東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
Cheryl Lewis Ames教授の研究室は、特にトビウオジゴケクラゲ(Cassiopea xamachana)や箱クラゲ(Cubozoa)をモデルとして、刺胞動物の特異な生態・進化・分子機構を解明する研究を展開しています。特に、クラゲのが持つ特異な刺胞構造「カシオスーム」の構造と機能、ならびにその共生するダニオフラグルスとの相互作用を、分子生物学的手法と画像解析を融合して解明しています。また、環境DNAを用いた水中生物多様性モニタリング技術の開発や、クロラチウム目の発生・発達・繁殖戦略の分子メカニズムの解明にも取り組んでいます。
Vempi Satriya Adi Hendrawan教授の研究室は、気候変動に伴う水害や干ばつが農業生産に与える影響を、水文学的・気象的データと作物生産統計を統合して分析する分野に注力しています。特に、洪水や干ばつのリスクを定量的に評価するための脆弱性曲線や標準化降水指数(SPI)を用いた作物感受性の解明が主な研究テーマです。高解像度の気候予測データを活用し、今後の気候変動下における食料安全保障のリスクを予測・可視化する研究が進んでいます。
岸教授の研究室は、肥満や代謝症候群に伴う循環器・代謝疾患の発症メカニズムを解明するため、脂肪細胞から分泌されるホルモン・アディポネクチンの多様な生理的・病態修飾的役割に注目しています。特に、マ Acro膵細胞の極性制御や血管新生、腎障害への保護作用といった、アディポネクチンが免疫・炎症反応や酸化的なストレスに与える影響を分子・細胞レベルで解明しています。また、動物モデルや細胞系を用いた機能解析を通じて、アディポネクチンの治療的応用可能性を追求しています。
岡野義一教授の研究室は、再生医療および口腔・顎顔面領域の組織工学を柱として、血小板含有血漿(PRP)が骨吸収を抑制するメカニズムや、表面トポグラフィーが幹細胞の挙動に与える影響を解明しています。特に、顎顔面領域の骨再生を促進する材料や手術法の開発、インプラント周囲の生体適合性・機械的挙動の最適化にも注力しています。臨床的応用に結びつく、基礎と臨床をつなぐ研究が特徴です。
Takehiro Kawashiri教授の研究室は、がん化学療法に伴う末梢神経障害の発症メカニズムを解明し、神経保護効果を示す薬剤の発見を目的としています。特にオキサリプラチン誘因の冷感過敏症や機械的誘発痛覚過敏症の神経生物学的機構に注目し、Ca²⁺チャネル・NFAT・TRPM8経路の解明を進めています。また、ドネペジルやデメチルフマラート、ニューロトロピンなどの既存薬の神経保護作用を基礎的・臨床的両面から評価しています。
Hiro Kishimoto教授の研究室では、高齢期の健康維持に向けた身体活動や身体機能の向上、精神的健康の影響要因の解明を主な研究テーマとしています。特に、運動習慣の質と量が身体機能や死亡リスクに与える影響、および慢性痛と神経障害様症状の関連性を、大規模なコミュニティベースの日本人高齢者を対象に分析しています。また、生活習慣や身体機能の指標としての加速度計測定データの標準化にも貢献しています。
三田谷慎介教授の研究室では、若年層から高齢者に至るまでの口腔機能と全身健康の関連を、臨床的・予防的視点から解明しています。特に、口腔乾渇症や歯周病のリスク要因、自己効力感の影響、年齢に伴う口腔機能の変化、認知機能との関連など、口腔健康管理のエビデンスを積み重ねています。若者における口腔衛生行動の向上や、高齢期における口腔機能の維持・リハビリテーションの可能性にも注力しています。
Tetsuya Yamamoto教授の研究室は、膜脂質の合成とその機能的・構造的特性の解明を柱としています。特に、ジアミノアルコールを用いたクロスメタセシス反応によるスフィンゴリピッド類の効率的合成法の確立や、脂質膜の相挙動や界面エネルギーの制御に関する理論的・計算的アプローチを展開しています。また、細胞内シグナル伝達と脂質代謝の関連についても、細胞生物学的・生化学的実験と併せて研究を進めています。
Onodera教授の研究室は、再生医療を柱として、特に幹細胞や成長因子を用いた組織工学的アプローチを通じて、関節軟骨や唾液腺・肺の発生的形成機構の解明を進めています。特に、UPALゲルを用いた骨髄刺激術の補助的応用や、Btbd7を介した上皮接着機構の解明は、臨床応用に直結する革新的な研究です。また、糖鎖修飾ポリマーを用いた細胞接着制御技術の開発により、生体適合性材料の設計にも貢献しています。
Waga教授の研究室は、主に北極海を対象とした海洋生態系の変化を、衛星リモートセンシングと数理モデルを融合して解明する分野に従事しています。特に、春のプランクトンブloomの発生メカニズムや、秋のブloomの出現動態、さらにはメソスケール渦や海氷中の堆積物が生態系に与える影響を、時間的・空間的変動の観点から分析しています。近年の北極の温暖化に伴う海氷減少とそれに連動する生態系の変化を、定量的に捉えることを目指しています。
