じて、がん化学療法の耐性メカニズムの解明を目指しています。