東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
本田哲也教授の研究室では、炎症性疾患におけるリピッドメディエーターの機能と免疫調節機構を解明することを主眼としています。特にプロスタグリン系のリガンド(PGI2、PGE2)やリゾルビンE1、ロイコトリエンB4といった発炎・消炎作用を示す脂質メディエーターが、自己免疫疾患や皮膚炎における免疫応答に果たす役割を、マウスモデルを用いた分子・細胞生物学的手法で解明しています。また、好酸球やマストサイト、樹状細胞といった免疫細胞の機能とその調節機構についても、遺伝子操作マウスを用いた精密な解析を進めています。
S. Suetsugu教授の研究室は、トポロジカル物質や量子相関系に注目し、特にスピン液体やエキゾチックな超伝導態の発見・解明を主眼としています。高精度な熱物性測定(熱伝導率、比熱、磁化)を駆使して、非古典的量子状態の性質を解き明かしており、特にKitaevスピン液体や2次元ヘイズェンベルグ反強磁性体におけるエキゾチックな励起状態の実証に貢献しています。また、3次元デルタ電子系における巨大磁気的応答の起源解明にも取り組んでいます。
Hironori Katoh教授の研究室は、細胞骨格のダイナミクスと細胞形態制御を担うRhoファミリー小小GTPアーゼのシグナル伝達機構に焦点を当てています。特に、RhoA、Rac、Cdc42、RhoGといったGTPアーゼが神経細胞のニューライト形成や細胞移動に果たす役割を分子細胞生物学的手法を用いて解明しています。また、がん細胞におけるシグナル伝達異常と代謝再編の関連や、神経成長因子応答における細胞形態変化の制御機構についても研究を展開しています。
岡久慶教授の研究室では、可視光を用いた光触媒反応の開発に注力しており、芳香族炭化水素やアルカンの効率的で選択的な酸化反応を実現しています。特に、光誘導電子移動を基盤とした新しい触媒機構の解明や、超長寿命状態を有する電荷分離状態の創出にも成功しています。反応機構の詳細な解明にはレーザーフラッシュ分光法を用い、実験的・機序的裏付けを強固に構築しています。
Yosuke Funato教授の研究室は、マグネシウムイオン(Mg²⁺)の細胞内バランスを制御するCNNM/CorCファミリーのトランスポーターと、その調節因子であるPRL(リン酸化ホスファターゼ)の機能解明を柱としています。特に、Mg²⁺ホメオスタシスがエネルギー代謝や腫瘍進展に与える影響、およびその分子メカニズムを細胞・分子レベルで解明しています。また、IRSp53とEps8の相互作用が細胞骨格再編とがん細胞の挙動に与える影響についても、シグナル伝達の観点から研究を展開しています。
Hideki Taguchi教授の研究室は、酸化物ペロブスカイトの低温合成から、シャペロニンをはじめとするシャペロン・タンパク質の構造機能解明、酵母プリオンの凝集様式と動的挙動の高分解能イメージングまで、分子生物学的・材料科学的アプローチを融合した多様な研究を展開しています。特に、原子間力顕微鏡や電子顕微鏡を用いたプリオンのリアルタイム観察や、ATP依存的シャペロンの機能メカニズムの解明が特徴です。細胞内でのタンパク質凝集の動的挙動を単細胞レベルで可視化する技術的革新にも貢献しています。
Takeharu Tsuge教授の研究室は、合成生物学的手法を用いて、バイオプラスチックであるポリヒドロキシアルカノエート(PHA)の効率的かつスマートな生産をめざしています。特に、PHA合成酵素(PHA synthase)の遺伝子工学的改変を通じて、モノマーの組成や分子量を精密に制御する技術を開発しています。また、自然界に存在する細菌由来の酵素を改造し、工業的応用に適した高機能性PHAを合成する革新的なプロセスの構築を目指しています。
Erwin Wu教授の研究室は、仮想現実(VR)や混合現実(MR)を活用したスポーツスキルの習得支援技術を開発しています。特に、テーブルテニスやアルペンスキーの分野において、プロ選手の動きを記録・可視化し、リアルタイムで予測する深層学習ベースのポーズ推定技術を応用しています。視覚的フィードバックや時間の歪み、触覚フィードバックを組み合わせたインタラクティブな訓練システムの構築が主な研究テーマです。
Cong Huang教授の研究室は、植物遺伝学と細胞生物学を融合した多角的な研究を推進しています。特にアリウラムコットンの形質遺伝構造の解明や、骨芽細胞の分化・増殖を制御する非コーディングRNAの機能解明が主な研究テーマです。また、代謝疾患と筋力低下の関連性や、食事パターンがうつ症状に与える影響についても疫学的・分子的アプローチを組み合わせた研究を展開しています。
Joji Kusuyama教授の研究室は、機械的刺激(特に低強度パルス超音波:LIPUS)が間葉系幹細幹細胞の線維芽細胞・脂肪細胞・骨細胞への分化に与える影響を解明する研究を主軸としています。特に、LIPUSが脂肪細形成を抑制し、骨形成を促進するメカニズムや、母体の運動や栄養状態が胎児の代謝機能に及ぼすエピジェネティックな影響(DNAデメチル化、SOD3発現の上昇)にも注目しています。また、骨形成関連タンパク質(OPN)やケモキナーゼの機能についても、細胞応答の制御メカニズムを解明しています。