Kiminori Nakamura教授の研究室は、腸管の先天的免疫と腸内微生物叢の恒常性を制御するメカニズムに注目し、特にパネス細胞が分泌するαデフェンシンという抗菌ペプチドの機能とその調節機構を解明しています。特に、睡眠不足や生活習慣が腸内細菌叢に与える影響を、HD5の分泌調節という観点から解析しており、腸-脳軸や代謝疾患の予防に寄与する可能性を追求しています。
Togasaki教授の研究室では、リチウムイオン電池およびリチウム酸素電池の高効率化・長寿命化を目的とした電極反応機構の解明と、電池の安全なリユース・リサイクルに資する非破壊評価技術の開発を主な研究方向としています。特に、電気化学インピーダンス分光法(EIS)を活用した劣化メカニズムの予測や、電極内活性物質の効率的利用を評価する新規インピーダンス解析手法の開発が進んでいます。また、過充電・過放電に起因する電池劣化のメカニズム解明や、赤酸化物ショートの抑制に向けた新規電解質・界面材料の開発にも取り組んでいます。
Ramesh Sunam教授の研究室は、ネパールを代表とする南アジアの農村地域における国際的ブルーカラー・ラーブラー・ミグレーションが、貧困の再生産や農村生活の変容に与える多面的影響を、社会的・文化的・経済的側面から分析しています。特に、移住による人的・金銭的・象徴的資本の蓄積が、ダリット層を含む社会的弱者層の社会的・文化的な抵抗と機会拡大にどう寄与するかに注目しています。また、移住と食料安全保障、森林管理のデシントラライゼーション、多様な不確実性(プレカリティ)の構造的要因についても、民族的・文化的文脈を踏まえたエスノグラフィックな分析を展開しています。
Hirakawa教授の研究室は、半導体異質接合を用いた2次元電子系の物性を、精密なドーピング制御と新しいゲーティング構造を駆使して解明しています。特に、電子移動度の制御、熱化過程、プラズモン励起、量子ホール効果における光応答といった、低次元系の電子輸送とエネルギー状態のダイナミクスに焦点を当てています。実験的手法として、磁気輸送測定、赤外分光法、フォトルミネッセンスを組み合わせた多角的アプローチが特徴です。
Ryo Takita教授の研究室は、有機合成化学を基盤とし、特に金属触媒を用いた高エナンチオ選択性反応や、新しい還元反応の開発に注力しています。特にインジウム(III)触媒を用いたアルキン化反応や、ZnX₂とNaHを組み合わせた選択的還元反応のメカニズム解明が特徴です。また、π軌道相互作用を利用したスイッチング性分子の設計や、金属水素化物を用いた新規求核置換反応の開発も進めています。
Motoyama研究室は、量子多体系の数値シミュレーションを核として、スピンモデルやトポロジカルな相転移を解明するための新規モンテカルロ法とテンソルネットワーク法の開発を進めています。特に、局所Z(2)やZ(N) Berry位相を精度よく計算するためのアルゴリズム的革新に注力しており、スピン液体や対称性保護トポロジカル相の分類に貢献しています。また、計算環境の整備としてMateriAppsやTeNeSといったオープンソースソフトウェアの開発も行い、研究の可及的・大規模化を支援しています。
石原拓海教授の研究室では、高速化された信号伝送技術としてのフォールターオーバー・ニューキスト(FTN)シグナリングに注力しており、特に周波数ドメインにおける低複雑性で高効率なチャネル推定とデータ検出技術の開発を進めています。色どいノイズの影響を考慮した符号化方式や、SVD・EVDを用いた信号成形・パワー配分技術の導入により、スペクトル効率の向上と近チャネル容量性能の実現を目指しています。また、時間ドメインのインデックスモードや周波数ドメインのフィルタリング技術を組み合わせた新規FTN方式の提案も行っています。
Kumiko Ui‐Tei教授の研究室は、RNA干渉(RNAi)のメカニズムとその応用を解明するため、siRNAの配列設計、オフターゲット効果の予測、およびsiRNAの構造機能関係に焦点を当てた研究を進めています。特に、効果的なsiRNAの設計ルールや、miRNAに類似したオフターゲット効果のメカニズムを、熱力学的安定性やシード領域の相補性から解明しています。また、RNAスプライシングやタンパク質結合機構に関連するRNAの機能調節機構についても探求しています。
Satoru Inoue教授の研究室は、有機半導体の結晶成長と分子配列の制御を核として、溶液可搬性を持つ層状有機半導体材料の構造・物性関係を解明しています。特に、アルキル鎖の置換が結晶性や電荷輸送性に与える影響を分子設計の観点から追求しており、次世代の有機エレクトロニクスデバイスの開発に貢献することを目的としています。また、ナノ構造材料の表面・界面特性や多孔質構造のスケール依存性についても、X線回折、TEM、表面分析を用いて詳細に解析しています。
Tetsuo Sasano教授の研究室では、心房細動(AF)の病態メカニズム、特に炎症が関与する心房再-entry基盤の形成に注目し、治療に応用可能な新規戦略の開発をめざしています。また、特発性心室制動の原因となるIRX3遺伝子変異とヒス-プルキンジ系における機能障害の解明を通じて、健康な心臓における突然死の予防に貢献する遺伝的リスク評価の高度化を推進しています。