劉 Mingxu教授の研究室は、大気汚染と環境化学の分野に焦点を当てており、特にPM2.5や酸性雨の発生要因としてのアンモニア(NH₃)の排出とその環境影響を、化学輸送モデルと高分解能排出インventryを統合して解明しています。中国における農業的・工業的要因に起因する大気汚染物質の動態、特に窒素化合物の化学的挙動と酸性スモッグ形成のメカニズムを重点的に研究しています。近年の排出削減政策の環境的影響を定量的に評価するための科学的根拠の構築が、主な研究目標です。
本研究室では、超短パルスレーザーと高感度分光技術を駆使して、分子の高精度な振動・回転準位構造の解明を進めています。特に、レーザー光と物質の極限的相互作用や、高強度レーザー下での原子核反応、X線生成現象にも注目し、新しい物性現象の解明をめざしています。また、長波長帯域の超短パルス生成と周波数制御技術の開発を通じて、リアルタイムで化学種を遠隔測定可能な高精度Raman分光技術の実現にも取り組んでいます。
山原博安教授の研究室は、酸化物半導体やスピンギャスなどの機能酸化物を基盤として、ナノスケールの構造制御と物性の解明を進めています。特に、スピンギャスやガーネット系酸化物におけるフラクタル電気双極子効果や、グラフェンを用いた超高感度ガスセンシング技術の開発に注力しています。室温でppb乃至pptレベルのガス分子を高感度で検出可能な次世代センシングデバイスの創出を目指しています。
Hiroyuki Tamura教授の研究室は、有機太陽電池や超伝導体、量子ドットなどの半導体異質接合系を対象に、電子構造と量子力学的ダイナミクスの統合的解析により、励起子解離やキャリア生成の微視的メカニズムを解明しています。特に、分子間相互作用や格子振動の影響がキャリア生成に与える寄与を第一原理的量子計算で解き明かしており、次世代の太陽電池材料の設計に貢献しています。また、超ニュクレオン系のγ線遷移の観測を通じて、ハインプ粒子と核子のスピン相互作用の強さを精密に測定する分野にも進出しています。
S. Ninomiya教授の研究室は、画像処理技術と機械学習を応用した植物の生育状態評価に注力しています。特に、収穫前の果実の自動生育予測や、トマトの生育期間における節間長の高精度推定を目的とした画像解析手法の開発が進んでいます。また、土壌の酸性度改善や植物のリズム的挙動の解明など、農業生産性向上に資する多様な分野の研究を展開しています。
田中知宏教授の研究室は、主に水文・水理学的モデルの構築と応用を柱としており、特に山岳地帯の河川流域における流出・洪水予測に焦点を当てた研究を進めています。日本国内の河川に加え、気候や地形が異なる海外の流域に対してもモデルの適用可能性を検証しており、気候変動下における洪水リスクの定量的評価を目的としています。また、大規模な気候シミュレーションデータを活用した洪水リスク曲線の構築や、ビッグデータ解析・グラフ理論を用いた大規模流域の同時洪水リスク分析など、情報科学的手法と水文モデルの融合にも注力しています。
Masao Nagasaki教授の研究室は、ゲノム情報の解明とシステム生物学的手法を融合したゲノム医科学研究を推進しています。特に日本集団の高深度全ゲノム解析から得られる多様な遺伝子変異と構造的変動を解明し、疾患の遺伝的基盤を解明する研究が中心です。また、バイオプロセスのモデリングとシミュレーションを可能にするソフトウェア開発(GON, Cell Illustrator)を通じて、システム生物学的アプローチの実用化にも貢献しています。
本研究室では、細胞の三次元構造と動的挙動を高精度で可視化・解析するための光学的イメージング技術を開発・応用しています。特に、CCDセンサーを活用した高分解能・高感度な顕微鏡技術や、マルチスペクトルイメージングを用いた生きた細胞の同時多色観察が主な研究テーマです。遺伝子の核内位置や染色体の対合メカニズム、そしてコドン使用のバイアスと遺伝子発現の関係についても、画像解析と分子生物学的手法を融合して解明しています。
Kanemura教授の研究室は、標準模型を超える新しい物理現象の解明を目的としており、特に2HDM(2つのヒッグスダブルレット模型)や超対称模型を用いたヒッグス粒子の高精度なカップリング測定、および電弱相転移とバリオジェネシスの関係を研究しています。また、ダークマター候補やニュートリノ質量生成機構のメカニズムについても、ゲージ・U(1)_{B-L}対称性やZ2対称性を導入した簡潔で検証可能なモデルを提案しています。これらの研究は、LHC以降のe+e−線形衝突型加速器での高精度測定と密接に結びついています。
Kazu Suenaga教授の研究室では、電子顕微鏡を用いたナノスケールの構造・動態解析を通じて、カーボンナノチューブ内に閉じ込められた分子や、ボロンナイトライド(BN)を含むカーボン系ナノ材料の原子レベルの構造と挙動を解明しています。特に、単一原子の特定や、分子の三次元的配置・相互作用の可視化に成功しており、ナノ材料の設計と応用に不可欠な知見を提供しています。